連載

GENROQ ポルシェ年代記

991 Carrera / Carrera S / Carrera GTS / Carrera T / Carrera 4 / Carrera 4S / Carrera 4GTS / Turbo / Turbo / R / GT2 RS / GT3 / GT3 RS / Speedster

ボディサイズ拡大するも軽量化

996型以降、ポルシェはフルモデルチェンジでボディ、シャシーを刷新し、マイナーチェンジでパワートレインを刷新するという手法を使ってきたが、2011年にデビューした「水冷第2世代」というべき991型「911」は、その慣例に倣ってボディを大幅に変更して現れた。

その全幅こそ997型と大きく変わらないものの、全長を4500mmへと延長。あわせて「911 RSR」でWECのGTE Proクラス制覇を目指すレース部門からの要望を受け、ホイールベースを100mm、フロントトレッドを「カレラ」で45mm、「カレラS」で55mm拡大。運動性能、走行安定性の向上が図られた。

またボディシェルの47%にアルミ合金を使用。加えて各所に高張力鋼版、熱間圧延スチールなどを採用した結果、997に対し捻り剛性が20%近く向上した。その反面、ボディサイズを拡大したにも関わらず、ホワイトボディで25kg、車両重量で60kgもの軽量化に成功している。

サスペンションはフロントマクファーソンストラット、リヤマルチリンクと形式こそ997を踏襲するものの全面的に刷新。アルミを多用することで軽量化が図られたほか、PASM、PSMに加え、PDCC(アクティブ・スタビライザー)、PTV(トルクベクタリング)、ダイナミックエンジンマウント、電動パワステといった電子デバイスが積極的に投入されているのも特徴である。

RWSの「GT3」が登場

エンジンは997用をベースとしながらも、時代の趨勢に合わせてカレラの排気量を3.6リッターから3.4リッターへとダウンサイジング。スリーブレスシリンダー、組み立て式カムシャフト、新しいエンジン・マネジメントシステム、吸排気システムの採用などにより、最高出力はカレラが350PS、カレラSが400PSへとアップしたうえ、軽量化と冷却効率の改善を両立している。

一方インテリアは911のイメージを受け継ぎつつもパナメーラに倣った大型のセンターコンソール、メーターの一部にマルチディスプレイを導入するなどモダナイズされたものへと進化。911として初めて左右独立温度調節式のエアコンが装備されるなど、快適性も向上した。

2013年には475PSを発生する4.0リッター自然吸気フラット6を搭載し、ポルシェ初の4WSであるアクティブ・リヤホイール・ステアリングが装備された「GT3」が登場。さらに「カレラ4」のワイドボディをさらに拡幅し、3.8リッター・ツインターボを搭載する520PSの911ターボと560PSのターボSもラインナップに加わっている。また2014年には往年のタルガバーが復活したタルガ4が発表され、話題となった。

ダウンサイズしたフラット6ツインターボに

そして991は2015年にマイナーチェンジが行われ、通称“991.2”型へと進化。2021年の排ガス規制に対応するためについにNAユニットが廃止となり、カレラ、カレラSともに排気量を3.0リッターへとダウンサイズしたフラット6ツインターボへ変更された。

この新しい3.0リッターツインターボは吸気側のバリオカム・プラスに加え、排気側にもバルブタイミング可変式カムシャフトを採用。また各部のフリクションロスの低減が図られたほか、樹脂製のオイルパン、アルミ製クランクケースの採用により軽量化が図られているのも特徴である。

ボディではフロントインテーク内に可変フラップを備え空力、冷却効率を改善しているほか、7速PDK、7速MTもアップデート。インテリアではステアリングが「918 スパイダー」に似たデザインとなり、PDK仕様のパドルシフトが左ダウン、右アップの一般的なものになったこともトピックといえる。

2015年には991.1をベースに、500PSを発生する4.0リッターNAユニットを搭載し、ボディのエアロダイナミクスを大幅に見直した「911 GT3 RS」が登場。2016年には500PSの4.0リッターNAユニットと6速MTを組み合わせた「911R」を991台限定で発売されている。

700PSに到達した「911 GT2 RS」

2017年に、GT3が991.2ベースに進化。同年6月には700PSを誇る3.8リッターフラット6ツインターボと7速PDKを搭載する「911 GT2 RS」、さらに2018年には520PSにまでチューンされた4.0リッターNAユニットを積む「911 GT3 RS」が登場している。

このように991.1、991.2共にバリエーションを拡大した991型だが、2019年にGT3をベースとした「911 スピードスター」が1948台限定で用意されたのを最後に生産を終了。次世代の992ヘとバトンタッチされることとなった。

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