
軽量による優れた電費がランニングコストを抑える
EVの性能を判断する際に、航続性能(一充電走行距離)が重視されすぎているキライがある。しかし、航続性能が長いほど優れていると考えるのは早計だ。
サクラの一充電走行距離は、量産EVで最短レベルの180km。これは日産のEVフラッグシップ「アリア」の30%以下でしかないのは事実であるし、物足りないと感じることは否定しない。
ただし、アリアの積むバッテリー総電力量は91kWh(の場合)と、サクラ(20kWh)の4倍以上となっている点は留意しておきたい。
バッテリーを多量に積むことはコストアップにつながる。そして、サクラとアリアを比べてもわかるように、バッテリー搭載量と航続性能は比例しない。なぜならバッテリーを積めば積むほど重量が増え、電費が悪化するからだ。
EVの電費は1kmを走行するのに必要な電力量(Wh)で表す。これは数字が小さいほど電費が優れていることを意味する。下に記載した数値を見ればわかるように、アリアは軽EVに対して非常に電気喰いのモデルである。
自宅などの普通充電ではEVを充電するのに要した電力量が、そのままランニングコストとなる。シンプルにいえば電費が悪いと、電気代が上がるのだ。
軽EVは街乗りを前提にしたバッテリー搭載量とすることで、EVの中では圧倒的に軽く仕上がっている。この軽さが良好な電費に直結しているのだ。

| 一充電走行距離(WLTCモード) | 180km |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 124Wh/km |

| 一充電走行距離(WLTCモード) | 295km |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 105Wh/km |

| 一充電走行距離(WLTCモード) | 245km |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 127Wh/km |

| 一充電走行距離(WLTCモード) | 640km |
| 交流電力量消費率(WLTCモード) | 169Wh/km |
基本となるのは普通充電、急速充電は緊急時対応だ
集合住宅で自宅駐車場に充電用コンセントなどを用意できないケースがあることは認めつつ、EV運用の基本は、自宅や職場での普通充電にあり、これを専門用語では「基礎充電」と呼んでいる。
そんな普通充電は3kWと6kWの出力が存在している。コンセントに専用ケーブルをつなぐ場合は、その多くが3kW。壁掛け式などのボックスが備わる普通充電ユニットは6kWが多い。
軽EVでは、サクラとeKクロスEVが2.9kW対応で、N-ONE e:をはじめとするホンダの軽EVは6kWまで対応する。もっともサクラの場合は、3kW普通充電につないでも満充電まで8時間しか要しない。夜の間に、基礎充電につなぐ前提であれば6kWに対応せずとも実用上の問題は少ないということだ。
一方、急速充電は高速道路のサービスエリアなどに設置されていることが多く、走行距離を伸ばすための経路充電として位置づけられている。ミドルクラス以上のEVでは150kWという大出力での充電も可能となっている。
軽EVの場合、急速充電を受け入れる性能は低い。対応出力はサクラとeKクロスEVが30kW、ホンダで50kWとなっている。急速充電を頼りに、高速をガンガン走るという設計ではないのだ。
そもそも普通充電に対して、急速充電の充電コストは倍以上というのが肌感覚である。急速充電はエマージェンシーとして利用するものと認識しておきたい。
【普通充電】


【急速充電】



“経路充電”に便利な充電カード

下記表は日産ゼロ・エミッションサポートプログラム3(ZESP3)カードの場合
| プラン名 | プレミアム100 | プレミアム200 | プレミアム400 | シンプル |
|---|---|---|---|---|
| 月額基本料金 | 4400円/月 | 6600円/月 | 1万1000円/月 | 1100円/月 |
| プランに含まれる充電分数 | 急速充電100分 | 急速充電200分 | 急速充電400分 | なしすべて従量課金 |
| プランに含まれる充電分数 | 急速充電600分 | 急速充電600分 | 普通充電600分 | なしすべて従量課金 |
◾️プラン以上に充電する場合
| 急速充電 | 44円/分 | 38.5円/分 | 33円/分 | 99円/分 |
| 普通充電 | 3.3円/分 | 3.3円/分 |
日産サクラの充電目安時間は?
| 普通充電(3kW) | 8時間 | 満充電までの時間 |
| 普通充電(6kW)※ | 4時間 | 満充電までの時間 |
| 急速充電(30kW) | 30分 | 充電量の80%までの時間 |
計画的な“経路充電”で遠出遊びのストレス軽減
ホンダコネクト対応ナビを装着したうえで専用アプリと連携すると、車両情報(バッテリー残量など)と連携した航続可能範囲や急速充電の空き情報などを知ることができる。






