連載

ベントレー100年車史

CONTINENTAL GT/GTC(3rd)

クラシカルなフロントノーズとショートデッキで

コンセプトカー「EXP10 スピード6」
コンセプトカー「EXP10 スピード6」

2017年にフルモデルチェンジを果たし、3代目へと進化を遂げた「コンチネンタルGT」。その最大の特徴は、新開発のフロントエンジン&RWD/AWD用のMSBプラットフォームを採用したのに伴い、先代と比較してフロントアクスルが135mm前方へ移動したことにある。これによりホイールベースが105mm伸びて2850mmとなり、2015年のジュネーブ・ショーで公開されたコンセプトカー「EXP10 スピード6」の流れを汲む、フロントフェイスに大径のLEDマトリクスビーム・ヘッドランプを奢るクラシカルなフロントノーズ&ショートデッキのプロポーションへと変更された。

エンジンは気筒休止システムやダブルインジェクションを装備することで環境問題にも対応しつつ635PSを発生する6.0リッターW型12気筒DOHC直噴ツインターボを搭載。ギヤボックスも6速トルコンATから8速DCTへと変わり、0-100km/h加速3.7秒、最高速度333km/hという驚異的なパフォーマンスを発揮する。

またフロントダブルウイッシュボーン、リヤマルチリンクのサスペンションには、先代よりも容量が60%増大した3チャンバーエアサスペンションを装備。加えて48Vの電動アンチロールバーシステムであるベントレー・ダイナミック・ライド、コーナー毎に各ホイールと車体との距離を測定して常に最適な乗り心地に調整する連続可変ダンピングコントロール(CDC)、可変ラックレシオを採用した電動パワーアシストステアリング(EPAS)を標準装備。4WDシステムも前後トルク配分を従来の40対60から、0対100を基本として電子制御により必要に応じて配分するスタンバイ式へと変更することで、FRらしい軽快さと、4WDらしい安定感を両立したハンドリングを実現するに至った。

新たに主軸はV8へと移行

3代目「コンチネンタルGTC」
3代目「コンチネンタルGTC」

当初ボディタイプはクーペのみだったが、2018年にソフトトップを備えたコンバーチブルの「コンチネンタルGTC」を追加。オープン化にあたりボディも再構築され、先代よりも5%の捻り剛性アップと、20%の軽量化に成功。電動式のソフトトップには、新しい断熱材とZパターンで折り畳まれる操作機構を採用したうえ、シーリングシステムの改良と音響処理を施すことで、先代に比べて巡航速度での騒音レベルを50%低減している。

そのほか静かさ暖かさが格段に向上した新設計のネックウォーマーを備えたヒーター付きコンフォートシート、ステアリングホイールヒーター、アームレストヒーターも完備し、サイドウインドウを上げれば真冬でも快適なオープンドライブを楽しめるようになっていた。

そして2019年には550PSの4.0リッターV8直噴DOHCツインターボを搭載する「V8」をGTとGTCに追加。これによりコンチネンタルGTシリーズの主軸はV8に移行し、スタンダードのW12モデルはラインナップから姿を消すこととなる。

ハイパフォーマンス版の「スピード」

しかし、W12の命脈が絶たれた訳ではない。2021年にベントレーは、排気量はそのままに最高出力を659PS、最大トルクを900NmへとチューンしたW12ツインターボを搭載するハイパフォーマンス版の「コンチネンタルGTスピード」「コンチネンタルGTCスピード」を発表する。その強大なパワーを受け止めるためにギヤボックスはスポーツモードを選択すると変速スピードが2倍になる8速DCTを採用。最高速度335km/h、0-100km/h加速3.6秒という、歴代GTスピード最高のパフォーマンスを実現した。

もちろんシャシーもアップデートされ、全輪操舵のエレクトロニック・オールホイール・ステアリングとエレクトロニック・リヤデファレンシャル(eLSD)をコンチネンタルGTとして初採用。加えてアクティブ4WD、エレクトリック・スタビリティ・コントロール(ESC)などの設定もGTスピード用に最適化されたことで、V8モデルと遜色のない俊敏性と高いスタビリティを両立した。

またオプション装備として、直径440mmのフロントディスクと10ピストンフロントキャリパーを組み合わせた、自動車用ブレーキとしては世界最大のカーボンセラミックブレーキを用意。時速80マイルから10回連続で急制動をかけても61.1mの停止距離を記録するほど高い耐フェード性を誇る必要にして十分以上のストッピングパワーも手に入れている。

次々とバリエーションを追加

その後もV8モデルに快適装備を充実させた「アズール」、スポーティな仕立ての「S」、豪華装備を誇る「マリナー」などバリエーションを追加していったコンチネンタルGTシリーズだが、2023年4月に近代ベントレーを支えてきた6.0リッターW12ツインターボの生産が終了。2023年11月にはV8エンジンモデルの新規受注が終了し、そのバトンを第4世代へと受け渡すことになった。

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