歴史 わずか5台!? 日本でも販売された幻の水陸両用車「アンフィカー」を発見!【東京オートサロン2026】【写真・2枚目】 『東京オートサロン2026』に展示された水陸両用車「アンフィカー」。 『東京オートサロン2026』の会場に展示されていたアンフィカー・タイプ770。 アンフィカー・タイプ770のリヤビュー。同社はトライアンフ・ヘラルド用の1147cc直列4気筒OHVエンジンをリヤに搭載しており、横開きのボンネットフードは開放され、エンジンを見られるように展示されていた。 アンフィカー・タイプ770のフロントマスク。ボートに車輪をつけたようなデザインを採用した同社は、水上航行時に水が入らないようにするためフロントにはラジエターやエアインテークなどは設けられていない。トランクリッドは密閉性を高めるため、専用のキーで開閉する。 フロントリッド上に備わるアンフィカーのエンブレム。イニシャルの「A」に山=陸地と波打った水面を組み合わせているようだ。 ナチス政権で宣伝相 ヨーゼフ・ゲッペルス一家のポートレート。写真中央・上段に写るドイツ空軍の軍服を着た人物がヘルベルト・クヴァントだ。ゲッペルスの妻・マクダは、実業家のギュンター・クヴァントと結婚し、3人の子供をもうけたものの離婚。ゲッペルスと再婚した。ヘルベルトはギュンターとマクダの次男として生まれたが、母の再婚先であるゲッペルス家との関係は良好だった。第二次世界大戦中、軍務に服していたヘルベルトは、戦後ギュンターの後継者として受け継いだ企業群の再建に尽力した。BMWもその中の1社で、当時倒産寸前の弱小自動車メーカーだった同社は、1959年にはダイムラー・ベンツ社への身売りが計画されていたが、ヘルベルトがリスクを承知で株の買い増しを行ない経営危機を救っている。その後、同社はBMW1500のヒットから躍進していくのは皆さんご存知の通り。ヘルベルトは実業家として順風満帆な人生を送り、1982年に死去した。 一生を水陸両用車開発に捧げたハンス・トリッペル。彼はメルセデス・ベンツ300SLのガルウイングドアを考案したことでも知られるが、もっぱら軍用車開発の分野において活躍したことから、ミリタリーマニアのほうが馴染み深い人物かもしれない。彼の人生については次回詳しく解説する。 水上航行するアンフィカー・タイプ770。 フロントリッド上に備わる航海灯とホーン。船舶としての性格を持つ同車が水上航行するのに必要な装備だ。 アンフィカー・タイプ770のエンジンルーム 。RRレイアウトを採用している同車は、FRレイアウトを採用するトライアンフ ・ヘラルド用の1147cc直列4気筒OHVエンジンを縦置きに搭載。RR車に搭載するにあたって、ラジエターは後方に斜め向きに取り付けられている。写真右手前の円筒形のパーツがモーターボートなどに見られる排水用のビルジポンプだ。ポンプで組み上げた水は透明のホースを通じて車体後部のスルハル(排水弁)を介して排出する。バッテリーは防水ケースで覆われるはずだが、展示車両はそのまま搭載されていた。 アンフィカー・タイプ770の足まわり。サスペンションは独立懸架方式を採用し、ブレーキは4輪とも油圧ドラムブレーキとなる。 アンフィカー・タイプ770のマフラー。水上航行時を考慮して車体下部ではなく、ボディ後端のパネルに排気口がある。マフラーのタイコもエンジンルーム内だ。 アンフィカー・タイプ770のコックピットまわり。タコメーターはなく計器はスピードメーターと時計、一体化した水温計と燃料計の3つが並ぶ。ほかにも水上航行用のスイッチがインパネ上に配置されている。なお、操舵は陸上走行時も水上航行時もステアリングホイールを用いる。フロアは本来すのこが備わるはずだが、展示車両はカーペットが敷かれていた。 アンフィカー・タイプ770のシート。前後ともベンチシートが採用され、乗車定員は4~5人乗りとなる。ボディはコンバーチブルのみで、固定ルーフなどのクーペモデルなどは製造されなかった。 展示車両には緊急時に使用するオールのほか、救命胴衣などが載せた状態で展示されていた。など、同社を水上航行させる場合には、船舶登録と船舶免許が必要になる。 アンフィカー・タイプ770を斜め後方から見たところ。車体後部にはボディサイズに比して大きなテールフィンが備わる。アメリカ車を中心に1940年代後半からブームを巻き起こしたテールフィンは、1959年のキャデラックを頂点として年を追うごとに徐々にサイズダウンしていく。すでに流行は終焉に向かっていたが、アンフィカーにはリヤリッドのエアインテークへ水しぶきが入らないように大型のテールフィンを備えたものと考えられる。 アンフィカー・タイプ770の構造図。同車のメカニズムがよくわかる。 陸両用車として開発された同車だったが、ボディは乗用車用のスチール鋼板で製造されたことからサビに弱く、海上で使用した車両はすぐに腐食した。また、防水性にも問題があったとの記録もあり、水漏れの問題のほか、エンジン故障の頻発などの問題もあった。 アンフィカー・タイプ770とディーラーののぼり。同車はアウトドアレジャーが盛んだったアメリカ市場への輸出を前提に開発されたが、車両価格の高さや信頼性の問題から期待したほどには売れず、わずか4年で生産が打ち切られた。なお、フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内のディズニー・スプリングス(ショッピングモール)では、アンフィカーに乗るアトラクションが2015年から営業している。125ドル(1グループ・3~4人乗車)支払えば、20分間のガイド付きツアーに参加することができる。 アンフィカーのエンブレム。 この画像の記事を読む