Audi A5 TDI quattro

今回は4WDのクワトロのみに設定

先代A4の剛性感とA5スポーツバックのスタイリッシュさを両立した新型A5。クワトロシステムは通常時は前輪のみを駆動、必要に応じて湿式多板クラッチを締結、AWDとする。MHEVプラスのモーター出力は24PS/230Nm。
先代A4の剛性感とA5スポーツバックのスタイリッシュさを両立した新型A5。クワトロシステムは通常時は前輪のみを駆動、必要に応じて湿式多板クラッチを締結、AWDとする。MHEVプラスのモーター出力は24PS/230Nm。

ガソリンの暫定税率が2025年末に廃止され、価格がだいぶ安くなった昨今。その一方で「あれ? 軽油ってあまり下がらないな」と思っている方も多いはず。それは軽油引取税は国税ではなく地方税だったり、流通と課税タイミングの問題があってか実現がやや遅れ、2026年4月1日にようやく撤廃されるから。つまりランニングコストの安いディーゼル車のメリットは引き続き享受できる。ご安心ください。

さて、そんな中で新型アウディA5のディーゼルモデル「TDI」が上陸した。エンジンは2.0リッター直4ターボで、トランスミッションは7速DCT。駆動方式はAWDのクワトロのみで、今回FWD版はなし。ボディタイプは5ドアハッチバックのセダン、ステーションワゴンのアバント両方に用意され、価格はそれぞれ716万円、741万円となる。

EA288evo型2.0リッター直4ディーゼルターボはもちろん縦置きされる。なお、TDIのWLTCモード燃費は17.7km/L。対する2.0リッターガソリンターボのTFSIクワトロは13.2km/Lとなる。
EA288evo型2.0リッター直4ディーゼルターボはもちろん縦置きされる。なお、TDIのWLTCモード燃費は17.7km/L。対する2.0リッターガソリンターボのTFSIクワトロは13.2km/Lとなる。

メカニズム的に面白いのは「MHEVプラス」と呼ばれる48Vのマイルドハイブリッドシステムだろう。ガソリンモデルには用意されない(S5を除く)このシステムは、従来のベルト駆動式オルタネータースターター(BAS)に加え、7速DCTの後端にPTG(パワートレインジェネレーター)と呼ばれるモーターをプラス。トランスミッションのアウトプットシャフトにギヤトレインで繋がるとともに、ドッグクラッチでエンジンとの切り離しを可能にすることで、マイルドハイブリッドながらEV走行を可能にしている。なお、リヤのトランク下部に設置されるバッテリーはリン酸鉄リチウムイオン。その容量は1.7kWhと相応に大きく、いわば従来のマイルドハイブリッドとフルハイブリッドの中間的なシステムを狙っていると言えそうだ。

マイルドハイブリッドなのにモーター走行が可能

走行モードは「エフィシェンシー」「コンフォート」「バランスト」「ダイナミック」の4種。試乗車はオプションの減衰力可変式サスが搭載されており、その見事な足さばきも好印象。
走行モードは「エフィシェンシー」「コンフォート」「バランスト」「ダイナミック」の4種。試乗車はオプションの減衰力可変式サスが搭載されており、その見事な足さばきも好印象。

借り出した試乗車はセダン。ドアを開けて少し驚いたのは上部にしっかりウインドウフレームが付いていたこと。そうか。これはA4セダンの後継車でもあるわけだ。てっきりA5スポーツバック同様のサッシュレスだと思っていただけに、ちょっと意表を突かれる形となった。

発進はフルハイブリッドよろしくモーターのみで行われる。アクセルの踏み込みを意識的にゆーっくり行えば30km/h前後までEV走行することが可能だが、一般的なフルハイブリッド車に比べればエンジンの始動タイミングは早い。だが、その起動は恐ろしく静かでスムーズ。じっとタコメーターを見ていなければエンジンがかかったことに気づかないくらいなのだ。DCTの変速ショックもBASとの協調制御で上手く抑え込まれており、パワートレイン系の洗練ぶりには総じて目を見張るものがある。

注目の2.0リッター直4ターボディーゼルはVWグループにおける最新世代のEA288evo型で、最高出力204PS/最大トルク400Nmを発揮。厳しい排出ガス規制「ユーロ7」を見据えてSCR触媒を直列に2つ配置、排気温度に応じて適宜使い分けるなど非常に凝ったシステムを持つ。さすがに新しいだけあって低速域からディーゼル特有の振動やガラガラ音とは無縁でいられるものの、環境に配慮した代償か、はたまた1940kgというヘビー級のウェイトが災いしてか、以前のように圧倒的な大トルクに任せて強烈な加速を満喫できるようなキャラクターではない。それでも回さずともスピードの乗りは十分にいいし、前述したパワートレイン系の洗練っぷり、アウディらしいステアリング操舵感の滑らかさもあって、クラスを超えた上質感を堪能できるのは確かである。

ライバルの一歩先を行く高級感がある

試乗車はスタッドレスタイヤを履いていたのでハンドリングについて多くを語ることは避けたいのだが、どの走行モードを選んでも素直なリアクションで応えてくれるあたりが好印象。それよりも新型A5が初採用となるPPC(プレミアム・プラットフォーム・コンバッション)の剛性感の高さといったら。サッシ付きドアを採用したことによる上物のガッシリ感、さらにフロアまわりの振動の少なさは感動的なほど。乗り味の高級感はライバルの一歩先を行くとみて間違いない。スポーティというよりもどちらかといえばラグジュアリー感が際立つ、新型アウディA5のディーゼルモデルだった。

REPORT/市原直英(Naohide ICHIHARA)
PHOTO/郡大二郎(Daijiro KORI)
MAGAZINE/GENROQ 2026年3月号

SPECIFICATIONS

アウディA5 TDIクワトロ150kW

ボディサイズ:全長4835 全幅1860 全高1455mm
ホイールベース:2895mm
車両重量:1940kg
エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:1968cc
最高出力:150kW(204PS)/3800-4200rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgm)/1750-3250rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前後マルチリンク
ブレーキ:前後ディスク
タイヤサイズ:前後225/55R17
最高速度:241km/h
0-100km/h加速:6.9秒
車両本体価格:716万円

【問い合わせ】
アウディ コミュニケーションセンター
TEL 0120-598-106
https://www.audi.co.jp/

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