今回お邪魔したのはモンキーミーティングで出会った長澤さんのご自宅。左が勝美さんで、右は4MINIに目覚めるきっかけとなった息子さんだ。

そもそものきっかけは約7年前。息子さんが放置したエイプ!

モトチャンプの取材で出会う原付マニアたち。そんなマニアな皆さんのガレージが見たい! というわけで、モンキーミーテイングで知り合った長澤勝美さんのご自宅にお邪魔した。長澤さん、実に1人で20台もの原付を所有し、そのほとんどを自らの手でカスタムしてきた。しかも原付カスタムを始めたのは今から7年前のことで長く趣味にしてきたわけではないこともポイント。40代後半になって目覚めてしまい、以来増車とカスタムを繰り返しているのだ。

そもそものきっかけは息子さん。以前は酪農をしていたほど自宅の敷地は広大。息子さんたちは敷地内で長澤さんが所有するバイクに乗り運転の練習をしてきた。だから16歳になると原付免許を取得してエイプに乗り始める。ところが四輪へステップアップするとエイプは放置されてしまう。高校時代からCBX400Fを所有し続ける長澤さんだから「だったら」と自分でエイプに乗ることにした。

すると改めてミニバイクの楽しさに目覚めてしまう。ただノーマルでは限界があるためエンジンをボアアップしてみることにした。これがすべての始まりで、エイプは原型を留めることがないほどカスタムされていく。純正のままなのはタンクとフレームだけになってしまった。

カスタムしたエイプが楽しくて、次なる獲物を探し始めたらもう歯止めは効かない。アレヨアレヨと台数が増え、さらにエンジン部品やマフラー、足周りも増殖した。

カスタムを繰り返しているうちにエンジンブローを何度も経験する。すると部品を買い足し次なるエンジンを組むことに。
自然と以前とは違う仕様にしたくなり吸排気系パーツや足まわりの部品もどんどん増える。
ガレージの壁や棚だけでは足りず、梁や壁から吊るして部品を保管。溜まった部品だけで何台も組めそうだ。

勢いは止まらず、自分でガレージも建てちゃった!

車両が増えれば、次に欲しくなるのはガレージだ。長澤さんは建物の外装工事を請け負う会社を経営している。材料さえあれば、自分で建てられる。そこで新築現場で余った資材や、解体現場から引き上げた材料を活用し、自らガレージを建設した。

当時は息子さんたちもすでに成人。休日には親子でガレージ作りに励んだという。材料費も人件費もほぼゼロ。まさに徹底ぶりである。

自分で建てたガレージは材料費がほとんどかかっていないというから驚き。内部には製作中を含め4MINIがゴロゴロと転がる。単なる置き場ではなくカスタム工房なので「ながさわ輪業」と屋号をつけて登録した。
横型エンジンつながりでスーパーカブにも手を出した。写真には写っていないスポーツカブだけノーマルで、他のカブたちはエンジンチューンを施して走りを楽しめる仕様。外装部品やウエアまでここで保管。

カスタムパーツは中古品を修復してお安く!

無駄な出費をしないのも長澤流。カスタム用パーツはほぼ中古。インターネットオークションでの物色が日課だ。ただし入手した部品をそのまま使うことはない。徹底的に分解し、洗浄・修復を行ったうえでエンジンや足まわりを組み直す。それを何台もの車両で繰り返すのだから、経験値は自然と蓄積される。

やがて限界にも挑みたくなる。極限までチューンしたエンジンを楽しめば、避けて通れないのがブローだ。だが問題ない。壊れたら、また組み直せばいい。それもまた楽しみの一部なのである。

カスタムした愛車でイベントに参加するのも大きな喜びだ。各地へ足を運び、展示を重ねるうちに仲間も増えた。いまでは関東にとどまらず、遠方にも交流の輪が広がっている。イベントに招かれる機会も増え、行楽シーズンの休日はどこかへ遠征するのが恒例だ。

そして忘れてはならないのが“走る楽しみ”。仲間とツーリングに出かけ、仕上げたマシンを存分に味わう。カスタムは飾りではない。走ってこそ、その価値が生きるのである。

壁一面にミニカーを飾りつけた。ホットウィールはパッケージごと吊るしておけるので便利と言えば便利だ。
栃木のツインカム三兄弟との交流から、自分たちでTシャツを作って愛用。観賞魚も好き。

そんな長澤さんの愛車をチェック!

【愛車その1】ホンダ エイプーツインカム124cc仕様ー

7年前に息子さんから譲り受け、4MINIカスタムに開眼するきっかけとなったエイプ。フレームとタンクだけ純正を残し、それ以外は自力でカスタムした。カウル類はベースをもとに自らワンオフ加工したうえで塗装まで行う。タイヤをキレイに端まで使っている。

テールカウルとサイドカバーはZⅡタイプを選びタンデムバーを装着。スイングアームはOVERレーシング製の純正長をセットする。
キタコ製DOHCボアアップキットを用いて124cc化。隠れて見えないがキャブレターはFCR28を組んで高回転でパワーが炸裂する。
SP武川製乾式クラッチと強化ミッションを組み合わせているのでDOHC124ccのパワーを確実に路面へ伝えられるようにしてある。
フロントフォークは定番でもあるKSR用として、OVERレーシング製ホイールとブレンボキャリパーをセット。フロントは2.75J×12。
リヤもフロントと同じ組み合わせの足周りとしている。リヤホイールは3J×12でバトラックスの文字を自らペイントして仕上げた。
スイングアームに合わせるようにマフラーはOVERレーシング製フルチタンを選んだ。こうしたパーツもすべて中古で揃えているのだ。

【愛車その2】ホンダ ダックスー在り合わせパーツで製作ー

エイプとは対照的に激しくローダウンされたダックス。実はフレームがあったので、残りは在り合わせのパーツで製作した1台。どんどんパーツが増えたためにできたことで、フレームにつけたエンブレムはホンダの旧四輪用。

大きくカットされたサイドスタンドからローダウン具合が伺える。スイングアームは純正のままでメーカー不明リヤショックを組んだ。
エンジンも寄せ集めのパーツで88ccに拡大しているが、自慢なのが「コブヘッド」と呼ばれる古いシリンダーヘッドを使っていること。
これも古いタイプのSP武川製マフラー。小加工してサイレンサーを上へ跳ね上げている。純正ヒートガードを使っているのがポイント。
サブフレームとアルミホイールはGクラフト製で統一した。フロントブレーキだけSP武川製のキャリパー+ローターをセットしている。

【愛車その3】ホンダ シャリィーいつでも元に戻せる⁉ー

フルノーマルのまま保管されていたシャリィを偶然にも譲ってもらえることになった。入手時「これはイジッてはいかんヤツ」と思ったのも束の間、やはりカスタムしてしまう。ただ「いつでも元に戻せる」仕様なのがミソだ。

外装類はすべて新車時からの塗装なのにサビひとつない。シートだけ白く張り替えたものに交換したが、純正も保管している。
当時モノの自転車用チャイルドシートはイベントでいつも好評。念の為警察官に聞いたところ違法にはならないとお墨付きをもらった。
古いSP武川製砂型クランクケースカバーを使いキタコ製ボアアップキットで124cc化したエンジン。ミッションはSP武川製を組み合わせた。
フレームの上から顔を出すPE28キャブレター。過去の経験からオイル管理は徹底していてサブタンクを増設しつつオイルクーラーも装備。
バックステップはGクラフト製を選んでいる。ジェネレーターカバーからHONDAの部分をくり抜き、サイドカバー用パーツを移植した。
くり抜いたジェネレーターカバーを右サイドカバーにして使い方を反転した。変態道を極めるなら、こうした天邪鬼さも大事なのだ。

【愛車その4】ホンダ CBX400Fー高校時代からの相棒ー

高校時代の友人が新車で買ったCBX400F。1年後くらいに直接譲ってもらうと、以来長澤家に居座ることになった。BEET製アンダーカバーやタンデムバー、アンコ抜きシートなどは当時カスタムしたもので長澤さんの原点。