旧車 メルセデス・ベンツW123とBMW E30がカーチェイス!『魔法の天使クリィミーマミ 永遠のワンスモア』はクルマ好き必見【写真・19枚目】 東京都町田市でシトロエンHタイプのキッチンカーでクレープ店を営む『Caffe la Macchina』。『永遠のワンスモア』を上映する『イオンシネマ新百合ヶ丘』からクルマで20分ほどの距離にある店なので、近くの人は映画鑑賞後に美味しいクレープを食べに訪れることをオススメしたい(写真:Caffe la Macchina)。 2024年11月1日~17日にかけてマルイシティ横浜にて開催された『魔法の天使クリィミーマミ 40周年記念展』で展示された優&マミの等身大ポップ(写真:山崎龍)。 『永遠のワンスモア』でマミのカムバックコンサートが秘密裏に企画された「亜細亜サンプラザ」。そのモデルとなった中野サンプラザだ。1973年に開館し、若者文化の発信の地として数多くのコンサートが開催されたが、建て替えのため2003年に閉鎖された(写真:Kakidai)。 物語の中でたびたび登場する「西口の公園」は新宿中央公園がモデル。劇中に登場する噴水は、のちにジャブジャブ池へと改装されたため、現在では存在しない。第26話「バイバイ・ミラクル」で俊夫に正体を知られたマミが、NPB歌謡最後に帰る場所をなくし、雪の中ひとり佇んでいたのは、現在のちびっこ広場のあたり。現在では遊具などは入れ替わっており、当時の面影は少ない(写真:東京都) 森沢哲夫・なつめ夫妻が営むクレープ店「CREAMY CREPE」のキッチンカーとして使用されていたシトロエンHモデル。1948~1981年まで生産された長寿の商用バンで、トラクシオン・アヴァンやDSと部品を共用しているFF車だ。ヨーロッパを中心に47万台あまりが生産された。第8話「渚のミラクルデュエット」では、ステージカーと壮絶なカーチェイスを繰り広げた。このエピソードでは、引きの絵ではHモデルの特徴的な波型外板の表現は省略されているが、アップではきちんと表現されている上、インテリアも実写に忠実に描写されていた。 第20話「危険なおくりもの!」で、マネージャーの木所隼人が運転するVWゴルフI。設定によるとパルテノンプロの営業車とのこと。木所はペーパードライバーだったらしく、第1話「フェザースターの舟」では「スクーターしか運転したことがない」とめぐみに語っており、運転ミスから彼女のBMWを事故で損傷させ、第19話「マミの一番長い日」では会社所有のステージカーを全損させている。だが、このときは問題なく運転しているところを見ると、社長の立花に怒られて運転の練習をしたのかもしれない。なお、このエピソードではトンガリ王国の黒服はシトロエン・トラクシオン・アヴァンを使用している。 第38話「ときめきファンクラブ」と第50話「マミがいなくなる…」に登場するロールスロイス・ファントムVI。一流会員制社交クラブのハイソサエティークラブ代表である兵藤進ノ介が移動時に使う高級車で、大金持ちらしくショーファーとして乗車していた。 第1話「フェザースターの舟」のほか、『永遠のワンスモア』に登場するパトカーが、3代目トヨタ・コロナマークIIだ。トヨタ・クラウンや日産スカイラインとともに1980年代はよく見かけるパトカーだった。第1話では白バイ隊員が運転するスクーター (検挙した車両と間違えて乗ってしまう)の応援として登場。踏切で白バイ隊員に追突し、自身も別のパトカーに突っ込まれるという事故を起こしたあげく、優にも逃げられている。このシーンのタッチや動きは、Aプロダクションが製作していた東京ムービー(現・TMS)作品、具体的に作品名を挙げると『ど根性ガエル』などの影響を感じる。 第1話「フェザースターの舟」以降、たびたび登場するTV局の中継車。モデルとなったのは、日産が1971~1982年にかけて日産が生産していたマイクロバスの初代シビリアンだ。番組ディレクターの星井 守がたびたび中継や収録に使用していた。 第11話「パパは中年ライダー」で、妻・なつめと喧嘩した哲夫が家出後に、マミファンのよい子の暴走族「ブルーエンジェル」に加入したときに乗っていたのがヤマハ・ボビィ80だ。リーダーとのチキンランで勝利した哲夫だったが、なつめが正体の覆面ライダーとの勝負に負け、ボビィは海の藻屑となる。なつめの弁によると、所属していたカミナリ族では、彼女がリーダーを務め、哲夫はその中の落ちこぼれだったという。 第12話「スタジオは大停電」にて、台風の最中、幽霊が出るとの噂がある「グレートスタジオ」でマミがコマーシャル撮影を行ったポルシェ928S。水着姿のマミはサンルーフから上半身を乗り出して収録に臨んでいたところ、めぐみとスネークジョーの仕業により本番前にスタジオは停電してしまう。当時のポルシェの輸入・販売元はミツワ自動車だったので、同社がクライアントという設定なのかもしれない。 第8話「渚のミラクルデュエット」で、立花の運転するステージカーにぶつけられる初代スバル・レックス。 同じく第8話「渚のミラクルデュエット」で、ステージカーにぶつけられた上、シトロエンDSは強引に進路を譲らされた。 『クリィミーマミ』はクルマやバイク以外にもリアルなメカが登場する。第19話「マミの一番長い日」では、1週間スケジュールを間違えた木所は、マミとともにあたら島に来ていた。だが、この日は午後6時から「クリィミーマミ新曲キャンペーンコンサート」の開催日だった。運良く小型機に同乗させてもらったふたりは伊丹空港に到着。そこから飛行機で東京へ向かうつもりだったが、チケットが取れずに新幹線を利用することに(写真:Sui-setz)。 同じく第19話「マミの一番長い日」に登場する(小田急)ロマンスカー。二人が乗った新幹線が架線故障で静岡駅で足止めされてしまう。たまたまパルテノンプロのタレントがステージカーが同地へ公演に来ていたことから、ふたりはこのクルマで東京へと向かうものの、木所が道中事故を起こし、ステージカーをスクラップに変えてしまう。山中を彷徨ったふたりがたどり着いた先は箱根で、アクシデントにより木所とはぐれたマミは、芦ノ湖遊船、ロープウェイ、ケーブルカーを乗り継いでロマンスカーに乗り、新宿へと向かった(写真:spaceaero2)。 『クリィミーマミ』は「魔法少女もの」としては珍しくヘリコプターの出番が多い作品だった。その中でも登場回数が多かったのが、小型汎用ヘリのベル206ジェットレンジャーだ。第44話「SOS!夢嵐からの脱出」ではヘリのライセンスを取った立花が、この機でマミとめぐみと空中散歩を楽しんでいる。このヘリには「マジカル・エンジェル号」と命名されており、ひょっとするとパルテノンプロの社用機なのかもしれない。第52話「ファイナル・ステージ」では、マミ入場時の照明機として3機が登場するほか、OVA『魔法の天使クリィミーマミ ロング・グッドバイ』でも空撮に使用するため同機が登場する(写真:Arpingstone)。 夢嵐に巻き込まれ、新宿上空で消息を絶った「マジカル・エンジェル号」の捜索のため、木所がチャーターしたのがベル47だった。同機は1945年12月に原型機が初飛行し、1976年まで製造されていたレシプロエンジンのヘリコプターで、本放送当時、すでにほとんどの機体が退役していた古い機種だ。木所の足元を見た老パイロットは料金をふっかけてきたが、ヘリのチャーター料は1時間あたりジェットヘリで50~100万円、レシプロヘリで8~15万円と高額なので、1時間8万円という金額は当時の物価水準を考えてもそう高いものではなかった(写真:FlugKerl2)。 物語を通して立花の愛車として活躍したのが、W123型メルセデス・ベンツ・ミディアムクラスだ。同車は1982年に異形ヘッドランプへとフェイスリフトを行なっているが、彼のW123型はマイチェン前の中期型となる。同車には異なるエンジンの様々なグレードが存在したが、1985年9月に刊行された『クリィミーマミ・ムック』(ムービック刊)に収録されたきくちみちたか氏のマンガによると、立花のW123型は最高出力136psの2.3L直列4気筒エンジンを積んだ230Eとなるようだ。不整地を猛スピードで走ったり、カーチェイスをしたりと、立花の運転は荒っぽく、彼のメルセデスは相当に酷使されていたが、へこたれることなくシリーズ完結作の『ロンググッドバイ』まで全編にわたって活躍した。ただし、相応にトラブルはあったようで、左ハンドルだった彼の愛車がときどき右ハンドル(第50話「マミがいなくなる…」)になるのは、修理中の代車としてディーラーから同型車を貸し出されてのことだと推察される。 『永遠のワンスモア』で立花とめぐみのカーチェイスシーンで、メルセデスとBMWに追い抜かれる6代目ダイハツ・ハイゼットバン。その特徴的なフロントフェイスから「眉毛ハイゼット」の愛称を持つ。 パルテノンプロ所属のマミのライバル・めぐみの愛車としてTVシリーズを通じて活躍したのが、1982年のデビューから間もないBMW3シリーズだ。彼女の3シリーズは、2ドア・左ハンドル・5速MT車で、当時、BMWジャパンが輸入していた該当する仕様は318iだけなので、ほぼこのグレードと判断して間違いはないだろう。当時の新車価格は385万円と、国産車最高峰のパーソナルクーペだったトヨタ・ソアラの最上級グレード・GTリミテッドよりも高価だった。めぐみの18歳という年齢を考えれば、おそらくは免許を取ってからの最初の愛車だったはずで、高級車をポンと買えるあたりは、さすがはマミの加入までパルテノンプロの看板スターだったことはある。ただし、彼女の3シリーズはけっしてオーナーに恵まれていたとは言えず、初登場時から後部座席で着替えるめぐみに代わって運転することになった木所によって、車体前後をぶつけられてバンパーをベコベコに凹まされている。また、立花同様にめぐみも運転が荒っぽく、相当に酷使され続けたようだ。本文中でも述べた通り、そして最後は立花のW123とのカーチェイスで自損事故を起こし、スクラップとなった。 『永遠のワンスモア』でアメリカから帰国した立花を空港まで迎えに来た番組ディレクターの星井の愛車として登場したのが、「ダルマ」の愛称で新車時に庶民から愛された2代目トヨペット・コロナだった。このクルマの生産期間は1960~1964年まで、『クリィミーマミ』のオンエア時には既に街中では滅多に見かけない旧車となっていた。コロナのナンバープレートの分類番号は「57」とあるため、おそらく星井は何かしらのこだわりを持って中古車を購入したのだろう(1960年代の分類番号は一桁)。星井のモデルとなったのは、のちに数々の傑作を手掛ける名監督となる押井 守氏で、彼は直接この作品には携わってはいないが、制作直前にタツノコプロからスタジオぴえろに移籍し、同スタジオ制作の『うる星やつら』のテレビシリーズでチーフディレクターを担当していた。押井氏自身は星井とは違って旧車に関心がないようで、過去に宮崎 駿氏とシトロエン2CVでドライブ旅行した感想を「あんなクルマ、もう2度と乗りたくない」と漏らしている。 パルテノンプロが入居するビルの地下駐車場の背景として描かれていたVWタイプII後期型。とくに活躍することはなかったが、特徴的なデザインのクルマだけにひと目で車種がわかる。 『永遠のワンスモア』の背景にたびたび登場するサーブ900。劇中で確認できるのは、空港のシーンで遠景に描かれているのと、立花と愛がパルテノンプロが入居するビルの地下駐車場にて、メルセデスの駐車スペースの隣に止まっていた。 同じく、パルテノンプロが入居するビルの地下駐車場で描かれていたサーブ96。このクルマの丸みを帯びたユニークなデザインは、航空機メーカーとして出発したサーブらしい空力を意識したものだ。1963年のデビュー当初のエンジンは2サイクル3気筒0.75Lを搭載していたが、1967年に排気量を0.84Lに拡大。1965年にはフォード・タウヌス12M/15M用の4サイクル1.5L V型4気筒エンジンモデルが追加されている。『永遠のワンスモア』に登場するのは、おそらく1965年のマイナーチェンジ後に登場した2サイクルエンジンを搭載した中期型だろう。こちらはタイプIIとは異なり、セル処理で駐車場を歩く立花と愛の前に大写しで登場する。アニメはカメラに写るすべてを描かなければならず、実写作品のように意図しないものが偶然映り込むということはありえない。つまり、制作スタッフの誰かが意識してサーブ96を登場させたということになる。当時も今も日本では知る人ぞ知るといったクルマだけに、スタッフの中に熱烈なサーブファンがいたのかもしれない。 クレープを調理中の『Caffe la Macchina』のスタッフ。果物や生クリーム、アイスクリームを包むのが日本のクレープの特徴。同店ではは自家製クレープ生地にカシューナッツ粉を使用しており、しっとり柔らか食感のクレープが特徴だ(写真:Caffe la Macchina)。 愛らしいフロントフェイスにスクエアなフォルム、そして波形プレスの外板に包まれた合理的なパッケージが個性のシトロエンHタイプ。同車はは欧州でもキッチンカーや移動販売車として人気を博していた。 2024年11月にマルイシティ横浜にて開催された『魔法の天使クリィミーマミ 40周年記念展』の正面入り口に掲げられた立て看板。筆者が以前取材時に撮影した写真だ。放送終了から40年以上の月日が経過した作品ではあるが、今見ても古さをあまり感じない。この作品にはいまだに多くのファンから愛され続けており、訪れたのは平日だったにもかかわらず、会場は多くの人で賑わっていた。 メルセデス・ベンツE230(W123型) BMW3シリーズ(E30型) この画像の記事を読む