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ゲンロクWeb徹底解説シリーズ

LAMBORGHINI HURACAN

ランボルギーニ ウラカン とは

2014年にデビューしたランボルギーニ ウラカンはアウディR8とキーコンポーネンツを共有する。
2014年にデビューしたランボルギーニ ウラカンはアウディR8と主要コンポーネンツを共有する。写真はレーシング志向の「STO」。

「ランボルギーニ ウラカン」は、同社最大のヒット作となった「ガヤルド」の後継車種として開発された。2013年12月に公式サイトで概要が公開され、2014年3月に開催されたジュネーブショーで正式に発表された。

ランボルギーニのエントリーモデル、つまりベイビーランボという位置づけながら、その設計思想やパフォーマンスは上位モデルに通じる本格的なスーパースポーツだ。アルミニウムとカーボンファイバーを組み合わせたハイブリッドシャーシを採用し、軽量化と高剛性を両立。NAエンジンは高回転域まで鋭く吹け上がり、レスポンスの良さと官能的なサウンドを大きな特徴とする。

その成り立ちは2代目「アウディ R8」とはエンジン、ドライブトレイン、シャーシを共有し、フォルクスワーゲングループ内での技術共有を背景に高い完成度を実現している。登場以降、高性能派生モデルや未舗装路走行を想定したバリエーションまでラインアップを拡充。サーキットから日常域まで、走行環境に応じたモデルを展開した。

ランボルギーニ ウラカン の外観・内装

ランボルギーニ ウラカンの外観と内装は、ブランド特有の六角形モチーフを基調とするデザイン思想を反映している。外観は低くワイドなフォルムを強調し、内装はドライバー中心の設計が貫かれている。

外観:六角形DNAの造形美

シャープなラインと大型のエアインテークを備える外観は、空力性能と冷却性能を両立するための造形である。六角形モチーフはフロント、サイド、リヤに至るまで統一的に用いられ、ブランドのDNAを強く印象づける。低く構えたノーズと張り出したリヤフェンダーは、ミッドシップレイアウトならではの力強いプロポーションを形成する。

LEDヘッドライトは鋭いシグネチャーを描き、夜間でも高い視認性と存在感を確保。リヤはディフューザーを強調した立体的造形とし、高速域での安定性に寄与する空力設計がなされている。

モデルライフ後半には2台の特殊仕様が登場。 “公道を走れるレーシングモデル” 「STO」は、固定式リヤウイングと専用のエアロパーツで高いダウンフォースを追求。一方、未舗装路を意識した「ステラート」は車高を高めて専用ホイールアーチを備えるなど、用途に応じた差別化が明確だ。

内装:ドライバー優先設計

ランボルギーニ ウラカンの内装は、共通の哲学である「プロレーサーのようなフィーリング」を提供するデザインが施されている。スタートボタンには航空機を思わせるカバーが備わり、始動時の演出も特徴的だ。操作系は機能ごとに整理され、ドライバー優先のレイアウトが採用されている。12.3インチTFTデジタルメーターを中心に構成され、走行情報を視界内に集約する。

六角形モチーフはエアベントなどにも反映され、ブランドの世界観を強調。本革やアルカンターラを基調としつつ、カーボン素材を多用するなど軽量化を意識した仕様も用意される。

ランボルギーニ ウラカン のサイズ

ランボルギーニ ウラカンのサイズは仕様により微妙に異なる。以下は、“ピュアなドライビング・エクスペリエンスと普段使いの操作性を兼ね備える” という「テクニカ」モデルの数値を基に解説する。ランボルギーニらしい低い全高とワイドな全幅が特徴だ。

ボディサイズ:低くワイドな設計

ランボルギーニ ウラカンのボディサイズは、全長4567mm、全高1165mm、全幅1933mmで、スーパースポーツらしいワイドなスタンスを形成。低いルーフラインとの組み合わせにより、視覚的にも強い存在感を放つプロポーションとなっている。

低重心設計は高速域での安定性にも寄与し、コーナリング時のロールを抑制。ホイールベース2620mmという設定は直進安定性と回頭性のバランスを意識したもので、サーキット走行から一般道まで幅広いシーンに対応する。ミッドシップレイアウトによって前後重量配分の最適化が図られ、シャーシ全体で高い運動性能を支えるパッケージとなっている。

室内スペース:ドライビングのための空間

室内は2名乗車で、ドライバーと車両の一体感を重視した設計が施されている。シートポジションは低く設定され、車両の動きをダイレクトに感じ取れるドライビングポジションを実現。ステアリングやペダル配置も運転操作を前提に最適化されている。

操作系はドライバー側に向けられ、走行中でも直感的に扱えるレイアウトが採用されている。キャビンは必要な装備を備えつつも、無駄を排したスーパースポーツらしいシンプルなパッケージングが特徴。

ランボルギーニ ウラカン の走行性能・燃費性能

ランボルギーニ ウラカンの心臓部には5.2リッターV10自然吸気エンジンが収まる。
ランボルギーニ ウラカンの心臓部には5.2リッターV10自然吸気エンジンが収まる。

ランボルギーニ ウラカンの走行性能は、高回転域までスムーズに回る特性の5.2リッターV10自然吸気エンジンが核となる。大排気量・ハイパワーエンジンとしては、燃費性能も高レベルといえる。

走行性能:V10自然吸気の実力

ランボルギーニ ウラカンの基本パワーユニットは、5.2リッターV10自然吸気エンジンで640PS(470kW)を発生する。未舗装路仕様向けに最適化されたユニットは、最高出力が610PS(449kW)とされる。0-100km/h加速は3.0〜3.4秒と公表され、最高速度もモデルごとに異なる。いずれも高回転域まで鋭く吹け上がるエンジン特性によって、アクセル操作に対するダイレクトなレスポンスが大きな特徴となっている。自然吸気エンジンならではのリニアな加速フィールと高回転域の伸びは、ウラカンの走行性能を語るうえで欠かせない要素である。

駆動方式もモデルにより異なり、後輪駆動仕様では軽快な回頭性とドライバー主体の操縦感覚を重視。走行モード制御や車両統合制御システムにより、路面状況や用途に応じて特性を変えることができる。

燃費性能:高性能と高効率を両立

最終仕様のWLTP複合燃費はモデルによって14.9L/100km(約6.7km/L)から13.85L/100km(約7.2km/L)と公表されている。仕様ごとの空力特性や車両重量、タイヤ設定の違いにより数値は異なるが、いずれも600馬力を超える5リッターオーバーのV10エンジンを搭載するスーパースポーツとしては良好なレベルといえる。

ランボルギーニ ウラカン の購入価格・維持費

ハイブリッドスーパーカー「テメラリオ」にポジションを譲ったランボルギーニ ウラカンは、2024年に生産が終了した。
ハイブリッドスーパーカー「テメラリオ」にポジションを譲ったランボルギーニ ウラカンは、2024年に生産が終了した。

ランボルギーニは2024年にウラカンの最終モデルとして10台限定の「STJ(Super Trofeo Jota)」を発表。後継モデルに位置づけられるテメラリオの登場で生産は終了している。

購入価格:スーパーカーらしい価格帯

最終的にSTO、テクニカ、ステラートという3仕様が公式ウェブサイトに掲載され、新車価格は約2700万円からであった。ただしオプション次第で価格は大きく変動する。中古市場でも人気が高く、希少性やブランドバリューによって最低でも2000万円程度と高値を維持している。

維持費:高額なメンテナンスと車両保険

維持費はいわゆるスーパーカーのレベルで、任意保険は車両保険込みで100万円前後となる場合もあるようだ。オイル交換、高性能大径タイヤ、ブレーキ関連の交換費用も高額だ。(以下は、ランボルギーニ ウラカン テクニカの場合の概算。)

ランボルギーニ ウラカン モデル解説

ランボルギーニ ウラカン は用途別に明確なキャラクターを持つ複数のモデルで構成されている。ここでは現行(最終)ラインナップの3モデルを解説する。

ランボルギーニ ウラカン STO

ウラカンSTO(Super Trofeo Omologata)は、ランボルギーニのワンメイクレース「Super Trofeo」およびモータースポーツの「GT3」カテゴリー用モデルで培われた技術を公道仕様へ反映したモデル。5.2リッターV10自然吸気エンジンは640PS(470kW)を発生し、0-100km/h加速は3.0秒、最高速度は310km/hに達する。ボディパネルの75%以上にカーボンファイバーを使用し、フロントフードとフェンダーを一体化した専用設計のボディピース「Cofango(コファンゴ)」など専用構造を採用する。軽量化および後輪駆動レイアウトと専用の空力パッケージにより、サーキット走行を強く意識した仕様といえる。

発表2020年(ウラカンそのもののデビューは2014年)
全長/全幅/全高/ホイールベース4547/1945/1220/2620mm
パワートレインV型10気筒自然吸気
総排気量5204cc
エンジン最高出力、最大トルク640PS(470kW)/8000rpm、565Nm
トランスミッション
駆動方式
7速LDF(ランボルギーニドッピア フリツィオーネ)
RWD
車両重量1339kg
0→100km/h加速3.0秒
最高速度310km/h

ランボルギーニ ウラカン テクニカ

ウラカン テクニカは「ストリートとサーキットをつなぐ架け橋」と位置づけられるモデルである。STOと同じスペックのエンジンを搭載し、0-100km/h加速は3.2秒、最高速度は325km/hと公表されている。後輪駆動レイアウトを採用しつつ、空力性能と安定性を高めた専用デザインを備える点が特徴だ。日常域での扱いやすさと高い運動性能を両立させた仕様で、「性能」と「美しさ」を両立させることを意識したモデル。専用のトリムやHMIグラフィックを採用するとともに、幅広いカスタマイズオプションが用意される。

発表2022年(同上)
全長/全幅/全高/ホイールベース4567/1933/1165/2620mm
パワートレインV型10気筒自然吸気
総排気量5204cc
エンジン最高出力、最大トルク640PS(470kW)/8000rpm、565Nm
トランスミッション
駆動方式
7速LDF(ランボルギーニドッピア フリツィオーネ)
RWD
車両重量1379kg
0→100km/h加速3.2秒
最高速度325km/h

ランボルギーニ ウラカン ステラート

ウラカン ステラートは、未舗装路走行を想定して開発されたモデル。5.2リッターV10自然吸気エンジンの最高出力は610PS(449kW)、0-100km/h加速は3.4秒と公表されている。専用サスペンションやアンダーボディプロテクションを装備し、車高が44mm引き上げられている。全幅も拡張されて最高速度は260km/hに抑えられている一方で、「ランボルギーニ ディナミカ ヴェイコロ インテグラータ(LDVI)」システムの専用バージョンを搭載。「Strada」と「Sport」に加えて「Rally」モードを備えるのが大きな特徴だ。オンロードだけでなくダート走行にも対応する設計を施したのが、イタリア語で「未舗装路」や「砂利道」などを意味するステラート仕様である。

発表2022年(同上)
全長/全幅/全高/ホイールベース4525/1956/1248/2620mm
パワートレインV型10気筒自然吸気
総排気量5204cc
エンジン最高出力、最大トルク610PS(449kW)/8000rpm、560Nm/6500rpm
トランスミッション
駆動方式
7速LDF(ランボルギーニ ドッピア フリツィオーネ)
AWD(第5世代 Haldex 電子制御式四輪駆動)
車両重量1470kg
0→100km/h加速3.4秒
最高速度260km/h

ランボルギーニ ウラカン の新車・中古車価格

オフロード仕様らしいランボルギーニ ウラカン STERRATOのフロント。
オフロード仕様らしいランボルギーニ ウラカン ステラートのフロント。

ランボルギーニ ウラカンの日本市場における新車価格は、約2700万円から約3800万円に設定されている(発表時価格)。中古車は “CERTIFIED PRE-OWNED プログラム” (認定中古車)で3000万円台を中心に約2500万円から6000万円弱の在庫車両が確認できる。中古車専業店を含めると価格帯の幅は少し広くなる。いずれにしても、中古車価格は年式や走行距離、装備などで大きく変動するが、値落ちは比較的少ないと言えるだろう。

モデル新車価格中古車価格(2026年2月時点)
ランボルギーニ ウラカン テクニカ2726万288円~
ランボルギーニ ウラカン ステラート3116万5367円~
ランボルギーニ ウラカン STO3750万円~
約2000万~6000万円

ランボルギーニ ウラカン について多い質問

航空機の操縦席を想起させるランボルギーニ ウラカンのコックピット。
航空機の操縦席を想起させるランボルギーニ ウラカンのコックピット。

以下では、ランボルギーニ ウラカンについて多い質問・疑問に回答する。

Q:ランボルギーニ ウラカンでの街乗りは可能か?

テクニカは日常使用も想定したモデルととて開発されたと公式に説明されている。ただし車幅が広く車高も低いため、日本の道路環境では注意深い運転が必要だろう。最低地上高やフロントオーバーハングから、段差や傾斜のある出入口などでは慎重な操作が求められる。オーナーのイメージによって「実用性」の印象は大きく異なるため、購入前には十分な確認が重要である。

Q:ランボルギーニ ウラカンのライバルは?

ランボルギーニ ウラカンの主なライバルは、同時期のミッドシップ・スーパースポーツに分類される「フェラーリ F8 トリブート」や「マクラーレン 720S」が挙げられる。いずれも高出力エンジンを搭載し、動力性能や価格帯が近い競合モデルである。自然吸気エンジンという点では「ポルシェ911 GT3」も性格的な面でライバルといえる。また、2代目「アウディR8」はエンジンやシャーシを共有する姉妹車であり競合関係にあると言える。

Q:ランボルギーニ ウラカンの同ブランドにおける位置づけは?

ランボルギーニ ウラカンは、V10自然吸気エンジンを搭載するブランドの中核モデルとして、長年ラインアップを支えてきた存在である。一方、フラッグシップモデルである「レヴエルト」はV12自然吸気エンジンに、3基のモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドを採用。出力だけでなく車格や価格帯など、いずれもウラカンを大きく上回る。ウラカンはV12モデルよりも一段下のポジションでありながら、日常域とサーキット使用の双方を担うスーパースポーツとして、ランボルギーニの屋台骨を支えてきたモデルと位置づけられる。

ランボルギーニ ウラカン の購入方法

向かって左がSTO、右がTECNICA。リヤウイングの形状が大きく違うのが分かる。
向かって左がSTO、右がテクニカ。リヤウイングの形状が大きく違うのが分かる。

購入を検討する場合、正規ディーラーで認定中古車を問い合わせるのが確実だろう。モデルやオプションにより価格や納期は異なるため、詳細な見積り取得と説明を受けたうえで検討することが重要である。

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