Chevrolet Corvette ZR1
自身のタイムを新型ZR1で更新

カナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パーク(CTMP)でラップレコードを更新する人物がいるとすれば、ロン・フェローズしかいない。カナダ出身のレーシングドライバーであり、コルベット・レーシングでいくつも伝説を作り上げてきた彼は、かつて「モスポート」と呼ばれていたCTMPの共同オーナーも務めている。
今回、2026年型「シボレー コルベット ZR1」のステアリングを握ったフェローズは、3.957kmのレーシングトラックを1分18秒2で走破し、CTMPにおける市販車のラップレコードを更新。フェローズは自身が2023年型コルベット Z06で記録した1分22秒12を4秒近く削って見せた。
「CTMPは勇気が試されるサーキットだと言えるでしょう。本当に素晴らしいラップタイムを刻めた時の報われ方は格別です。サーキット内に高低差があって、ラップの約60%が高速コーナリングというレイアウトを特徴としています」と、フェローズは説明する。
66歳のフェローズは、アメリカン・ル・マン・シリーズでドライバーズタイトルを獲得し、ル・マン24時間、セブリング12時間、デイトナ24時間の勝利経験を持つ。今回、彼がドライブしたコルベット ZR1は、5.5リッターV型8気筒「LT7」ツインターボエンジンリヤミッドに搭載し、最高出力1079PS、最大トルク1123Nmという強大なスペックを誇るシリーズ最強の1台だ。
「とにかくコーナー間の加速が猛烈でした。ダウンフォースが増えると、コーナー進入においてさらに攻めることができます。例えばターン8ではZ06とほぼ同じ場所でブレーキングしましたが、スピードは30km/h以上も速かくなっていました」
シボレーのグローバル・ビークル・パフォーマンス・マネージャーを務めるアーロン・リンクは、フェローズのパフォーマンスを絶賛した。
「長年、カナダにおいてコルベットのアンバサダーを務めるロンと、今回のような仕事ができるのは本当に楽しいものです。彼はプロ中のプロであり、“モスポートの魔術師”という異名を取ってきました。今回、その称号をコルベット ZR1で再び証明してくれました」
ドライビンスクールの講師としても活躍

フェローズは、米国・ネバダ州のスプリング・マウンテン・モータースポーツ・リゾート&カントリークラブを拠点とする「ロン・フェローズ・パフォーマンス・ドライビング・スクール」を運営。ここはコルベットのオーナーや購入希望者向けのレーシングスクールであり、スティングレイ、E-Ray、Z06向けのプログラムを提供している。ZR1向けのカリキュラムも、現在カリキュラムを検討中だという。
「鍵となるのは、とにかくあの凄まじい加速に慣れることです。同時にこのクルマの強烈な制動力にも慣れることが重要になります。大幅に増価したダウンフォースがあることで、クルマのコーナリング性能を信頼してもらうことが、速く走るコツになります」と、フェローズ。
CTMPのラップレコードは、コルベット ZR1の持つ多くの記録のうちのひとつにすぎない。コルベットのエンジニアたちがステアリングを握り、ワトキンス・グレン、ロード・アメリカ、ロード・アトランタ、そしてバージニア・インターナショナル・レースウェイにおいて、合計5つの市販車ラップレコードを樹立した。
さらにドイツの伝説的なニュルブルクリンクでは、コルベット ZR1と全輪駆動のZR1Xが、アメリカの自動車メーカー最速のラップタイムを記録。今回のタイムアタックを終えたフェローズは、次のように振り返った。
「こんな機会を得られるなんて本当に光栄なことです。GMカナダやコルベットのエンジニアリングチームと一緒に最高の時間を過ごすことができました。私に取って、目標達成のために挑戦することは、絶対的な喜びですから」
「シボレー コルベット ZR1」のラップアタックを動画でチェック!
