100%趣味で具現化した飛び出す3方向スライダー

リアゲートは言うに及ばず、両サイドのスライドドアからもスライドボードが迫り出すエブリイは、まるで自動車メーカーがラインナップしている架装車両のような圧倒的クオリティ。実はそれもそのはず、オーナーの有澤さんは自動車メーカーの工場勤務で、日々クルマ作りに携わっている本職の方なのだ。

とは言え、ご覧のエブリイは完全にプライベートの趣味グルマ。元来、モノ作りが好きでDIYに慣れ親しんできた有澤さんは、米国ブランドの工具メーカー「デヴォルト」の存在を知るなり国産「マキタ」からの乗り替えを決行。工具はおろかポロシャルやブーツ等のアパレルまで取り揃えて「アメリカの職人さん」になりきり、荷室カスタム共々コスプレもエンジョイしている。

ちなみにエブリイに架装したスライドレールにはそれぞれ明確なコンセプトが設定されており、右サイドは小物類を中心としたバラエティコーナー、右サイド下段はデヴォルトのタフケースに合わせたサイズで設計。逆側の左サイドはバッテリーやビットをはじめとした電動ドリルを集約し、リアゲートは自身がDIYを実践する生産基地となっている。

また、先だって広島で開催された箱バン系イベント「NIE〜荷室イジってエェんやで〜」においては、愛知県は豊田から片道7時間もかけて遠征エントリーするほどの入れ込みよう。その甲斐もあって栄えある軽バン賞をゲットし、往復1000キロに及ぶ寝ずのロングランも報われたとのこと。いやはや、その情熱と本気っぷりに脱帽だ!!

SUZUKIエブリイ(DA17)
エクステリアの改造にはまったく興味が無いと言い切る有澤さんですが、荷室イジラー全般が好むフロントマーカーは押さえている。
ナンバープレートを隠すためのデヴォルト化粧ボードも自作していて、各種イベントへの参加時などに有効活用しているのだとか。

サイドドア部からスルスルと伸びてくるスライドボード

デヴォルトのタフケースオーガナイザーがキッチリ3ケース収まるように採寸して造り込まれた右サイド下段のスライドボックス。
アクリル板にデヴォルトのロゴマークを貼り付けて、あたかもスライドボードそのものがデヴォルト製かのような錯覚を覚えさせる。
垂直に配置したボードにボックスケースを組み付け、タフシステムのケースも含めてバラエティ豊かに小物アイテムを収納する。
マグネット方式で心棒の入れ替えができるペーパータオルホルダーも見よう見まねで自作。これ自宅に欲しくなるクオリティ。
フロントシートをリクライニングさせるときのスペースも考慮し、天面からのスライドレールも含めて空間に余裕を持たせている。
スライドレールに掛かる荷重をすべて受け止めるフロアボードには各地で交換したイジラー達のデカールとメンテナンスホールが。

機能性だけじゃない細部まで魅せきる拘りのセットアップ

リアゲートのスライドボードは左右2分割で各々200kgの耐荷重を持ち、下段に別スライドレールで稼働する収納ケースも完備。漆黒ボディのエブリイに対し、スライドボードのブラックパネルとデヴォルトのブラックで塊感を演出。これにデヴォルトの差し色イエローがアクセントとなり、もはや軽自動車の黄色ナンバーすら計算尽くに感じられてしまう。ちなみにスライドボードに設置されたタフシステムのボックス上部にバックパックが不用意に積まれているように見受けられるが、ちゃんとシステム規格のブラケットで連結されているのでご安心を。

左サイドのスライドドア開口部から、天井に吊り下げられた状態の電動ドリルがヌルヌルと迫り出してくる。なんて言うか単純にカッコいい。
スライドボードに固定され、そこから更にスライドレールで伸縮する薄型収納スペース。内部にはデヴォルトの小型ケース等が収まる。
お気に入りの場所に到着したらおもむろにテーブルを展開して工作をおっぱじめちゃうのが有澤さん流。この一時が至高なんですって。
OWNER 有澤 元さん N.I.Eこと「荷台イジってエェんやで」界隈では自らのことを荷台イジラーと呼ぶらしい。その中でも変態を極めている部類に選別される有澤さんでした。

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