FORD MODEL-T

極秘プロジェクトの始動

2025年春から始まった極秘プロジェクトは、1913年に誕生した「T型フォード」をレゴで再現するというモノだった。
2025年春から始まった極秘プロジェクトは、1913年に誕生した「T型フォード」をレゴで再現するというモノだった。

2025年春、フォードのアーカイブチームは極秘プロジェクトに参加した。「LEGO Icons」シリーズに新たに加わる1913年モデルのT型フォードについて、設計の正確性に関するフィードバックを求められたことがきっかけだった。LEGOチームからは開発中のレンダリングやイラストが共有され、T型フォード特有の特徴が正確に再現されているかどうか、フォード側がチェックを行った。

細部に及ぶデザイン検証

レゴのリサーチレベルは非常高く、修正はごく細部のみだったという。
レゴ社のリサーチレベルは非常に高く、修正はごく細部のみだったという。

春から夏にかけて、LEGOのシニア・モデル・デザイナーであるアン・ヒーリーが改良を重ねるたび、フォードでは複数回にわたりデザインチェックを行った。LEGOチームの事前調査は非常に綿密で、大きな修正は必要なかったという。フォード・アーカイブ側からの提案は、フェンダー角度の微調整、フォードのスクリプトロゴ表記の正確性確認、車体後部のランタンが1灯である点など、細部に関わるものが中心だった。

実物資料を携えビルンへ

ライアン氏はデンマークのレゴ社を訪問。
中心となったテッド・ライアン氏はデンマークのレゴ社を訪問。

夏には、1913年当時のオリジナル資料を用いた検証の機会も設けられた。フォードのアーカイブチームは、ル・マンに設立した「フォードVIPセンター」での展示準備のためフランスを訪問。ル・マン24時間レース終了後には、写真や当時のパンフレットなどT型フォード関連資料を携えて、LEGOの拠点があるデンマーク・ビルンへ向かった。

ビルンでの2日間は慌ただしいものだったという。アンは極秘扱いの試作モデルを披露。完成度は、これまで共有されてきたレンダリング以上だったという。一方、それまで主にインターネットから得た情報を基に調査を進めてきたアンにとっては、当時のオリジナル資料を直接確認する作業は特別な体験となった。

カタログが語る1913年型T型フォード

当時のT型フォードは多用途に使用されていた点も画期的なクルマだったという。
当時のT型フォードは多用途に使用されていた点も画期的なクルマだったという。

1913年のカタログには、T型フォードの多彩なボディバリエーションが掲載されているだけでなく、運転方法の説明まで記されていた。当時は自動車の運転経験を持つ人がまだ少なかったことがうかがえる。また、T型フォードが自動車としてだけでなく、スノーモービルや製材機などさまざまな用途に改造されていた事例についても共有された。オーナーの創造力次第で、多様な機能を持つ存在へと転用できたという点も紹介されている。

歴史的正確性への徹底した姿勢

歴史的正確性の確保に徹底していたというレゴの面々。
歴史的正確性の確保に徹底していたというレゴの面々。

今回のプロジェクトを通じてフォード側が強く感じたのは、LEGO Iconsチームが歴史的正確性の確保に徹底して取り組んでいた点だったという。フォード・アーカイブによる検証と実資料の確認を経て完成した1913年型T型フォードのLEGO Iconsキットは、今月、LEGO.comで発売される予定。