3.0リッター直6の「S500」と4.0リッターV8の「S580」を比較

「W223」型の現行「メルセデス・ベンツ Sクラス」は、約8年ぶりに全面改良を受けて、2021年1月に日本に上陸した。2026年1月にドイツ本国でビッグマイナーチェンジを受け、最新版に変わったばかりだが、過去の経緯からすると日本発売は2026年後半から2027年頃になるかもしれない。
つまり現在販売中のSクラスは、W223の前期型になる。モデル末期に差しかかっているが、依然として世界最高レベルのセダンであることは間違いない。
今回は1683万円の「S 500 4MATIC(ISG)」と1936万円の「S 580 4MATIC(ISG)」を比べてみた。メルセデス・ベンツの各モデルは、先進安全装備を中心にグレードによる装備差が少ない印象だが、実際はどうだろうか?

まずパワートレインだ。S 500は3.0リッター直列6気筒ツインターボガソリンを積み、エンジンスペックは最高出力330kW(449PS)、最大トルク560Nmで、WLTCモード燃費は11.1km/Lとなる。一方のS 580は、4.0リッターV型8気筒ツインターボガソリンを搭載し、S 500をやや上回る370kW(503PS)と700Nmだが、その分WLTCモード燃費は9.1km/Lで控えめだ。

先進安全装備は、メルセデスらしくグレード差はほとんどない。衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロール(ACC)、自動ブレーキが介入するブラインドスポットモニター、ブレーキ制御で車線内に戻すレーンキープコントロールなどからなる「レーダーセーフティパッケージ」を標準装備。シートベルトの自動テンションやウインドウとサンルーフの自動クローズ機構などまでカバーする「PRE‑SAFE」は、両モデルともにオプション設定(S 450 d 4MATIC ISGのみ未設定)だ。
外観と足まわりの違いは?

外観では、フロントスポイラーやサイドスカート、リヤディフューザーなどがハイグロスブラックになる「ナイトパッケージ」がS 580にオプション設定なのに対してS 500は未設定だ。
足まわりは「AMGラインパッケージ」の有無で変わる。S 500は同パッケージを選択しないと19インチアルミホイール(77R)が標準で、AMGラインパッケージを選択すると20インチAMGアルミホイールになる。
S 580はAMGラインパッケージと「21インチAMGアルミホイール」を非選択時は、19インチアルミホイール(10R)が標準となるが、AMGラインパッケージを選択すると20インチAMGアルミホイールになるのは同じだ。
S 580は、ハイグロスブラックの「RWK」とハイグロスブラック/ハイシーン(光沢カット)仕上げの「RWN(AMGラインパッケージの同時装着が必須)」の21インチAMGアルミホイールを選択できるのもS 500と異なる。

そのほか、「パノラミックスライディングルーフ」はS 580に標準、S 500はオプション。つまり、足元も含めた外観の拡張性(豪華さ)を求めるのなら「S 580」となる。
インテリアの違いをチェック

シートはS 500が本革シートが標準で、「レザーエクスクルーシブパッケージ」を選択すると、ナッパレザーが標準になる。ステアリングはS 500の場合、AMGラインパッケージ非選択時は本革になり、選択すると本革巻ウッドになる。S 580は上級のナッパレザーが標準だ。
S 580のステアリングは、「MANUFAKTUR(マニュファクトゥーア)オープンボアウォールナットウッドインテリアトリム」を選択し、かつAMGラインパッケージ非選択だと本革ステアリングになる。MANUFAKTURオープンボアウォールナットウッドインテリアトリム非選択時は、本革巻ウッドステアリングになる。両方とも選択すると、本革巻スポーツステアリングになる。なお、上記のステアリングはすべてナッパレザーだ。

S 580の「レザーエクスクルーシブパッケージ」は、ルーフライナーがスエード調の「MICROCUT(マイクロカット)」になり、非選択時はファブリックルーフライナーが標準。S 500はMICROCUT(マイクロカット)の選択は不可で、ファブリックのみとなる。

トランクの保護パーツである「ロードシルプロテクター」は、両グレード標準だが、S 580はレザーエクスクルーシブパッケージを選択すると、クロームの「トランクフロアハンドル」が標準になる。
そのほか、S 580には、漆黒ピアノのような光沢パネルに、白いラインが流れるように配される「MANUFAKTURピアノラッカーフローイングラインインテリアトリム」がオプション設定されている。

後席は、ふかふかの専用クッションが付く「ラグジュアリーヘッドレスト(後席左右)」がS 580に標準でS 500はオプションになる。後席左右の「メモリー付パワーシート」はS 580に標準、S 500はオプションで装備される。
快適装備の差は大きい

快適装備では、両グレードともに前席左右独立式オートエアコンが標準になり、後席のクライメートコントロールはオプションになる。S 580は前席両側に「シートヒータープラス」、「シートヒーターを含むシートベンチレーション」を前席両側と後席両側に標準装備。前後席の「アームレストヒーター」もS 580は標準になる。
S 580には、前席両側にマッサージ機能やアクティブサイドサポート機能が付く「アクティブマルチコントロールパッケージ」を標準装備する(S 500はオプション)。
S 500は「ベーシックパッケージ」非選択時でも前席両側のシートヒーターが標準になるものの、上記の「後席シートヒーター」や「シートヒータープラス」「シートヒーターベンチレーション」は、オプションもしくは「ベーシックパッケージ」や「リヤコンフォートパッケージ」を選択する必要がある。

空調管理と香りを楽しむ「エアバランスパッケージ」「アクティブアンビエントライト」、エアコンやマッサージさらに香りや照明および音楽などをプロミラングした「エナジャイジングコンフォートパッケージ(フロント)」がS 580に標準、S 500はオプションになる。
「MBUXインテリア・アシスタント」の有無

インフォテイメントシステムでは、音声操作に加えて、ジェスチャーや身振りなどの動きを読み取り、先回りして各機能を実行する「MBUXインテリア・アシスタント」をS 580に標準化している。なお「ARナビゲーション」は全車標準。
オーディオではS 580に31スピーカー/1750Wの「Burmester(ブルメスター)ハイエンド4Dサラウンドサウンドシステム」を標準で用意。S 550は4Dが未設定になるが、15スピーカー/710Wの「Burmester3Dサラウンドサウンドシステム」が標準装備になる。4Dは前後、左右、高さの3Dに加え、シート振動を加えた身体で直接感じる最上級オーディオだ。
S 500とS 580最大の違いは、当然ながらパワートレインだ。先進安全装備の差はほとんどないが、内外装や快適装備を中心に標準装備とオプションの差は思いのほかある。後席を含めた快適性も重視するのならS 580が適任であり、前席2人までの乗車であればS 500でも十分といえる装備を用意している。


