連載

ベントレー100年車史

CONTINENTAL GT/GT CONVERTIBLE(Gen2)

2010年に第2世代へと進化

2代目コンチネンタルGTC
2代目コンチネンタルGTC

2003年に登場した「コンチネンタルGT」はベントレー史上最大のヒット作となり、ハイパフォーマンス・ラグジュアリーGTという新たな市場を確立し、数多くのフォロワーを生み出した。

しかし、そうしたパワーウォーズが勃発する一方、ヨーロッパでは自動車の燃費、排出ガス試験サイクルNEDC(New European Driving Cycle)の環境評価と現実の燃費の乖離を減らすための検討が2007年11月からスタート。また欧州委員会は、EU圏内で販売される新車のCO2排出量を、2012年までに走行1kmあたり130gまで削減する、という規制案を発表するなど、環境対策が講じられるようになり、ラグジュアリーカー、スポーツカーも黙殺できない状況になっていた。

そこでベントレーのフランツ・ヨゼフ・ペフゲンCEOは、2012年までにCO2を全モデルで最低15%削減。40%の燃費向上を果たすパワートレインの開発。全モデルで再生可能エネルギーを利用可能とする3つの公約を2008年に発表。2009年に発表されたガソリンとエタノールを混合したフレックス燃料対応のW12ユニットを搭載した「コンチネンタル・スーパースポーツ」はその回答のひとつであったが、その裏で彼らは、その要件を満たす新しいパワーユニットの開発をアウディとともに進めていく。

2010年に第2世代へ進化した「コンチネンタルGT」「コンチネンタルGTコンバーチブル」は、そのために用意されたモデルであった。

大ヒットした先代のイメージを踏襲

6.0リッターW12 DOHCツインターボ
6.0リッターW12 DOHCツインターボ

そのプラットフォーム自体は先代からのキャリーオーバーで、ホイールベースは2746mmとほぼ同寸。全長4806mm、全幅1944mm、全高1404mmというボディサイズもほとんど変わっていない。またエクステリアデザインも大ヒットした先代のイメージを踏襲したものだが、すべてが新デザインとなっており、アルミパネルを500℃に熱し空気圧でプレスする“スーパーフォーミング”工法を採用した結果、各部のラインがよりシャープとなった。

フロントダブルウィッシュボーン、リヤマルチリンク式のエアサスペンションも、基本的には先代と同じだが、フロントで41mm、リヤで48mmトレッドを拡大し、20インチホイールを標準としたことで、コーナリング時の安定性向上が図られている。

まず登場したのは、先代をベースに最大出力を575PS、最大トルクを700Nmにアップした6.0リッターW12 DOHCツインターボを搭載するモデルで、変速スピードが向上したZF製6速ATを装着。あわせてフルタイム4WDシステムの前後トルク配分が、先代の50:50から40:60と、リヤ駆動優先に改められたのも特徴といえる。

本命モデルというべき「V8」が登場

コンチネンタルGT V8S
コンチネンタルGT V8S

そして2012年に625PS、800Nmを発生する6.0リッターW12ツインターボとZF製8速AT速を搭載したコンチネンタルGT/GTCスピードとともに発表されたのが、2代目コンチネンタルGTの本命モデルというべき「V8」であった。

ノーズに収まるエンジンはアウディと共同開発による4.0リッターV8 DOHCツインターボで、気筒休止システムを備えCO2を40%削減。さらにターボチャージャーの「ホットサイドインサイド」マウント、オルタネーターによる動力回生、32ビットTriCoreマイクロプロセッサーによるエンジン温度管理の採用などによりW12モデルより約40%の燃費改善を果たすなど2008年のジュネーブでペフゲンCEOが掲げた公約を達成した。

それでいながら、最高出力は507PS、最大トルクは660Nmと必要にして十分以上のパワーとトルクを確保しており、新たに採用されたZF製8速ATを介して最高速度290km/h以上、0-100km/h加速というパフォーマンスを発揮したうえ、V8エンジンでフロント荷重が軽くなったことで、軽快なハンドリングも実現していた。

久々の市販レーシングカー

コンチネンタル スーパースポーツ
コンチネンタル スーパースポーツ

続いて2014年には528PS、680Nmにチューンした4.0リッターV8ツインターボを積み、ダンパーとスプリングレート、サスペンションアッパーアーム、アンチロールバー、スタビリティコントロールシステムをアップデートし、車高を10mmローダウンしたハイパフォーマンス版の「V8S」を追加。

また同年からFIA GT3規定に対応した、ベントレーとしては久々の市販レーサーとなる「コンチネンタルGT3」を発売。さらにそのロードバージョンというべき580PSの「GT3-R」を世界限定300台で発売するなど、V8モデルのスポーツイメージの向上も図られた。

2017年にはW12モデルにも710PS、1017Nmを発生する750台限定の「コンチネンタル・スーパースポーツ」が登場。GT3-Rを彷彿とさせるエアロパーツを纏ったボディには、GT3-Rと同様ベントレー初のトルクベクタリングシステムも搭載され、2代目コンチネンタルGTの有終の美を飾った。

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