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ベントレー100年車史

Batur

究極のW12エンジンを表現

2022年のべブルビーチ・コンクール・デレガンスでベントレーがマリナーによる“コーチビルド”シリーズの2作目として発表したのが「マリナー・バトゥール」である。

生産台数18台、基本新車価格165万ポンド(当時のレートで約3億万円)以上というバトゥールは、一見2020年に登場した「バカラル」のクーペバージョンと見えるかもしれない。しかしながらチーフテクニカルオフィサーのポール・ウィリアムズが「バトゥールはW型12気筒エンジンの究極の表現です」というように、その本質はノーズに積まれたW12エンジンにある。

実はこのバトゥールのお披露目の少し前、ベントレーは20年にわたりベントレーを支え続けてきたW型12気筒エンジンの生産を、2024年4月をもって終了することを正式に発表していた。バトゥールはいわば、その有終の美を飾るためのスペシャルとして企画されたものだった。

バカラルと共用部分は皆無

「最後のW12」というべき、ノーズに収まるW型12気筒DOHCツインターボ・エンジンは排気量こそ、従来と同じ6.0リッターのままながら、タービンの大型化、インテークの拡大、マッピングの変更、そしてインタークーラーの大幅な増強など全体の冷却効率を35%向上させたことで、最高出力750PS、最大トルク1000Nmと歴代最高のスペックを記録。エキゾーストシステムもベントレー初の3Dプリンターを使ったチタン製が採用されている。

その強大なパワーを受け止めるために8速DCTを強化しているほか、シャシーもベースとなったコンチネンタルGTスピードに対してリヤのトレッドが左右10mmずつ拡大されているほか、カーボンセラミックブレーキを標準装備するといった対策が採られている。それ以外に関しては特別な補強を施されることもなく、全輪ステアのエレクトリック・オールホイール・ステアリング、エレクトリック・リヤ・デファレンシャル(e-LSD)、48Vシステムのベントレーダイナミックライドなど、「GTスピード」にも採用されたデバイスが搭載されている。

また、アンドレア・ミンドのもとトビアス・シュールマンが手がけたエクステリアも、ウイングドBを組み入れた大きなフロントグリルを挟む切れ長のヘッドライト、V字型に切れ込むウイングのようなバンパーラインなど、敢えてバカラルとは対称的なデザインとなっている。それに伴い、前後フェンダー、ドア、テールランプ、リヤディフューザーなどあらゆる部分が専用デザインとなっており、「コンチネンタルGT」はもちろん、バカラルとも共用している部分はない。

積極的にサステナブル素材を投入

一方、アンドリュー・ハートバロンの手によるインテリアは完全2シーターで、基本的なデザインはバカラルを踏襲したものとなっていたが、ステアリングは専用デザインのものが奢られている。

このバトゥールのインテリアで特筆すべきは、キャビンにスコットランド産の低炭素レザー、イタリア産のなめし革、人工皮革のダイナミカ、そして綾織とサテンラッカーで仕上げたナチュラルファイバーが奢られているほか、センターコンソールには古いジュエリーからリサイクルした18Kイエローゴールドを3Dプリンターで加工したセレクターが使われるなど、サステナブルな素材を積極的に取り入れていることだ。

さらに生産型では採用に至らなかったが、プロトタイプの過程ではボディパネルにカーボンファイバーではなく、綾織とサテンラッカーで仕上げたナチュラルファイバーを試用。さらにグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでは、通常のガソリンと比較してCO2排出量を85%削減できるEN228規格に対応した第2世代バイオ燃料を使用してデモランを行うなど、当時ベントレーが掲げていたビヨンド100に基づくサステナブル技術も積極的に試されていた。

16台限定で「バトゥール・コンバーチブル」も

2022年に発表された時点で、用意された18台すべてが完売状態だったバトゥールだが、2024年には16台限定で、新たに「バトゥール・コンバーチブル」を発売。750PSのW12エンジンなど、その基本内容はクーペと同様だが、リヤにはオープン化に伴いかつてのバルケッタスポーツカーを彷彿とさせるエアブリッジと後部のテーパードカウルを装備。また断熱材、シーリングシステムの改良、音響処理の組み合わせにより、わずか19秒で展開または収納できるコンバーチブルルーフを装備している。

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