正直、これは反則だ。
会場でこの一台を見た瞬間、時間が少し巻き戻る。
CUB HOUSEが大阪モーターサイクルショーに展示したモンキー125カスタムは、いわゆる“4Lモンキー”の記憶をそのまま呼び起こす存在だった。
ただのレトロではない。“あの頃の空気”まで含めて再現している。
4Lモンキーという、モトチャンプの大好物

Z50J、通称4Lモンキー。
この名前に反応する人間なら、もうそれだけでグッとくるはずだ。
もともとモンキーは“持ち運ぶレジャーバイク”として生まれた存在だった。
コンパクトに折り畳んでクルマに積み込み、空き地や河原で遊ぶ。そんな使い方が前提の乗り物である。
だが1974年に登場したZ50Jは、その性格を大きく変える。
リジットだったリヤ周りにサスペンションを備えたスイングアームを採用し、ホイールベースを延長。車体サイズも一回り大きくなり、“持ち運ぶバイク”から“走って楽しむバイク”へと進化した。
燃料タンクも4Lへと拡大され、目的地まで自走することを前提とした設計に。
ブロックパターンタイヤや高めに配置されたフェンダーなど、当時流行していたトレール的なスタイルも取り入れられている。
つまり4Lモンキーは、“遊具の延長”だったモンキーを、“一台のバイク”へと引き上げたモデルなのだ。
さらに重要なのが、その後の広がり。
前後サスペンションの採用によってフレーム剛性が高まり、カスタムやチューニングのベースとして一気に人気が拡大。レーシングパーツから外装キットまで多くのショップやメーカーが参入し、4MINI文化の礎が築かれていく。
小さな車体に、無限の自由。
4Lモンキーは“走る楽しさ”と“いじる楽しさ”を教えてくれた存在だ。
だからこそ、いま見ても特別。
そして、だからこそ今回のCUB HOUSEのカスタムは刺さる。
真似したくなる、それが簡単に真似できちゃう!

その4Lモンキーの空気感を、現代のモンキー125で成立させる。
言葉にすると簡単だが、実際にやるのは相当難しい。
フラットで薄いシート、水平に伸びるシルエット、クラシカルな色使い。
どれも要素としてはシンプルだが、組み上げ方が絶妙だ。
本来はボリュームのあるモンキー125が、不思議とひと回り小さく見える。
この“錯覚”まで含めて作り込んでいるのが、このカスタムの凄みだろう。
さらに、GクラフトやSP武川といった4MINI界の老舗ブランドと連携し、CUB HOUSEオリジナルパーツも展開。その一部は専売品として用意される予定だ。
そしてそこにホンダというメーカーの信頼感が加わることで、このカスタムは一段上の完成度に引き上げられている。
モンキー好きなら気になるタンク事情
この車両のキモとも言えるタンク周り。
あの4Lモンキーを思わせるカラーリングは、塗装済みタンクにデカールを組み合わせて仕上げたものだ。
現状はCUB HOUSEからデカールキットのみの販売が予定されており、再現するには自分で塗装ベースを用意する必要がある。
……いや、それはわかる。わかるんだけど。
正直、あの仕上がりを見てしまうと「完成タンクごと売ってほしい」と思うのが本音だ。
塗装って、簡単じゃない。
だからこそ、この完成度をそのまま手に入れられたら──と、つい期待してしまう。
懐かしさで終わらせない、“いまの4Lモンキー”
このスタイルが“手に入る”というのも大きなポイントだ。
パーツ単体の展開に加え、ショップでの組み付けや、車両購入時に装着した状態での納車にも対応していくという。
つまり、この世界観をゼロから作る必要はない。
最初から完成された4Lモンキー的スタイルを、自分のものにできる。
懐かしいだけじゃ意味がない。
乗れて、使えて、ちゃんと楽しめるからこそ価値がある。
“いま買える4Lモンキー”──
そう言い切れる説得力が、この一台にはある。
ディテールチェック!





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