バイクの運転免許は7タイプある

まずは、二輪免許にはどんな種類があるのかをおさらいしてみる。

二輪免許には、「原付」「小型限定普通二輪」「普通二輪」「大型二輪」があり、さらに、AT車限定の「AT小型限定普通二輪」「AT普通二輪」「AT大型二輪」の計7タイプがある。

それぞれ運転できるバイクの排気量や取得可能な年齢、高速道路(または自動車専用道路)を運転できるかなどの規定が異なるが、具体的には以下の通りになる(2026年3月末現在)。

【原付免許】
・運転できるバイク:排気量50cc以下+125cc以下の新基準原付(原付一種)
・取得可能な年齢:16歳以上
・高速道路の走行:不可

【小型限定普通二輪免許】
・運転できるバイク:排気量125cc以下(原付二種)
・取得可能な年齢:16歳以上
・高速道路の走行:不可

【AT小型限定普通二輪免許】
・運転できるバイク:排気量125cc以下(AT限定)
・取得可能な年齢:16歳以上
・高速道路の走行:不可

【普通二輪免許】
・運転できるバイク:排気量400cc以下
・取得可能な年齢:16歳以上
・高速道路の走行:可

【AT限定普通二輪免許】
・運転できるバイク:排気量400cc以下(AT限定)
・取得可能な年齢:16歳以上
・高速道路の走行:可

【大型二輪免許】
・運転できるバイク:排気量の制限なし
・取得可能な年齢:18歳以上
・高速道路の走行:可

【AT限定大型二輪免許】
・運転できるバイク:排気量の制限なし(AT限定)
・取得可能な年齢:18歳以上
・高速道路の走行:可

原付免許で運転できるバイクには、従来の50cc以下のバイクに加え、2025年4月1日からは125cc以下ながら最高出力を4.0kw(5.4PS)以下に制御した「新基準原付」も導入。これは、2025年11月から適用された新排出ガス規制に従来の50cc以下のバイクは対応が難しく、生産終了となったことで、その代替機種として登場した。

対応するモデルは、現在(2026年3月7日時点)、ホンダが「スーパーカブ110ライト」「スーパーカブ110プロ ライト」「クロスカブ110ライト」「ディオ110ライト」の計4モデル。また、ヤマハもスクーターの「ジョグワン」を2026年3月19日に発売する予定だ。いずれも、原付一種と同じ扱いになる。

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ホンダの新基準原付スーパーカブ110ライト
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ヤマハ初の新基準原付となるジョグワン

また、ここでいうAT限定の免許とは、クラッチ操作を必要としないバイク、いわゆるCVTやAT(オートマチック・トランスミッション)搭載バイク向け免許のことだ。

主にスクーター・モデルが中心だが、例えば、1833cc・6気筒エンジンを搭載する巨艦バイクのホンダ「ゴールドウイング ツアー」もAT限定大型二輪免許で運転可能。それは、独自のAT機構「DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)」の搭載により、クラッチ操作を不要としているためだ。

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ホンダ・ゴールドウイングツアー

なお、ホンダのDCT搭載車には、ほかにも「CRF1100アフリカツイン」や「NT1100」、「レブル1100」など、主に大型モデルに設定しており、いずれもAT限定大型免許にも対応する。

また、ヤマハでも、近年は自動変速機構「Y-AMT(ワイ・エーエムティ)」を搭載したモデルをリリースしている。たとえば、大型ツアラーの「トレーサー9GT+ Y-AMT」、ストリートファイターの「MT-09 Y-AMT」「MT-07 Y-AMT」などが該当する。そして、これらY-AMT搭載車も、AT限定の免許で乗ることが可能だ。

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ヤマハ・トレーサー9GT+ Y-AMT

なお、ホンダ車では、ほかにも発進から停車時までクラッチレバーとシフトペダルの操作が不要な「ホンダE-クラッチ」搭載車もある。たとえば、「CBR650R/CB650R」「レブル250/Sエディション」が該当する。また、2026年4月には、アドベンチャータイプの「XL750トランザルプ」や、ストリートファイターの「CB750ホーネット」にもホンダE-クラッチを搭載した新型モデルを発売予定で、搭載モデルが拡大中だ。

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ホンダ・XL750トランザルプ E-クラッチ
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ホンダ・CB750ホーネット E-クラッチ

これらモデルについては、基本的にマニュアル操作も可能としているためか、運転できるのはMT免許となる。レブル250/SのホンダE-クラッチ車は普通二輪免許かそれ以上、ほかのモデルは大型二輪免許が必要だ。

自動車教習所に通う場合の流れ

原付を除くバイク免許を取得するには、自動車教習所に通うか、運転免許試験場などで直接受験するいわゆる「一発試験」を受けるといった2つの選択肢がある。また、原付免許は、運転免許試験場で適性検査と学科試験に合格し、原付講習を受ければ交付されるほか、普通自動車免許を取得すれば付帯される。

それぞれ、大まかな流れは以下の通りだ。

【自動車教習所に通う場合】
学科教習・技能教習

卒業検定

適性検査・学科試験
↓*技能試験は免除
免許証の交付

自動車教習所に通う場合は、学科教習と技能教習を、後述する所定の時限で受講したのち、卒業検定に合格すれば卒業できる。その後、運転免許試験場へ出向き、適性検査と学科試験にパスすれば免許を取得できる。

一発試験に比べると、技能試験が免除されるなどで、比較的に取得しやすいのがこの方法だ。しかし、取得に必要な日時はもちろん、費用も一発試験よりもかかる傾向だといえる。

なお、自動車教習所の教習費用は、免許の種類や教習所により異なるが、教習時間の少ないAT小型限定普通二輪免許でも10万円程度かそれ以上になることも多いようだ。また、より教習時間が長い大型二輪免許では20万円を超えるケースもあるという。具体的な金額については、自分が通う予定の自動車教習所へ直接問い合わせて欲しい。

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自動車教習所では学科や技能の教習を受ける

一発試験で免許を取る場合の流れ

一発試験で免許を取る場合、主な流れは以下の通りだ。

【一発試験の場合】
適性検査・学科試験

技能試験

取得時講習・応急救護講習

免許証の交付

一発試験の場合は、運転免許試験場で適性検査や学科試験、技能試験をパスした後、取得時講習や応急救護講習を受けることで運転免許が交付される。なお、取得時講習や応急救護講習は、都道府県の公安委員会から委託を受けている指定自動車教習所で実施することが一般的だ。技能試験に受かったのち、指定自動車教習所へ予約を取り受講すると、免許証の交付を受けることができる。

この場合の費用については後述するが、自動車教習所に通う場合と比べると、比較的に安価な印象だ。ただし、とくに、技能試験の難易度はかなり高い傾向にあるようで、受験1回目で合格するケースは少ないといわれている。何度も落ちると、取得の日数や費用的にもかかってしまうので注意したい。

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一発試験の場合は、運転免許試験場で適性検査や学科試験、技能試験に合格後、取得時講習や応急救護講習を受けることで運転免許が交付される

原付免許の取り方

四輪の普通免許や二輪免許を持っていない人が、原付免許を取る場合、基本的には以下の流れになる。

【原付免許の場合】
適性検査・学科試験

原付講習

免許証の交付

原付免許の適正検査や学科試験も運転免許試験場などで受ける。学科試験の時間は30分で、文章問題とイラスト問題がある。全48問あり、50点満点中45点以上(90%以上)が合格ラインだ。合格後の原付講習では、実際に原付バイクを運転するため、長袖や長ズボン、運動靴など、バイクの運転に適した服装を準備しておく必要がある。

教習所の教習時間は受ける免許で異なる

自動車教習所に通う場合、学科教習や技能教習の教習時間は免許の種類によって異なる。また、すでに免許を持っているかどうかでも変わってくる。以下は、「免許なしまたは原付免許のみ」の場合と、クルマの「普通自動車免許を持っている」場合の例を紹介する。ちなみに、クラッチ操作の不要なAT限定免許は、同じ条件でも、比較的に技能教習の時間は短くなる傾向だ。

【小型限定普通二輪免許】
・免許なし/原付免許のみを持っている場合

学科教習:26時限 技能教習:12時限

・普通自動車免許を持っている場合

学科教習:1時限 技能教習:10時限

【AT小型限定普通二輪免許】
・免許なし/原付免許のみを持っている場合

学科教習:26時限 技能教習:9時限

・普通自動車免許を持っている場合

学科教習:1時限 技能教習:8時限

【普通二輪免許】
・免許なし/原付免許のみを持っている場合

学科教習:26時限 技能教習:19時限

・普通自動車免許を持っている場合

学科教習:1時限 技能教習:17時限

【AT限定普通二輪免許】
・免許なし/原付免許のみを持っている場合

学科教習:26時限 技能教習:15時限

・普通自動車免許を持っている場合

学科教習:1時限 技能教習:13時限

【大型二輪免許】
・免許なし/原付免許のみを持っている場合

学科教習:26時限 技能教習:36時限

・普通自動車免許を持っている場合

学科教習:1時限 技能教習:31時限

【AT限定大型二輪免許】
・免許なし/原付免許のみを持っている場合

学科教習:26時限 技能教習:29時限

・普通自動車免許を持っている場合

学科教習:1時限 技能教習:24時限

上記は一般的な教習時間の例だ。また、受講できる一日あたりの教習時間なども、教習所や本人のスケジュールなどによって異なるため、実際に卒業できるまでの日数はさまざまとなる。とくに、一般的な教習所に通う場合と、短期日程で実施するいわゆる合宿免許に行く場合でも違ってくるので、詳しくは、これも、自分が通う予定の自動車教習所へ直接相談してみて欲しい。

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自動車教習所では、免許なしまたは原付免許のみの場合や、クルマの普通自動車免許を持っている場合など、いろんなパターンで教習時間が変わる

マイナ免許証の導入で免許の手数料も変更

一発試験を受ける場合や、自動車教習所の卒業後に受ける学科試験、原付免許を取得する場合など、免許証の交付に関しては、運転免許試験場などで手数料を払う必要がある。

とくに、2025年3月24日からは、マイナンバーカードと免許証が一体となったマイナ免許証が導入。所持できる免許について、「従来の免許証」「マイナ免許証」「従来の免許証+マイナ免許証の2枚持ち」といった3つの方法を選べることもあり、手数料が変更されている。

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マイナ免許証については、「従来の免許証」「マイナ免許証」「従来の免許証+マイナ免許証の2枚持ち」といった3つの方法が選べる

主な料金は以下の通りだ(すべて新規取得の場合)。

【一発試験の場合】
・受験料:2800円
・試験車使用料:1750円
・免許証交付料:従来の免許証2350円/マイナ免許証1550円/2枚持ち2450円
*合計6100円〜7000円

なお、合格後の取得時講習と応急救護講習の受講料は以下の通りだ。

・大型自動二輪免許(AT限定含む):1万8450円
・普通自動二輪免許(小型限定やAT限定含む):1万8150円

【教習所を卒業し学科試験を受ける場合】
・受験料1850円
・免許証交付料:従来の免許証2350円/マイナ免許証1550円/2枚持ち2450円
*合計3150円〜4300円

【原付免許の場合】
・受験料:1600円
・免許証交付料:従来の免許証2350円/マイナ免許証1550円/2枚持ち2450円
*合計3950円〜4050円

なお、合格後の原付講習料は5250円

受験できる年齢や場所にも注意

バイク免許を取得できる年齢は、前述の通り、基本的には16歳以上だ。ところが、大型二輪免許(AT限定含む)のみは18歳以上になるので注意したい。

また、一発試験や原付免許の試験、自動車教習所を卒業後の学科試験などについては、自分が居住する都道府県にある運転免許試験場に行かないと受け付けてもらえない。

ちなみに、試験場では視力など簡単な適正検査もあり、この検査で不適性とみなされると免許交付の資格を与えられない。ほかにも、受検資格には過去に取消処分など(初心取消を除く)を受けた人は、受験前1年以内に取消処分者講習を受講し、かつ、欠格期間経過後でなければ受験できないという決まりもある。これらの点にも十分に注意してバイク免許に挑んで欲しい。

初めての二輪免許なら教習所がおすすめ

以上から、ひとことでバイク免許を取るといっても、方法はさまざまあることが分かると思う。また、前述の通り、一発試験は非常に難しいため、初めて二輪免許を取得しようと考えている人は、まず自動車教習所に通うことをおすすめする。

なお、初めてバイクの免許を取る人でも、いきなり大型二輪免許を取得することは、一発試験、教習所共に基本的に問題ない。ただし、大型二輪免許で運転できる400cc以上の大型バイクは、車体が重く、パワーもかなり出ている。そのため、個人差や年齢差もあるが、バイクの運転に慣れていない初心者などには比較的ハードルが高い傾向だ。

そして、そうした理由により、とくに、自動車教習所に通う場合、まずは普通二輪免許や小型限定普通二輪免許など、より難易度が低いバイクの免許を取得することをすすめる教習所もある。より難易度が高い大型二輪免許を取る前に、バイクの操作などに十分慣れるためだ。この点については、各自動車教習所により方針も違うため、具体的には自分が通う予定の教習所に問い合わせてみて欲しい。

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バイクの免許を初めて取る場合は教習所に行くことをおすすめする

また、そのほかの上記内容も、あくまで一般的なバイク免許についての説明だ。教習所などによっては、内容が異なる場合があるので、具体的な不明点や気づいた点などは、自動車教習所や運転免許試験場などに直接確認して頂きたい。