新基準原付とは?
2025年4月1日から導入された新しいバイクの区分が新基準原付。対応するモデルは、現在(2026年2月17日時点)、ホンダが「スーパーカブ110ライト」「スーパーカブ110プロ ライト」「クロスカブ110ライト」「ディオ110ライト」の計4モデルを販売。また、ヤマハもスクーターの「ジョグワン」を2026年3月19日に発売することを発表し、注目を集めている。





そんな新基準原付だが、導入の背景には、2025年11月から適用された新排出ガス規制が関連している。新しい基準値への適合が従来の50cc以下のバイクでは難しく、2025年10月末をもって生産終了となったのだ。
そこで、新排出ガス規制にも対応可能な110ccや125ccのバイクを使い、最高出力を4.0kW(5.4PS)以下に制御。性能面を50ccバイクと同等とすることで、運転可能な免許や交通ルールなどを原付一種と同じ扱いにするというのが新基準原付だ。
運転できる免許や交通ルールは?
つまり、同じ110ccや125ccのバイクでも、最高出力を4kW(5.4PS)以下に制御した原付一種バージョンと、従来の原付二種バージョンが存在するのだ。では、両バージョンにどんな違いがあるのか? 主な点をおさらいしよう。
【運転可能な免許】
・原付一種(50cc以下+125cc以下で最高出力4.0kW以下の新基準原付)
→原付免許以上の二輪免許、普通自動車免許
・原付二種(50cc超〜125cc以下)
→小型限定普通二輪免許(AT小型限定を含む)以上の二輪免許
【ナンバープレートの違い】
・原付一種(50cc以下+125cc以下で最高出力4.0kW以下の新基準原付)→白
・原付二種(50cc超〜90cc以下)→黄色/原付二種(90cc超〜125cc以下)→ピンク
【交通ルールの主な違い】
・原付一種(50cc以下+125cc以下で最高出力4.0kW以下の新基準原付)
→法定速度30km/h、2人乗り不可、二段階右折が必要
・原付二種(50cc超〜125cc以下)
→法定速度60km/h、2人乗り可、二段階右折は不要

原付免許だけで原付二種に乗ると「無免許運転」
このように、原付免許と原付二種では、法律上の規制はかなり異なる。そのため、たとえば、同じ110ccや125ccだからといって、二輪免許は原付免許しか持っていないのに、原付二種バイクを運転するのは違反だ。しかも、もし捕まると、「無免許運転」に該当し、一発で免停となる可能性もある。
無免許運転に関しては、道路交通法第64条に以下のような規定がある。
「何人も、第八十四条第一項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第九十条第五項、第百三条第一項若しくは第四項、第百三条の二第一項、第百四条の二の三第一項若しくは第三項又は同条第五項において準用する第百三条第四項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は一般原動機付自転車を運転してはならない」
そして、もし検挙されると、「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」。さらに、反則点数25点が加算され、運転免許が取り消される可能性もある(欠格期間2年)。なお、もし免許を取り消された場合、免許を再取得するには「取消処分者講習」の受講が必要。受講手数料も3万1200円と高価なので注意したい。

速度違反すると罰則は?
新基準原付の最高速度は、速度制限のない道路の場合、50cc以下のバイクと同じ30km/hだ。一方、原付二種は60km/hまで。速度制限がないからといって、新基準原付のバイクで、うっかり30km/hを超えてしまうと、速度超過の違反となる。
ちなみに、二輪車と原付(新基準原付を含む)で速度超過をして捕まると、以下のような罰則を科せられる(一般道の場合)。
【速度超過の罰則(バイクの場合)】
・超過速度15km未満→反則金:二輪車7000円・原付6000円/反則点数:1点
・超過速度15km以上20km未満→反則金:二輪車9000円・原付7000円/反則点数:1点
・超過速度20km以上25未満→反則金:二輪車1万2000円・原付1万円/反則点数2点
・超過速度25km以上30km未満→反則金:二輪車1万5000円・原付1万2000円/反則点数3点
・超過速度30km以上(一般道)→二輪車・原付共に赤キップ(刑事罰の対象)/反則点数12点
とくに、30kmオーバーで検挙されると赤キップ(刑事罰の対象)を切られることとなり、「免許停止」または「免許取り消し」となる。さらに、刑事処分(6ヵ月以下の懲役刑、または10万円以下の罰金刑)が科せられることになり、前科も付くので注意したい。

新基準原付で二段階右折をしないと?
一方の二段階右折。これは、片側3車線以上の交差点、または二段階右折の標識がある交差点を右折する場合、いったん左車線を直進し、交差点を渡った先で方向を変えてからさらに直進する右折方法だ。
従来、この二段階右折は、バイクの場合、主に50ccなどの原付一種が対象だったが、新基準原付は原付一種と同じ扱いなので、同じく必須となる。
もし新基準原付を運転し、二段階右折が必要な交差点で二段階右折をしなかった場合は、「交差点右左折方法違反」と「信号無視違反」という2つの違反を犯したことになる。それぞれの罰則は以下の通りだ。
【交差点右左折方法違反(新基準原付を含む「原付一種」の場合)】
・違反点数:1点
・反則金:3000円
【信号無視違反の罰則(新基準原付を含む「原付一種」の場合)】
・違反点数:2点
・反則金:6000円
ここで、疑問なのは、なぜ信号無視違反なのか。理由は、二段階右折をする場合、通常は前述の通り、最初に走行していた一番左の車線を直進し交差点を通過、右に曲がりたい車線の一番左側の車線で向きを変えて停車する。その後、その車線の信号が赤から青に変わるのを待って進む必要がある。
ところが、二段階右折をせず、通常の小回りで右折をすると、右折した先の信号はまだ赤信号のため、信号無視違反にもなるということだ。
なお、こうして2つの違反で検挙された場合は、重い方の違反を適用される。この場合は「信号無視違反」となり、上記の違反点数2点、反則金6000円が科せられることになる。

新基準原付で2人乗りすると?
さらに、2人乗りについて。これも前述の通り、原付二種バイクであればOKだが、新基準原付はNGだ。もし、新基準原付で2人乗りをして捕まると、定員外乗車違反となり、以下の罰則を科せられる。
【定員外乗車違反の罰則(原付一種の場合)】
反則点数:1点
反則金:5000円

新基準原付と原付二種の見分け方
110ccバイクなどをベースとする新基準原付は、車格的には原付二種に近い。そのため、二輪免許に関し、原付免許だけしか持っていないライダーが原付二種バイクに乗っても、「(警察官などには)区別がつかないのでは?」と思う人もいるかもしれない。だが、その考えはちょっと甘い。これも先に述べた通り、たとえば、ナンバープレートが違う。新基準原付は白なので、黄色やピンクナンバーのバイクに乗っていれば原付二種と分かるのだ。

また、原付二種はフロントフェンダーなどに白い帯、リアフェンダーなどには白の△マークもあるが、新基準原付にはそれらがない。さらに、2人乗りが可能な原付二種の場合は、タンデム用のシートやステップがあるが、一人乗り前提の新基準原付にはそれらもない。


このように、装備面では明らかに違う点もあるため、原付免許しか持っていないライダーが、原付二種に乗ってもバレないだろうと思わない方がいい。とくに、無免許運転で捕まってしまうと、はかなり重い罰則を受ける可能性があるため十分に注意したい。
