【基礎知識】ホンダNS-1とは?

1991年に登場したホンダNS-1(型式AC12)は、本格レーサーレプリカスタイルを採用した50ccスポーツモデル。7.2psの水冷2ストローク単気筒エンジンを搭載し、前後ホイールは17インチを採用。50ccとは思えない、フルサイズの迫力に当時の若者は熱狂した。それに加えて、一般的な燃料タンク部はダミーとなっており、ヘルメットが収納できるトランクスペースとなっているのが特徴だ。当時の原付クラスの常識を超えるルックスとポテンシャルで若者の心を掴み、90年代ミニレプリカブームを象徴する1台となった名車である。

17歳で国際A級へ――全日本を沸かせた青木宣篤

モトチャンプがレースシーンを熱狂的に追いかけていた1980年代終盤から90年代前半。全日本選手権でひときわ輝きを放っていたのが、1989年に当時最年少となる17歳で国際A級へ昇格した青木宣篤さんだ。

ミニバイクレースからステップアップし、ホンダと日清食品のサポートを受けて登場。カップヌードルカラーのNSRを駆り、全日本の舞台で存在感を示した。そのゴールドとレッドのカラーリングは、当時のレースファンに強烈な印象を残している。

青木三兄弟と“ゴールド×レッド”の時代

車体カラーはゴールドを基調とし、ホンダのウイングマークを想起させるシルバーのラインが鮮やかに映える。カップヌードルレーシングチームの赤も、ホンダの“赤”のイメージとよく調和していた。当時のベースカラーは、宣篤さんがゴールド、拓磨さんがシルバー。ふたりの個性が、そのままマシンの色に刻まれていたのも印象的だ。

当時は“青木三兄弟”としても注目を集めていた。弟の拓磨さん、治親さんもカップヌードル仕様のマシンで参戦。クラス違いで同じカラーリングが走る光景は、まさに時代の象徴だった。

高校生だった宣篤さんは、平日は学校、週末はレースという生活。さらに1989年には250クラスとF3クラスのダブルエントリーという過酷な挑戦もこなしていたという。バブル期の華やかな空気に包まれたサーキットで、激しいバトルを繰り広げていた。

カップヌードル懸賞でNSR250R SPとNS-1をプレゼント

今回のNS-1はカップヌードルの生誕20年を記念したキャンペーン(1991年)でプレゼントに用意されたもの。ちなみに、青木宣篤仕様のゴールドはNSR250R SPが1台、NS-1が5台、青木拓磨仕様のシルバーもNSR250R SPが1台、NS-1が5台と超太っ腹な企画だった。

そんな熱狂を背景に、日清食品はカップヌードルカラーのNSR250R SPとNS-1が当たる豪華キャンペーンを実施した。

今回紹介するNS-1は、その当選車両そのもの。単なるレプリカではなく、当時の公式キャンペーンによって誕生した“本物の記念車”なのだ。

このNS-1は、長らくカップヌードルミュージアムに展示されていたが、展示終了を機に「カップヌードル誕生と同い年の宣篤さんに」と日清食品から声がかかり、奇跡の再会が実現した。

1991年式NS-1(AC12)をベースに再現されたゴールド仕様

車体カラーはゴールドを基調とし、ホンダのウイングマークを想起させるシルバーのラインが鮮やかに映える。
カップヌードルレーシングチームの赤も、ホンダの“赤”のイメージとよく調和していた。
ミュージアムで大切に保管されていた車両なだけあり、ステッカーなども最高なコンディションをキープ。ほ、ほ、ほしい!
細かな縁取りまで再現されているカップヌードルロゴ。純正色はブラックだったようで、カウル裏は黒塗装がされている。

ベース車両は1991年式の初代NS-1(AC12)。
車体はゴールドへとペイントされ、カップヌードルレーシングチームのロゴをステッカーで再現。細部の縁取りまで丁寧に仕上げられている。

その配色は、1991年に青木宣篤さんが駆ったNSRのカラーリングを忠実に再現したもの。ホンダのウイングマークを想起させるシルバーラインと、鮮烈なレッドのロゴが絶妙に調和する。

長期保管されていたためレストアは必要だが、宣篤さんは「飾るだけじゃなく、直して乗りたい!」と意欲を見せる。

もしこのゴールドのNS-1が再びエンジンに火を入れ、走り出す日が来たなら――それは当時を知るファンにとって、最高の瞬間になるはずだ。

ホンダ・NS-1(1991年モデル)主要諸元

1991年に登場した前期型。NSRシリーズのイメージを踏襲している。
1995年の後期型はRVFをイメージしたデュアルヘッドライトを採用。点火方式もCDIになっている。
項目内容
全長1,905mm
全幅670mm
全高1,080mm
ホイールベース1,295mm
シート高752mm
最低地上高130mm
車両重量101kg(装備)
エンジン水冷2ストローク単気筒(AC08E)
総排気量49cc
最高出力7.2PS / 10,000rpm
最大トルク0.65kg-m / 7,500rpm
燃料供給方式キャブレター
始動方式キック式
トランスミッション6速リターン
フレームダイヤモンドフレーム
フロントサスペンションテレスコピック式
リヤサスペンションモノショック(プロリンク)
フロントブレーキ油圧式シングルディスク
リヤブレーキ油圧式シングルディスク
フロントタイヤ90/80-17
リヤタイヤ100/80-17
燃料タンク容量8.0L
発売年1991年
型式AC12

NS-1(AC12)の中古価格・現在相場※編集部調べ

原付スポーツとして人気が高いホンダNS-1(AC12)の中古車相場は、2026年2月時点で以下のような価格帯となっています。

■ 中古車販売価格

  • 中古車平均価格:約 35〜50万円前後
  • 一部低走行・良コンディションの在庫では 価格帯60万円台~80万円台の例もあり

■ オークション落札相場

  • 過去180日間の平均落札価格:約 約17〜18万円前後 ※実働・現状ベース
  • 状態・レストアベース・改造車などを含めると幅は広く、 約5万円〜30万円台以上まで分布

ポイント
NS-1は旧車人気もあり、良コンディション車や低走行車は相場が高めで推移。
一方で、実働ベースやレストアベースは比較的手頃な価格帯でも見つかるため、状態を見極めることが重要です。

※この記事は月刊モトチャンプ2026年2月号のものです。
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