日本で圧倒的なシェアを誇るインカムブランド、B+COM。そのフラッグシップモデルが、満を持してフルモデルチェンジを果たした。今回登場した「7X EVO」は、2017年に登場したSB6X系の流れを受け継ぐ最新モデル。実に約8年ぶりとなるフラッグシップの大刷新となる。

途中モデルとしてSB6XRが登場しているが、こちらはSB6Xの設計を見直した改良モデルという位置付け。対して7X EVOは通信システムを含めて大きく進化した、まさに次世代B+COMと言える存在だ。

B+COM 7X EVO 製品情報

B+COM 7X EVO
・シングルユニット
5万9400円

B+COM 7X EVO本体1台に加え、スピーカー、マイク、取付ベースなどヘルメット装着に必要なパーツ一式を同梱。まずは1人で使いたいライダーや買い足し用として選びやすいパッケージ。

B+COM 7X EVO
・ペアユニット
11万4400円

B+COM 7X EVO本体を2台セットにしたパッケージ。スピーカーやマイク、取付パーツも2人分を同梱しており、タンデムやツーリング仲間とすぐにインカム通話を始められる。

SB6XRから受け継がれたB+COMらしさ

通信機能が大きく進化した7X EVOだが、B+COMらしい使い勝手はしっかり継承されている。

まず特徴的なのが操作性。シリーズ伝統の大型ダイヤルとボタンによる操作系はそのままで、グローブを装着した状態でも直感的に操作できるレイアウトとなっている。

さらにB+COM独自機能として知られる「聴きトーク」も引き続き搭載。音楽を再生したままインカム通話ができる機能で、通話が始まると音楽の音量が自動的に下がり、会話が終わると元の音量に戻る仕組みだ。

ツーリング中は

・ナビ音声
・音楽
・インカム通話

と複数の音声が重なる場面も多い。聴きトークはそうした状況でも自然に音声を聞き分けられるよう設計された、B+COMらしい機能と言える。

つまり7X EVOは、使い慣れたB+COMの操作感をそのままに、通信システムを大きく進化させたモデルというわけだ。

新通信システム「B+FLEX」

今回の最大の進化が、新通信システムB+FLEX

仕組みをシンプルに整理すると、3つの通信を組み合わせている。

B+FLEX MESH
ライダー同士がメッシュ通信でつながる近距離通信。

B+FLEX ONLINE
スマートフォンの通信回線を利用する遠距離通信。

ACTIVE SWITCH
距離や通信状況に応じてMESHとONLINEを自動で切り替える。

つまり通信のイメージはこうだ。

ツーリング開始

近くにいる → MESH通信

隊列が伸びる

離れる → ONLINE通信

再び近づく → MESHに戻る

ユーザーは通信方式を意識する必要はなく、インカムが自動で最適な通信を選ぶ仕組みになっている。

アクティブスイッチのイメージ。

ペアリング不要のオープンチャンネル

7X EVOでは新しい通話スタイルも用意された。それがオープンチャンネルモード

チャンネルを合わせるだけで通話できる仕組みで、最大の特徴はペアリング不要という点。

つまり

チャンネルを合わせる

すぐ通話

これだけ。

イベントやマスツーリングなど、大人数が集まる場面ではペアリング作業が意外と面倒。オープンチャンネルはその手間を減らすための機能だ。

イメージとしては、無線機のチャンネル通話に近い。

プライベートチャンネル

仲間同士のツーリングではプライベートチャンネルを使用。

専用アプリ「B+FLEX APP」でグループを設定し、最大20人の通話が可能になる。

オープンチャンネルが「誰でも参加できる通話」なのに対し、こちらは仲間限定のグループ通話というイメージだ。

距離の制限を変えるONLINE通信

B+FLEXのもうひとつの特徴がONLINE通信

スマートフォンの通信回線を利用して通話する仕組みで、インターネットを介して通信を行う。

従来のインカムでは

・信号待ち
・高速道路
・山道

などで隊列が離れると会話が途切れることもあった。

ONLINE通信を組み合わせることで、距離というインカムの弱点を変えようとしているわけだ。

SB6XRとの互換性

既存ユーザーも安心。

7X EVOはSB6XRやSB6XとBluetoothインカム通話で接続可能

つまり

・SB6XR/SB6X → 従来Bluetooth通話
・7X EVO同士 → B+FLEX通信

という使い分けになる。

仲間が旧モデルでも問題なく通話できる。

装着方式も進化

装着方式も進化している。

7X EVOはマグネットクレードル方式を採用。装着ベースに近づけるだけで固定され、ワンタッチで脱着できる。

さらにスピーカーやマイクの配線は装着ベース側に接続される構造。本体を外す際にケーブルを気にする必要がない。

つまり

・本体だけ外して充電
・ヘルメット収納時に取り外し

といった作業がかなりスムーズになる。

本体をベースプレートに装着するのは、他社でも評判の高いマグネット式。スピーカーなどはベースプレートに接続されている。

パイオニア共同開発オーディオ

B+COM 7X EVOの音作りは、カーオーディオやホームオーディオで知られるPioneer(パイオニア)と共同開発
ヘルメット内という特殊な環境で、走行中でも聞き取りやすい音を実現するために専用チューニングが施されている。

まず行われているのが、**スピーカー特性の補正(デバイス特性補正)**だ。
小型スピーカーは周波数ごとの音量バランスにクセが出やすく、そのままでは音が凸凹した印象になりやすい。

そこでDSP処理によって周波数特性を補正し、音のバランスをフラットに近づけることで、音楽や通話の聞き取りやすさを向上させている。

さらに、バイク用インカム特有の問題である走行風やロードノイズへの対策も盛り込まれている。

一つが低音補強技術
スピーカーの再生帯域より低い周波数の倍音成分を付加することで、実際には出せない低域を“感じさせる”仕組みだ。
これにより小径スピーカーでも、厚みのある低音を体感できる

加えて、音の立ち上がりを制御するアタック感強調も導入。
低域の輪郭を際立たせることで、ヘルメット内でもメリハリのあるサウンドを再現する。

そしてもう一つのポイントが明瞭度向上技術
再生する音声信号から輪郭成分を抽出し、元の音に加算することで、音のエッジを強調。

これにより、風切り音やエンジン音に囲まれた状況でも
ボーカルや会話が埋もれにくいクリアな音を実現している。

つまりB+COM 7X EVOのサウンドは、単に“音がいい”だけではない。
走行環境での聞き取りやすさまで計算された、ライダー専用チューニングなのだ。

7X EVOの進化まとめ

今回のフルモデルチェンジでの主なポイントを整理すると次の通り。

・新通信システム B+FLEX 搭載
・メッシュ+オンライン通信による次世代通話
・ペアリング不要のオープンチャンネル
・最大20人のグループ通話
・マグネット式装着クレードル
・パイオニア共同開発オーディオ
・B+COM独自機能「聴きトーク」継承

通信方式から使い勝手まで、フラッグシップらしい大きな進化が盛り込まれている。

正直、最近のインカムはすごすぎる

ここまで読んで思う。

最近のインカム、進化しすぎてない?

メッシュ通信にオンライン通信、オープンチャンネルにアプリ連携……。正直、モトチャンプ世代の“おじさんライダー”からすると、ちょっと頭が追いつかない部分もある。

でも安心してほしい。

B+COMは日本で長く支持されてきたブランド。操作性や基本機能はしっかりB+COMの流れを踏襲している。

つまり

「とりあえずB+COMを選んでおけば間違いない」

という安心感は今回も健在だ。

しかもフラッグシップモデルだけあって、機能面の満足度はもちろん、ヘルメットに装着したときの存在感もなかなかのもの。ツーリング先でちょっと自慢したくなるアイテムと言えるかもしれない。

実機はモーターサイクルショーで公開

注目の「B+COM 7X EVO」は、今後開催されるモーターサイクルショーで実機が公開される予定。

スペックだけでもかなり気になるモデルだが、やはりインカムは実物を見て触ってナンボ。モトチャンプも会場でチェックしてみたい。

026モーターサイクルショー開催日程

第42回 大阪モーターサイクルショー2026 
期間:2026年3月20日(金)、21日(土)、22日(日)
場所: インテックス大阪 2号館 小間番号B34
https://www.motorcycleshow.jp/index.html

第53回 東京モーターサイクルショー2026
期間:2026年3月27日(金)、28日(土)、29日(日)
場所:東京ビッグサイト 西4ホール 小間番号4-01
https://www.motorcycleshow.org

第5回 名古屋モーターサイクルショー
期間:2026年4月10日(金)、11日(土)、12日(日)
場所:愛知県国際展示場
https://motorcycle-show.jp/

※入場チケット等については、各モーターサイクルショーオフィシャルサイトにてご確認ください。


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