ネイキッドを主力に据えるKTM

KTMが、2026年モデルとして最新のネイキッドモデル群「DUKE」シリーズを欧州で発表した。KTMは30年以上にわたり「ネイキッドというジャンルの基準」としてDUKEシリーズを位置付けてきたが、2026年モデルでは技術的進化と車種バリエーションの拡大を同時に果たし、スモールクラスからスーパーネイキッドまで幅広いラインアップを揃えることでライダーの期待に応える。スリムで軽快な125 DUKEから、ハイパフォーマンスを誇る1390 SUPER DUKE R/EVOまで、あらゆる走行シーンをカバーするシリーズへと昇華したことで、KTMのネイキッド戦略が新たな段階へ突入したことを鮮明に示している。
2026年の新型DUKE群は、ライトウェイトなエントリークラスから高出力のハイエンドモデルまで統一されたデザイン言語を共有するとともに、各モデルに最新技術を投入することで走行性能と電子制御機能の両立を図っている。一例として、WP製高性能ブレーキ「FCR4」や高度なサスペンション技術、プレミアムな電子デバイス群が多くのモデルに採用され、ネイキッドカテゴリーに新基準を敷く存在感を放つ。
進化したDUKEの主体
KTMが2026年モデルとしてラインアップするネイキッドの中心は、やはり「DUKE」シリーズである。125 DUKEおよび390 DUKEはエントリーユーザーやA2ライセンスホルダーを念頭に置いたモデルであり、街中からワインディングまでフレキシブルな走りを実現する存在だ。
125 DUKEはこれまでの軽量性と俊敏性を維持しつつ、新色の採用やエンジンのフィーリング改善を実施することで、より魅力あるエントリーモデルとして進化した。ABSコーナリング機能やTFTディスプレイといったエレクトロニクス装備も標準化され、初めてのネイキッドとしての完成度を高めた仕様となっている。
一段上の390 DUKEはA2対応可能な単気筒エンジンを搭載しつつ、2026年モデルではWP製高性能ブレーキシステムFCR4を世界初採用するなど、スポーティ性能をさらに高めた仕様で登場した。細かな電子制御やフレーム剛性の最適化など、軽快かつリニアなハンドリング性能を重視した設計は、軽量ネイキッドに求められる走りの基準を再設定するものといえる。
中堅クラスの790 DUKEは、LC8c型の95PS級ツインエンジンをベースに、ミドルクラスとしてのバランスに優れたモデルだ。軽量フレームと洗練されたサスペンションを持ち、都市部・郊外・ワインディングまで幅広い用途に応える使い勝手の良さを備えている点が特徴である。
パフォーマンスの深化
DUKEシリーズの中核を担うミドル〜ハイエンドモデルは、単なる排気量アップ以上の存在感を見せる。990 DUKEは947ccの並列ツインエンジンにより、123PSという出力と103Nmの強大なトルクを発揮しつつ、軽快なシャシーとのバランスも両立する中核モデルだ。ストリートでの俊敏性と高速域での余裕ある走りを同時に実現し、スポーティネスとライディングの多様性を高度に融合している。
より高次元のパフォーマンスを求めるライダー向けには「990 DUKE R」が用意される。130PS級のエンジンとフルアジャスタブルサスペンション、水平横長の8.8インチTFTディスプレイを備え、オンロード走行のみならずスポーツライディングにも対応する高い走破性を獲得している。こうした装備は、日常からハイペース走行まで思いのままに楽しみたいライダーへ向けた仕上がりだ。
シリーズの頂点に君臨する「1390 SUPER DUKE R」およびその進化版「1390 SUPER DUKE R EVO」は、LC8 V型2気筒エンジンを搭載し、190PS級というクラスを凌駕するパワーと145Nmの圧倒的トルクを発揮する。ハイエンド電子制御群や高性能サスペンション、ABSコーナリング機能といった先進装備を標準装備とし、KTMが誇る“ハイパーネイキッド”というカテゴリーの存在意義を体現する一台へと仕上がっている。
KTMが提案するネイキッドの未来
2026年の新型DUKEシリーズは、単純なモデル更新に留まらない。各モデルに高性能ブレーキ、電子制御、統合ディスプレイ、ライディングモードといった現代的装備を標準以上に搭載することで、ネイキッドというジャンルの価値そのものを再構築する挑戦となっている。エントリーモデルからハイエンドまで統一感あるデザインと技術的ポリシーを貫くことは、ライダーに対して“DUKEならどこまでも楽しめる”というブランドストーリーを強く提示する意図であり、KTMブランドのDNAを体現する戦略となるだろう。
また、今後さらなるモデル拡充が予告されていることから、ネイキッド市場におけるKTMの存在感は一段と高まる見込みである。2026年モデルの投入によって、幅広いユーザー層を取り込み、それぞれのライフスタイルに最適な選択肢を提供するというKTMの戦略は、単なるラインアップ増強ではなくブランドの未来を見据えた進化そのものと言える。
