
平日でも大盛況。ミシュランガイドの影響力は絶大
都心からは国道20号線(甲州街道)を西に進んでいけば高尾山に到着する。我が家は都心じゃないのだが、それでも高尾山へは西へ向かうことになる。当然のことながら交通量が多い八王子の市街地を抜けなければならない。これがけっこう苦痛なので、なるべく市街地を通らないように、野猿街道から八王子みなみ野を経て北野街道、町田街道と走りつないで高尾駅近くで国道20号線へ出た。西八王子から高尾にかけての国道20号線沿いはイチョウ並木になっていて、黄色く色づいた並木が見事だった。高尾山の登山口は高尾駅が最寄りではなく、その先の京王線高尾山口駅だ。そのため行楽客の大半が高尾山口駅を利用している。
もちろん車で訪れる人も多く、駅周辺には有料駐車場が点在している。バイクはというと、数は少ないものの有料駐輪場がいくつかあり、それらを利用することになる。ところがだ、うれしいことに125㏄以下の原付バイクは、駅横の高架下にある無料駐輪場に止められるのだ。110㏄のスーパーカブももちろん原付二種なのでタダで堂々と止められる。ただし、それほど多くの台数は止められないので、休日には早めに行く必要がありそうだ。この日は平日だったので、10時半頃到着した時点で5、6台の空きスペースがあった。




高尾山の標高は599mと決して高い山じゃない。整備された登山ルートが何本もあって、ハイキング気分で頂上を目指すことができる。僕も昔は歩いて登ったものだが、いまは迷うことなくケーブルカーで標高472mの高尾山駅まで登ることにしている。別の手段としてリフトもあるのだが、最大斜度31度18分と、ケーブルカーの線路では日本一の急勾配を誇るのだから、鉄オタとしてはケーブルカー一択である。また車窓から眺める紅葉も人気になっている。
以前、休日に訪れたときには乗車まで1時間以上を要した。しかし平日は1本程度待つだけで乗ることができた。「平日でもすんなりとはいかないのか」という思いもあるが、インバウンド客にとっては平日も休日もないことを再認識した。






満員の行楽客を乗せたケーブルカーで急勾配を登ることおよそ6分、高尾山駅に到着した。名物の天狗焼の店は相変わらずの盛況ぶり。行楽客の列を横目にここからは徒歩で薬王院へと向かう。少し行ったところに土産物屋と食堂を兼ねた老舗の『十一丁目茶屋』がある。都心方面の眺望が良く、テラス席はとくに人気だ。昼には少し早かったが、混む前にと食事をすることにした。残念ながらテラス席は空いてなかったのだが、注文したとろろ飯はなかなかうまかった。
お腹が満たされたところで登山開始。といっても山頂まで登る気はまったくない。せっかく行ったのに…と大半の人は思うだろうが、坐骨神経痛に耐えながら登ろうなんていう強い精神力は持ち合わせていないのだ。それでも薬王院までは行こうと決断しただけでも自分をほめてあげたい。




行楽客(登山客)が多く行き交う道を、景色を眺めながらのんびりと歩く。登山道というより参道といった風情だ。途中で道は階段が続く男坂と坂道で迂回する女坂の二手に分かれる。当然ながら女坂を進んだ。ダラダラと続く上り坂はかなりつらい。何度引き返そうと思ったことか。気力だけで足を前へ出すこと10分、ようやく薬王院に到着。追い打ちをかけるようにさらに階段でひと苦労し、山門、仁王門を抜けて本堂で参拝したのだった。本堂脇の階段を登っていけば山頂へと至るのだが、ここまでで十分に高尾山観光を楽しんだので、引き返すことにした。
帰りは男坂の階段を下り、高尾山駅横のスミカという店で名物の天狗焼を列に並んで購入。その後、下りのケーブルカーもすんなりと乗車できて、スーパーカブの元へと戻ったのである。こんなふうに、たまには普通に観光するプチツーリングもありだなと思った。











走行距離:45km 使用ガソリン量:0.81L ケーブルカー往復乗車券:980円 食事代:1300円 天狗焼:250円
今回はちょっと予算オーバーでした
