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お得に輸入中古車選ぶなら

予算を600万円以下にしたワケ

2012年式の「G 350 BLUETEC (W463) 」
2012年式の「G 350 BLUETEC (W463) 」

「メルセデス・ベンツ Gクラス」「レンジローバー」といえば、クロカン4WDや本格オフローダー、超高級SUVなどと呼ばれるジャンルで輸入車版の王者といえる存在だ。今回、予算の縛りを600万円という中途半端な額に設定したのにはもちろん理由がある。Gクラスの中古車価格が比較的高く、キリがいい予算500万円とすると、あまり流通していないため。600万円にすればそれなりに選択肢は増えるのだ。一方のレンジローバーは、100万円台から出回っていて、輸入本格オフローダーの王者でも中古車市場の価格帯は大きく異なっている。

初代Gクラスのバリエーション
初代Gクラスのバリエーション

中古Gクラスを探すのなら2代目の「W463」型が対象

2代目Gクラス(G 350 d Professional )
2代目Gクラス(G 350 d Professional )

1979年に誕生したGクラス(初代はW460型)は、1990年に2代目にスイッチし、2018年にフルモデルチェンジに近いビッグマイナーチェンジを受けている。

現行型の型式は、ビッグマイナーチェンジ前が「W463」型で、大幅改良後が「W463A」型となった。2024年のマイナーチェンジ(フェイスリフト)を機に「W465」型に変わっている。ここでは分かりやすくするため、2018年のビッグマイナーチェンジモデル(W463A型)を3代目と表記する。

初代である「W460」型は、ヤナセによる日本への正規輸入台数が公表されていないため、そもそも新車でどれくらい入ってきたのかも分からない。並行輸入も含めてもそれほど多くはないはず。中古車市場にもほとんど出回っていない模様で、出ても1年に数台あれば多い方かもしれない。

2010年3月発売のメルセデス・ベンツGクラス

1990年1月〜2018年5月に販売された2代目の「W463」型になると、現実味が大きく増す。現在、予算600万円で中古Gクラスを探すのなら2代目の「W463」型が対象となる。

約28年間という長寿モデルとなった2代目は、パワートレインやグレードの変遷が多岐にわたっている。ボディタイプは「5ドアロング」が主流だが、「3ドアショート」のほか、2ドアと電動ソフトトップの「カブリオレ」という変わり種もある。

2018年6月発売のメルセデス・ベンツGクラスのリヤビュー
2018年6月発売のメルセデス・ベンツGクラスのリヤビュー

パワートレインは、ガソリン、ディーゼル、そしてAMG向け高出力ガソリンがある。初期は直列6気筒で、中期がV6、後期はダウンサイジングターボという流れだ。ガソリンは3.0リッター直列6気筒の「300GE」、3.2リッター直列6気筒の「G320」、5.0リッターV8の「G500」、5.5リッターV8の「G550」、2016年以降の4.0リッターV8ターボの「G550」。ディーゼルは、3.0リッターV6ターボの「G350d」で中古車で最も多い。「G350ブルーテック」もそれなりに流通している。ハイパフォーマンス版であるAMG系は、「G55」が5.4リッターV8、「G63」が5.5リッターV8、「G65」が6.0リッターV8を積む。

Gクラスの要注意ポイント

2018年6月発売のメルセデス・ベンツGクラスのインパネ

トランスミッションは、時代とともに4速から5速、7速へと多段化され、ギヤ数が多いほど変速フィールや燃費などの利点を享受できる。一方で、7速AT(7Gトロニック)はトラブルと無縁とはいえないため要注意だろう。

さらに、お馴染みともいわれているパワーウインドウが“落ちてしまう”トラブルをはじめ、足まわりや駆動系のほか、Gクラスに限らないものの、輸入車に比較的多い電装系もチェックポイントになる。そのほか、高年式でも錆が進行しやすいようで、細部までチェックしたい。

中古車市場で最も多いのが「G500 ロング」だ。「G350ブルーテック」、「G350d」も現実味はあるものの、「G320」は少ない。ガソリンにするか、ディーゼルにするかは、乗り方や好みによるが、実用燃費を重視するのならディーゼルが無難かもしれない。

予算600万円以下で最も多い年式は、2012年以前で、2015年式、2014年式と続いている。走行距離は比較的長い個体が多く、10万〜15万km、5万〜7万km、7万〜9万kmと続く。Gクラス特有といえるのが、走行距離を重ねていても高値を付けている個体も多い点で、走行距離だけを見てもあまり意味がないかもしれない。

レンジローバー・クラシックも流通しているが……

レンジローバー・クラシックのイメージ
レンジローバー・クラシックのイメージ

ランドローバーの最上級モデルであるレンジローバーは、1970年誕生の初代「レンジローバー・クラシック」から始まり、1994年の2代目、2002年の3代目、2013年の4代目、2021年の5代目と代を重ねている。Gクラスよりもモデルライフ(モデルサイクル)は短く、世代もより多く重ねてきた。

初代は、ネオクラシックとしての価値が非常に高く、海外でも人気だ。日本には1990年にローバージャパンにより「ヴォーグ SE」が導入された。1992年にはロングホイールベース版の「バンデンプラ」が上陸している。中古車としても20台前後流通していて、走行距離15万km程度であれば、予算600万円以下でも手に入るが、整備費用は別途織り込む必要があるだろう。整備済みだとこの予算だと届かないかもしれない。

2代目レンジローバーはBMW傘下に

1994年登場の2代目レンジローバー
1994年登場の2代目レンジローバー

BMW傘下で登場した2代目は直線基調のデザインが目を惹く。4.0リッター、4.6リッターのV8ガソリンに加え、BMW傘下だったことからBMW製の2.5リッター直列6気筒ディーゼルターボも設定されている。

電装系を一括管理する「BeCM(ボディ・エレクトリカル・コントロール・モジュール)」の搭載がトピックス。電子制御エアサスペンションによる乗り心地への評価も高い反面、「BeCM」やエアサス、エンジンの冷却系などのトラブルも多いようだ。2026年3月末時点の中古車平均価格は200万円前後で、お得という意味ではぴったりだが、内装のべたつきなども要注意だ。信頼性を考慮すると1999年以降の後期型が狙い目だ。

3代目レンジローバーもリーズナブルだがトラブルに注意

3代目レンジローバーの走り

3代目の親会社は、BMWからフォード、現在のタタ・モーターズと変遷してきたが、乗り心地の良さなどから最高傑作の呼び声も高い。モノコックボディ(インテグレーテッドボディフレーム)と4輪独立懸架+電子制御エアサスペンションに進化し、高級路線にスイッチした。

エンジンは、前期型がBMW製の4.4リッターV8、中期型がジャガー製の4.4リッターV8と4.2リッターV8スーパーチャージャー、後期型はジャガー製5.0リッターV8、5.0リッターV8スーパーチャージャーなどを搭載した。

3代目の中古車流通量は、それほど多くはない。しかし、200万円程度の平均価格となっている。世代を問わず共通するエアサスペンション車のトラブルやエンジン冷却系などに注意を払いたい。

レンジローバーで最も現実的なのは4代目

4代目レンジローバー
4代目レンジローバー

台数が一気に増えるのがオールアルミ製モノコックの4代目で、平均価格は650万円程度だ。今回の予算でも収まる個体も揃っている。570万円未満、2013年式を中心に、前期から中期型が多くなっている。

注意点は、アルミボディの修復歴や冷却系、定番のエアサスペンションなどだ。5.0リッターV8、3.0リッターV6スーパーチャージャー(スーパーチャージド)を搭載する個体の選択肢が多い。

4代目レンジローバーのインテリア

Gクラスは軍用をルーツに持ち、レンジローバーは、農耕やレスキュー、ハンターなどのニーズから生まれた本格オフローダー。ジャンル分けでは同じになることも多いが、乗ってみると質実剛健のGクラス、最近の世代は高級SUVらしい快適性が堪能できるレンジローバーとキャラクターの差は思いのほか大きい。

圧倒的な静粛性と乗り心地の一方で、ランドローバーが誇るオフロード性能も兼ね備えるレンジローバー。

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