メッシュ通信×オンライン通信でツーリング会話はどう変わる?

バイク用インカムは今、大きな転換期を迎えている。
Bluetooth通話からメッシュ通信へ、そして最近ではスマートフォン回線を利用したオンライン通信まで登場。インカムは単なる通信機器から、ツーリング体験を変えるデバイスへと進化しつつある。

B+COM、Daytona、CARDO、SENA──。
各メーカーが次世代モデルを投入し始めた今、インカム業界はまさに「次世代戦争」の様相を見せている。

ツーリングの会話はどこまで自由になるのか。
主要ブランドのフラッグシップモデルを比較しながら、その進化を整理してみよう。

フラッグシップインカム比較(2026年最新版)

項目B+COM 7X EVORESO PILOT PROPACKTALK PROSENA 60S
ブランドB+COMDAYTONACARDOSENA
ブランド国日本日本イスラエル韓国
価格5万9400円(SINGLE)
11万4400円(PAIR)
予価:
4万8400円
7万9800円6万4680円(SINGLE)
11万9680円(DUAL)
通信方式B+FLEX
(メッシュ+オンライン)
DuoSync
(メッシュ+オンライン)
DMCメッシュ通信Mesh 3.0 + Wave通信
メッシュ通信
オンライン通信△(専用アプリ)
最大通話人数最大20人最大30人最大15人最大24人
通信距離実質距離制限なし(オンライン)実質距離制限なし最大約8kmWave通信で距離制限なし
Bluetooth接続
スピーカーPioneer共同開発高音質スピーカーJBL 45mmHarman Kardon
防水性能IP67IP67IP67IPX7
特徴日本装着率No.1コスパ重視世界シェアトップ通信技術が強い

※メーカー公開情報ベース

インカムは「第3世代」に突入

インカムの進化は、大きく3つの世代に分けられる。

■第1世代:Bluetooth通話

昔ながらのインカム。

特徴
・ペアリングが必要
・人数制限あり
・通信距離は数百m〜1km程度

ツーリングでは
・信号待ち
・高速道路
・山道

などで隊列が離れると通話が途切れることも多かった。

■第2世代:メッシュ通信

ここで一気に進化する。

代表ブランド
・CARDO
・SENA

特徴
・自動接続
・隊列が切れても再接続
・大人数対応

つまりツーリング向け通信として一気に普及した。

■第3世代:メッシュ+オンライン通信

そして今。

ここが次世代戦争のポイント。

代表モデル

B+COM 「7X EVO」
Daytona 「RESO PILOT PRO」

特徴

・メッシュ通信
・オンライン通信
・自動切替

つまり距離の制限をなくす時代が到来している

海外勢 vs 日本ブランド

インカム業界は大きく2つの勢力に分かれている。

海外ブランド

代表「CARDO」「SENA」

特徴

・メッシュ通信の先駆者
・世界シェアが高い
・機能先行

日本ブランド

代表「B+COM」「Daytona」

特徴
・日本のツーリング文化に最適化
・操作性
・サポート体制

つまり

海外
技術革新

日本
使いやすさ

という構図になっている。

■B+COM(ビーコム)

国内装着率No.1の定番ブランド

B+COM 7X EVO(5万2800円)

編集部おすすめポイント
日本で最もつながりやすいインカム

日本のツーリングシーンで圧倒的な装着率を誇るのがB+COM。グループツーリングでは同じブランドを使っているライダーが多いほど接続がスムーズになるため、この普及率の高さは大きな強みになる。

最新フラッグシップの7X EVOは約8年ぶりの刷新モデル。新通信システム「B+FLEX」を採用し、メッシュ通信とオンライン通信を自動で切り替える次世代インカムだ。さらにパイオニアと共同開発したオーディオチューニングにより、音楽や通話の聞き取りやすさも大きく向上している。

■DAYTONA(デイトナ)

バイク用品メーカーの新世代インカム

RESO PILOT PRO(4万9500円)

編集部おすすめポイント
新世代機能を押さえた高コスパモデル

Daytonaは長年バイク用品を手掛けてきた日本ブランド。ツーリング用品を知り尽くしたメーカーならではの視点で設計されたインカムだ。

RESO PILOT PROはメッシュ通信とオンライン通信を組み合わせた新世代モデル。スマートフォン回線を利用することで距離の制限を受けにくい通信環境を実現している。さらにマグネット式の装着システムなど、使い勝手の良さも特徴だ。

■CARDO(カルド)

メッシュ通信のパイオニア

PACKTALK PRO(約5万9000円)

編集部おすすめポイント
世界シェアトップクラスの実績

CARDOは世界トップクラスのシェアを誇るインカムブランド。独自のDMCメッシュ通信を採用し、グループ接続や再接続を自動化する通信システムで知られている。

フラッグシップモデルのPACKTALK PROは、45mmのJBLスピーカーを標準装備し、迫力のあるサウンドを実現。さらにクラッシュ検知機能や自動電源ON/OFF機能など、安全面や使い勝手を強化したモデルとなっている。

■SENA(セナ)

通信機器メーカーの技術力

SENA 60S(約6万3000円)

編集部おすすめポイント
通信技術の最先端モデル

通信機器メーカーとしてスタートしたSENAは、インカム技術に強みを持つブランド。ヘルメットメーカーとのOEMモデルも多く展開している。

最新フラッグシップの60Sは、Mesh 3.0通信とデュアルコアCPUを採用。Bluetoothやメッシュ通信を使いながら音楽やナビを同時に処理できるオーディオマルチタスクに対応する。さらにHarman KardonスピーカーやAIノイズキャンセリングにより、騒音環境でもクリアな通話が可能だ。

インカムは“距離”をなくす方向へ

現在のインカム進化のポイントは明確だ。

メッシュ通信
オンライン通信

この2つを組み合わせることで、ツーリング中の会話環境は大きく変わりつつある。特にオンライン通信を組み合わせたシステムは、従来のインカムの弱点だった“通信距離”という概念を変える可能性を持っている。

ツーリング派インカム選びのポイント

インカムは年々進化しているが、ツーリング派ライダーが選ぶときのポイントは意外とシンプルだ。ここではモトチャンプ的に押さえておきたいポイントを整理しておこう。

仲間と同じブランドを選ぶ

意外と重要なのがこれ。
グループツーリングでは同じメーカーのインカムを使っていると接続や設定がスムーズになることが多い。逆にメーカーが違うとBluetooth接続になるケースもあり、機能をフルに使えないこともある。

そういう意味でも、装着率の高いブランドを選ぶメリットは大きい。

メッシュ通信はほぼ必須

最近のインカムでは、メッシュ通信はほぼ標準装備になりつつある。
従来のBluetooth通話はペアリングが必要だったが、メッシュ通信なら自動接続が可能。グループツーリングでも接続管理の手間が大きく減る。

ツーリング派なら、この機能はほぼ必須と言っていいだろう。

オンライン通信は次世代機能

最近登場したのが、スマートフォン回線を利用するオンライン通信。
メッシュ通信と組み合わせることで、ツーリング中に隊列が大きく離れても通話が続く可能性がある。

まだ対応モデルは多くないが、今後はこの機能がインカムのスタンダードになる可能性もある。

音質と操作性も重要

インカムは通話だけでなく

・音楽
・ナビ音声

なども聞くことになる。そのためスピーカーの音質や音声処理の性能も意外と重要だ。

また、走行中はグローブをしたまま操作することになるため、ボタンの大きさやダイヤル操作など、使いやすさもチェックしておきたいポイントだ。

モトチャンプ編集部はどれを選ぶ?

正直なところ、どのインカムもかなり進化している。
ただ、モトチャンプ編集部として選ぶなら──

B+COM 7X EVO

理由は2つ。

まず、日本ブランドであること。国内メーカーだけにサポートやアフターケアの安心感が大きい。インカムは長く使う機器だけに、この点は重要なポイントだ。

そしてもうひとつが、国内での装着率の高さ。ツーリングでは同じメーカーのインカムを使っている人が多いほど接続がスムーズになるため、普及率の高いブランドはそれだけでメリットになる。

つまりB+COMは

「安心感」と「つながりやすさ」

という2つの強みを持つブランドと言える。

モトチャンプ的まとめ

最近のインカムは正直、かなり進化している。
メッシュ通信、オンライン通信、アプリ連携……機能を見ていると、おじさんライダーには少し複雑に感じる部分もある。

それでも、ツーリング中の会話環境がどんどん自由になっているのは間違いない。

そして今、インカム業界は

B+COM
Daytona
CARDO
SENA

それぞれが次世代モデルを投入する、まさに

「次世代戦争」

の真っ最中。

ツーリングの会話は、これからどこまで自由になるのだろうか。


モトチャンプ