ロードレース世界選手権のMoto2クラスとMoto3クラスにフル参戦した4名の日本人ライダーが、2025年シーズンを振り返った。
Moto3クラス:古里太陽
チーム:ホンダ・チームアジア
ベストリザルト:優勝(マレーシアGP)
ランキング8位
Moto3クラス4年目のシーズンを戦った古里太陽は、マレーシアGPで待望のクラス初優勝を飾った。今季は2位を1度(カタールGP)、3位を3度(カタルーニャGP、ポルトガルGP、バレンシアGP)、合計5度の表彰台を獲得している。特にマレーシアGPで優勝したあとは、ポルトガルGP、バレンシアGPまで3戦連続の表彰台を獲得してシーズンを締めくくった。
2026年シーズンは、チーム内昇格の形でMoto2クラスにイデミツ・ホンダ・チームアジアから参戦する。
「(2025年シーズンは)よかった点もあると思いますし、残念な点も少しありますけど、シーズン後半戦の走り、結果よりも自分の走りにはすごく納得できています。結果に反映されていない(いい)内容はいっぱいあったので、たくさん成長できたかなと思いますね」
「(Moto3クラスの4シーズンは)最初の2年は経験を積む時間でしたが、(2年目で)すでに表彰台を獲得できていましたし、3年目は少し劣勢な部分もありましたけど、3度の表彰台を獲得しました。惜しくも優勝できなかったレースもあります。そこで優勝できていたら、今季はまた違うシーズンだったかなとは思います。でも、4年目で1度だけでも勝てたし、最後も表彰台で終われたので、少し悔いが残ったけれどよかったと思います」

Moto3クラス:山中琉聖
チーム:フリンサ-MTヘルメット-MSI
ベストリザルト:2位(オーストリアGP)
ランキング9位
山中琉聖にとって、2025年はMoto3フル参戦6年目のシーズンとなった。今季はMoto3クラスに参戦以来、初めてチームを移籍せずに2024年と同じフリンサ-MTヘルメット-MSIからの参戦だった。こうした状況もあり、カタールGPで3位、オーストリアGPでは優勝争いを演じて2位を獲得した。ポルトガルGPとバレンシアGPの終盤2戦は、日本GPで骨折した左手小指を手術したために欠場している。
2026年シーズンも、2025年と同じチームからMoto3クラスに参戦する。

Moto2クラス:佐々木歩夢
チーム:RW-イドロフォーリャ・レーシングGP
ベストリザルト:9位(ドイツGP)
ランキング23位
Moto2クラスで2年目のシーズンは、チームを移籍し、RW-イドロフォーリャ・レーシングGPからの参戦となった。佐々木はクラス2年目とはいえ、チームを移籍した影響もあって前半戦は厳しい戦いとなったが、特に後半戦以降は徐々に結果も向上し、ポイント圏内でのフィニッシュを続けた。同時に、終盤戦は腕上がりの影響もあった。最終戦バレンシアGPでは、金曜日午前中のフリープラクティス1で転倒を喫し、右足のかかと付近を骨折。欠場となった。
2026年シーズンも、今季と同じRW-イドロフォーリャ・レーシングGPから、Moto2クラスに参戦する。
「2024年に比べれば確実によくはなっていますけど、僕が予想していたよりも成長率がよくなかったので、悔しいですね。なかなか難しいシーズンだったかな、と思います。チームが変わって1年目だったこともあって、前半戦は少し苦しかった部分もあります。そういう意味では、2026年は同じチームですし、チームもスポンサー含めて体制が少し変わるので、それがいい方向にいってくれれば、来年はさらに前の方へいけると思います」
「まずは自分の足と腕を治して、冬の間にたくさん努力して、2026年に向けて準備していければなと思います」

Moto2クラス:國井勇輝
チーム:イデミツ・ホンダ・チームアジア
ベストリザルト:16位(スペインGP)
ランキング30位
國井は2024年に全日本ロードレース選手権ST1000とアジアロードレース選手権ASB1000でチャンピオンを獲得し、2025年、Moto2クラスに参戦した。2020年と2021年にMoto3クラスにホンダ・チームアジアから参戦した経験があるので、「世界選手権」としては復帰であるが、クラスとしては未経験のところへの参戦だった。
全日本、アジアでダブルタイトルを獲得した國井といえど、Moto2マシンへの適応、そしてMoto2マシンで走るサーキットでの適応はそう簡単なものではなかった。苦しい戦いのなかでも経験を得ていた國井だったが、今季をもってMoto2クラスでの戦いを終えることとなった。
「つらいレースが多かったですが、それでも世界選手権という場所で走れた自分に、今は自信がついていますし、ここに戻ってこられたのはすごくうれしかったです。1年間、苦しいなかでも、自分にとってすごくためになったのかなと思いますね。同時に、あらためて、(世界選手権という)本当に厳しい壁も実感できました。次はどういう形でここに来られるかはわかりませんが、チャンスがあれば、また戻ってきたいなと思います」
「2026年もライダーとしてはまだまだ歩んでいくので、これはまだ一つの階段だと思って、次のステップでも頑張れるようにはしたいですね」

