希少性の高いリヤミッドシップスポーツ

現行アルピーヌ「A110」は、2018年6月に50台限定の「プルミエール・エディション(790万円)」から導入され、港区南麻布にあるフランス大使公邸で華々しく発表会が開催されたのも記憶に新しい。
なお、ライトウェイトのリヤミッドシップスポーツはいまや貴重な存在だが、このアルピーヌA110も電動化の流れとは無縁ではなく、プラットフォームが刷新されたうえに、電動化され、2026年末にもフランスなどで発売される見込みだ。乗っておくのならそろそろ……と考えるスポーツカー好きも多いだろう。
日本向けのガソリン車は、「A110 GTS」、「A110 R 70」の2グレードが2026年3月末をもって受注を終了するとすでにアナウンスされている。A110最後の日本オリジナル限定車「BLEU ALPINE EDITION」が2025年11月に受注が開始されている。

冒頭で触れたように、2代目A110の中古車市場での物件数は、時期により増減はあっても少なめだ。ポルシェ「718ボクスター」、「718ケイマン」と比べてもかなり少ない。718ボクスターは4倍以上、718ケイマンは5倍近く流通している。
790万円から始まったA110だが、「R」で1500万円に

2018年12月には、カタログモデルの「ピュア」、「リネージ」が790万〜829万円という価格設定で登場している。2019年11月に40PSアップの最高出力292PSを誇る「S」を追加した。
2022年1月にマイナーチェンジを受け、「A110」「GT」「S」を設定し、「GT」と「S」は最高出力が300PSにまで引き上げられている。価格帯は、811万円 〜 897万円となっている。同年12月には、期間限定のハイパフォーマンスモデル「R」を追加。最高速はA110最高の285 km/hに達し、価格も1500万円と一気に跳ね上がっている。

2023年4月1日、原材料費高や輸送費高などにより価格が改定され、「A110」は875万円、「GT」は965万円、「S」は975万円と、約30万円値上がりした。「R」も50万円アップの1550万円に価格を改定している。
そのほか、いくつかの限定車が設定されていて、希少性の高いコレクションアイテムとしてファン垂涎のモデルとなっている。
「S」「リネージ」が比較的多め
現在の中古車市場で最も多いのは、スプリングとアンチロールバーの剛性がそれぞれ高められたスポーツシャシーを備える「S」で、最高出力300PS、最大トルク340Nmというエンジンスペックとなっている。なお、後継的存在である「GTS」は、現時点では流通していない。

「S」に続くのは、「リネージ」だ。少しややこしいが「リネージ」はその後、「GT」、「GTS」とその役割が受け継がれていて、「リネージ」と「GT」を足すと「S」を上回り、最も多いグレードとなっている。ただし、単独のグレードを比べると「S」、「リネージ」の順になる。それ以外では、「ピュア」も数台流通している。
2022年1月のマイナーチェンジまで設定されていた「リネージ」は、快適性も重視されたGT(グランドツーリング)的な仕様で、シートハイトとリクライニングが可能なサベルト製シート、本革シート、フォーカル製オーディオシステムなどが用意されている。

2026年2月中旬時点の中古車平均価格は、約860万円。2022年式が最も多く、走行距離は3万km以下が大半を占めていて、その中でも2万km以下が非常に多い。なお、718ボクスターは、3万〜4万kmの個体が最も多く(718ケイマンは、アルピーヌA110と同じように2万km以下が多い)、オープンエアで走り(ツーリング)も楽しむ人が多いのだろうか。

中古車の場合、当然ながら物件数、つまり選択肢がないと選びようがない。2代目A110は絶対的なタマ数が少ないものの、スポーツシャシーが用意される「S」、GT的存在の「リネージ」、「GT」を選ぶのが現実的となっている。なお「R」もわずかに流通しているものの、1500万円前後と新車価格から高くなっているか、わずかに下がっている程度だ。数は少ないが、とにかくリーズナブルで選ぶのなら「ピュア」という選択もあり、600万円前後で流通している。
