相模線沿線随一の観光名所でもある寒川神社を参拝

首都圏を走る鉄道路線の中でも茅ヶ崎と橋本を結ぶJR相模線はローカル色が強い路線だ。一応電化はされているが単線だし、車両も6両編成と短い。終点の橋本にはいま、リニア中央新幹線の駅が建設中で活気づいてはいるが、沿線に観光スポットらしきものがほとんどないからだ。そうした中でも唯一の観光名所といえるのが寒川神社だ。

相模国一之宮である寒川神社は、年間200万人もの参拝者が訪れる。この数は鎌倉の鶴岡八幡宮に続いて神奈川県内2位ということで、町にとってはドル箱のような神社だ。

ナビによれば東京郊外から寒川神社まで約45km。1時間30分程度となっていたので、指示に従ってカブを走らせた。相模原からは国道129号線をひたすら南下するルート。たしかにJR相模線に沿って続くルートだが、まったく面白みがない。なので適当に脇道に入りながら向かった。

寒川神社はおよそ1600年もの歴史があるとされていて、境内も広い。一の鳥居から始まり参道途中に二の鳥居、そして三の鳥居を経て神門、社殿と入って行くのだが、三の鳥居から先へはカブで行けないので、すくそばにある参拝者用の駐車場に止めておく。この日は平日だったが年が明けて日が浅いせいか、駐車場に入るために車は渋滞していた。カブは渋滞を横目にすんなりと駐車場へ入り、バイク専用スペースに収めた。

一の鳥居
二の鳥居
三の鳥居
寒川神社には3ヶ所に参拝者用駐車場があるのだが、三の鳥居のすぐ脇にある第一駐車場が便利。どの駐車場にもバイク置き場があり、基本的に利用は無料。ただし、バイク用と自転車用が分かれているにもかかわらず、写真のように自転車が止められていることも多い

寒川神社の良いところは、長い階段を上らなくてすむことだ。僕のような熟年には非常に優しい。参拝者が多いのにはそんなところにも理由があるんじゃないだろうかと推察する。というわけで、石造りの立派な神池橋を渡り三の鳥居から厳かに境内に入った。広い境内といっても、伊勢神宮や明治神宮みたいに広くはないので、短い距離の移動で社殿へとたどり着ける。スーパーカブの旅の安全ををはじめ、ありとあらゆる祈願をして、八方除のお守りを購入した。そして土産に名物の八福餅を買って、寒川神社の末永い繁栄に貢献したのである。

寒川神社の正月風物詩「迎春ねぶた」は、丙午~那須与一「勝利の的」を神門に飾り付けている。夜にはライトアップも行われている
相模国一之宮にふさわしい荘厳な社殿。およそ1600年という歴史がある寒川神社は、境内も広く社殿などの建物にも風格がある。年間約200万人もの参拝者が訪れるそうで、正月三が日だけで50万人の初詣客があるのだとか
寒川神社の名物といえば、なんといっても八福餅。抹茶餡や桜餡などの限定品も出るが、基本は餅を餡でくるんだタイプ。12個入り1300円
三の鳥居のすぐ近くにあるそば処「八福茶屋」は参拝者に人気

相模線西寒川支線跡には鉄道遺構が残る

相模線には支線があった。寒川と西寒川を結ぶ西寒川支線である。相模川の砂利採取専用線として敷設された支線のひとつで、大正11年に開通。昭和19年には旅客輸送も開始された。第二次世界大戦中には軍需路線となり、戦後再び貨物専用線として復活し、昭和35年には旅客輸送も再開した。しかし運行本数が少なく、乗客数も減少の一途をたどったことから昭和59年に廃止された。かつての西寒川駅跡まで行ってみることにした。

廃線跡にある一之宮公園には、線路や車輪、駅名標を模した案内板などが設置されている

寒川神社から県道47号線に出て寒川駅方面へ走り、途中で右に細い道へと入り込む。住宅地の中の道を抜けていくと一之宮公園に着く。西寒川支線の廃線跡は現在、遊歩道に整備されているのでスーパーカブで走ることはできが、遊歩道から続く一之宮公園には線路が残されていて、車両の車輪も置かれていた。レールの下には枕木やバラストも敷かれているのだから、鉄オタには感涙ものである。さらに進むと数百メートルで八角形の噴水がある八角広場という場所に着く。ここにも線路が残っていて、西寒川駅跡の石碑が建てられていた。相模川が目の前である。ここがかつての西寒川駅跡なのだ。駅舎とかホームの類はまったく残されていないのだが、線路が敷かれた状態であるだけでもすばらしい。

つい40年ほど前までここを気動車が走っていたのかと思うと、廃止される以前に一度は乗りたかったなぁと、乗り鉄の僕は悲しみに暮れるのであった。

相模線西寒川支線の終着だった西寒川駅は現在、八角広場という公園になっている。広場には線路や石碑がある
八角形の噴水が作られたことから八角広場と名付けられた

とまあそんな具合で、初詣と廃線詣!?を済ませてツーリングの目的は完了。帰りは県道46号線、県道51号線と走りつないで町田方面を抜け、交通安全祈願の甲斐あって、夕方無事に自宅に到着したのだった。走行距離は90km、消費したガソリンは1.48Lだったので、燃費は60km/L以上となかなか良かった。旅の費用は、八福茶屋での昼食代1200円、八福餅1300円、お守り500円、ガソリン代200円だった。