3代目まではコレクターズアイテムで、初代は博物館級

メルセデス・ベンツ「SL」は、一級のオープンスポーツカーでありつつ、三國連太郎や石原裕次郎などの大物芸能人も惹きつけてきた華を備えている。成功者のステータス的な役割も担ってきた、メルセデス・ベンツの中でも別格といえる存在だ。

初代は一般には出回らない超が付くコレクターズアイテム、いや、博物館レベルだ。2代目は1500万円級で出回ることもあるが、初代と比べれば現実的といえる。しかし、物件数は極端に少ない。1971年から1989年までの長寿モデルとなった3代目もコレクターズアイテムであることは変わらず、流通量は少ない。

2001年の5代目以降がより現実味のある選択肢に

現実味を多少なりとも増してくるのが4代目だが、国内の流通量は30台程度にとどまっている。2001年10月登場、2011年まで発売された5代目も流通量は少ないものの、世代的にもより現実的といえるだろう。5代目は、5.0リッターV8を積む前期型の「SL500」から導入された。電動ハードトップである「バリオルーフ」は、約16秒で開閉可能(走行中の開閉は不可)。そのほか、バリエーションは3.7リッターV6を積む「SL350」、後期型で5.5リッターV8を積む「SL550」、5.5リッターV12エンジンを戴く「SL600」と多彩だ。
さらにAMGモデルでは、前期から中期の「SL55 AMG」は、5.5リッターV8スーパーチャージャーを搭載し、500PSを超えるハイパフォーマンスでF1のセーフティカーも務めた。6.0リッターV12ツインターボエンジンを積む「SL65 AMG」がある。

2006年のマイナーチェンジ(後期型)で、「SL350」は新世代の3.5リッターV6エンジンを搭載したほか、先述のように「SL550」の5.5リッターV8エンジンも新世代に移行している。
現在は2003年式、2004年式を中心に150万〜200万円程度でも手に入る。エンジンは3.7リッターもしくは3.5リッターの「SL350」が多く、5.0リッターを積む「SL500」もわずかに流通している。
5代目SLの要注意ポイントは「バリオルーフ」

5代目SLの購入時の注意ポイントは、なんといっても電動ハードトップである「バリオルーフ」のトラブルで、油圧系(オイル漏れ)が定番となっている。ほかにも、前期型はSBC(電気油圧式ブレーキ)のトラブルもよく知られている。そのほか、「SL500」は油圧式のアクティブサスペンションの故障も多い。いずれも20万〜50万円級の修理代がかかるケースもあり、要注意だろう。
2012年3月発売の6代目になっても中古車流通量は30台前後と、それほど変わっていない。オールアルミモノコックボディや電動ハードトップの「バリオルーフ」が採用されたほか、「SL63」には「マジックスカイコントール」を用意。5代目よりも大幅な軽量化と高剛性化が図られ、一気にスポーツカーとしての資質を高めた感がある。

パワートレインは、時代に要請に従いダウンサイジング化を果たしている。3.5リッターV6の「SL350」、3.0リッターV6ターボの「SL400(後期型)」、4.7リッターV8の「SL550」を用意。AMGは5.5リッターV8を積む「SL63 AMG」、6.0リッターV12の「SL65 AMG」を設定した。
シャーシは、最新の電子制御サスペンションが搭載され、後期型にはダイナミックカーブ機能が加わり、フラットライド感を増している。インテリアには、「COMANDシステム」や首元温風である「エアスカーフ」などが搭載された。

5代目よりも新しいだけにトラブルはかなり減っている模様だが、バリオルーフや「アクティブボディサスペンション(ABC)」は、6代目でも注意したいポイントになる。
現在最も多いのは2013年式で、350万円以下がボリュームゾーンになっている。また、6代目SLは、走行距離5万km以下の個体が多く、700万円以上の個体もあるが、平均価格は450万円を切っていて、比較的リーズナブルに乗れる世代といえる。

7代目SLは、2022年10月に上陸。ソフトトップ化、AMG専売モデルになるなど変革の世代だが、中古車流通量はまだまだ少なくこれから。現在は5代目、6代目から選択するのが現実的で、信頼性を考えると6代目がベストチョイスといえる。

