
高尾から旧甲州街道で小仏峠入り口を目指す
甲州街道は江戸幕府によって整備された五街道のひとつだ。江戸日本橋から内藤新宿、八王子、甲府を経て下諏訪宿で中山道と合流するまで44次の宿場が置かれた53里の街道だ。現在は大半が国道20号線となっている。しかし、かつての街道も所どころに残っていて、それらは旧甲州街道あるいは甲州古道と呼ばれている。旧甲州街道にはいまも江戸情緒を残す佇まいがあり、旅情を盛り上げてくれる。また中には山道となっているところもある。
なにはともあれ国道20号線を西へたどり高尾梅郷を目指してスーパーカブを走らせた。八王子市街を抜け、高尾駅入り口を過ぎてしばらく行くと、中央本線のガードをくぐる。すぐ先にある西浅川の分岐を北側へ、都道516号線へ進むと、その道が旧甲州街道だ。
住宅地の中を小仏川沿いに進んでいくと、梅の花が咲き始めた小さな公園が現れる。武藏国(東京)最後の宿場だった駒木野宿だ。往時から規模の小さな宿場だったようで、面影はない。公園に建てられた石碑で確認できる程度だ。ただし、すぐ脇にはかつてここに小仏関所が置かれていたことを示す碑もあり、歴史街道好きにはそそられる場所かもしれない。さらにここは高尾梅郷のひとつ関所梅林にもなっている。
高尾梅郷は、ここ関所梅林をはじめ遊歩道梅林、天神梅林、荒井梅林、湯の花梅林、するさし梅林、木下沢梅林、小仏梅林などが旧甲州街道沿い約5kmに渡りおよそ1万本の梅の木が連なる。花の見頃は例年、2月中旬から3月下旬あたりで、今年は3月14日(土)~3月15日(日)に高尾梅郷梅まつりが開催される。



少しばかり時期が早かったので開花はちらほらという状況だった。まあ満開になると多くの人出があるので、スーパーカブでのんびりめぐるなんてことはできなくなりそう。
旧甲州街道を少しそれて木下沢林道を進んだ。この道沿いにある木下沢梅林が、高尾梅郷の中でもっとも華やかだからだ。林道が未舗装になるあたりから山の斜面に梅が咲いていた。たしかにここが満開になれば梅郷の名にふさわしい見事な景観が楽しめるだろう。足元が危うい深い砂利に気を付けながら、そんな感想を抱いた。





旧甲州街道に戻り小仏峠入り口へと走る。所どころ道が狭く路面状態が悪い個所もあるところが旧道らしくて好感が持てる。山の木々が迫り鬱蒼とした雰囲気なってくると、いよいよ山道といった状況に気分が高まる。そうした中に浅川神社と小佛山寶珠寺はある。立ち寄ってみた。目的は参拝ではなく、すぐ近くにある不動の滝をみるためだ。
小仏川に注ぐ沢に流れ落ちる落差5mほどの小さな滝なのだが、せっかくなので見ていこうと思ったのだ。ところが滝壺へと続く小道は崩落でもあったのか通行禁止になっていた。しかたなく寺の駐車場へと上がる道の途中から木々の間にわずかに見える滝を鑑賞したのだった。





旧甲州街道を再び西へ進む。2つのヘアピンカーブを抜けて500mほどで小仏峠へと続く登山道に突き当たった。この登山道が旧甲州街道なのだが、残念ながらスーパーカブで行けるのはここまで。でも、とりあえず街道の東京最西端までは来たことに満足したのである。ひとつ心残りだったのは、梅の花がそう少し咲いていてくれたら良かったのに。ということで、帰りがけに名物の八王子ラーメンを食べて、花より団子気分を味わってツーリングを終えたのである。







今回の裏高尾プチツーリングの走行距離は78㎞。使用ガソリン量は1.3L弱だった。それに八王子ラーメン750円に、裏高尾の豆腐屋で買ったおからドーナツ500円と、1500円未満の旅費だった。
