キャンバーが付かない現実、仲間と挑んだ足まわり移植!
2011年当時、TCRエスティマはすでに“旧型”という立ち位置にありながら、カスタムシーンでは確固たる存在感を放っていた。なかでも神﨑さんの1台は、その時代の空気をまといながらも、どこか一線を画すオーラを漂わせていたことを思い出す。
ベースは平成7年式のTCR10。選んだエアロはケイブレイクV-LUX。だが単なる装着では終わらない。ルーバーレス加工やプレスラインの追加、リアの延長処理など、随所に手が入る。さらにベンツS600用ダクトの移植など異種ミックスも積極投入。当時トレンドだった“開口部強調”を押さえつつ、全体はあくまで重厚なシンプルVIPで構築する。そのバランス感覚が絶妙だった。
そして最大の決断が、リジッドから4輪独立サスペンションへの換装。リジッド式の足まわりはキャンバーが付かないと知ったときの衝撃。そこから解体車ベースで純正パーツを探し、仲間とともに移植を敢行。約7度のナチュラルキャンバーを手に入れた足元には19インチのシャレンMX。当時としてもハードルの高いメニューだったが、「理想のシルエット」を優先した覚悟がこの1台を特別な存在にした。
ボディカラーに選んだのはレクサスSC430純正“プレミアムベージュ”。原色全盛のイベント会場で、あえて高級感路線を選択。しかもセオリーのブラックアウトではなく、鮮やかなアイスブルーを合わせるという逆張り的アプローチ。ショップに反対されながらも貫いた色使いは、いま見ても新鮮だ。
インテリアも抜かりない。ワンオフ張り替え、LED演出、複数モニターのレイアウト。単なる“数”ではなく、どう魅せるかを計算したインストールが印象的だった。
そして2026年のいま。当時の仕様を振り返ると、そこには時代の匂いも確かにある。けれど同時に、“自分軸で作った強さ”もはっきりと見える。それが、このTCRを単なる懐かしさで終わらせない理由なのだろう。









華やかなオレンジカラーの室内に、センターラインがアクセント!








SPECIFICATION
■エアロ:F/S/R=ケイブレイク・V-LUXエディション加工
■ホイール:共豊コーポレーション・AMEシャレンMX(19×F8J+43、R9J+22)
■タイヤ:ナンカン・ウルトラスポーツNS-Ⅱ(F215/35、R225/35)
■エクステリア:ヘッドライト&テールレンズ&グリル=後期純正加工
■インテリア:各部塗装&張り替え、シートカバー&フロアマット=ワンオフ
■サスペンション:エアサス=ACC加工
■オーディオ:ヘッドユニット=パナソニック、アンプ&スピーカー=カロッツェリア、モニター=11個
■ボディカラー:プレミアムベージュ(全塗装)


