とにかく見てほしい、このスタイリング

まず目を奪われるのが、その圧倒的なスタイリングだ。スーパースポーツを思わせるシャープなフロントマスクに、マッシブなボディライン。スクーターという枠を軽く飛び越えてくる迫力がある。

正直に言ってしまうと、「こんなスクーター、待ってた」。この一言に尽きる。単なる移動手段ではなく、走りを楽しむための一台。そんな意思が、見た目だけでしっかり伝わってくる完成度だ。

コンパクトに見えて実はしっかりとしたボリューム感。ストリートでも存在感を放つスタイルが魅力となっている。

見た目以上に、実用もできる!

このモデルの面白いところは、見た目のインパクトだけで終わらないことだ。

シート下スペースは、外観から想像するよりも明らかに余裕がある。日常使いを考えても不満の出ない容量で、実用性もしっかり確保されている。

そして気になるのが燃料タンク容量。インドネシア仕様のスペックをベースにすると約5.5Lとされており、WEB上で見かける「4.6L」という数値は旧型モデルのデータ。現行モデルでは容量が拡大されており、航続距離の面でもしっかり進化している。

では実際どれくらい走れるのか。同型のエンジンを搭載するヤマハ NMAX155はWMTCモードで46.4km/L前後。
多少の違いがあったとしても、約250km前後の航続距離が見込める計算だ。日常使いはもちろん、ちょっとしたツーリングにも十分対応する現実的な数値と言える。

実際に跨ってみると、足つきも想像以上に良好だった。ステップボードにも窮屈さはなく、足の置き場に困ることもない。見た目の“攻め”に対して、乗り味はむしろ自然で扱いやすい。このバランスはかなり印象的だ。

タイトに見えるステップボードだが、またがってみると、思ったよりも足に窮屈感はなかった。ぜひ会場で試してみてほしい。

スクーターの常識を変えるYECVT

そして、このモデルを語るうえで外せないのがYECVTだ。

一般的なスクーターのCVTは、車速や負荷に応じて自動的に変速比を変える仕組みだが、YECVTはそこに電子制御を介入させることで、ライダーの意思に合わせて変速特性をコントロールできるのが最大の特徴となる。

左ハンドルのスイッチでシフトダウン操作が可能となり、任意のタイミングで減速側に振ることでエンジンブレーキを積極的に使える。従来のCVTでは難しかった“減速のコントロール”を手に入れているわけだ。

実際に本誌でヤマハ NMAX155をテストした際も、この機構の効果は明確だった。シフトダウンを使えばリヤタイヤに引っ張られるような安定した減速が得られ、コーナー進入が自然に決まる。そこからアクセルを開ければ、低中速トルクが一段階引き上げられたかのような鋭い立ち上がりを見せる。

さらにTモードとSモードの切り替えによって、穏やかな走りとスポーティな走りをシーンに応じて使い分けられるのも特徴だ。市街地では滑らかに、ワインディングでは積極的に走れる。この振り幅の広さも、従来のスクーターにはなかった魅力と言える。

つまりYECVTは、単なる快適装備ではない。スクーターに“操る楽しさ”を持ち込んだ、新しい走行デバイスだ。

このフィーリングは、同じ機構を採用するエアロックス155にも確実に通じるはずだ。あの攻めたスタイリングと組み合わさったとき、どんな走りを見せるのか。期待が膨らむポイントでもある。

コンパクトにまとめられたエンジンユニット。力強い加速と扱いやすさを両立するNMAX155と同型の最新ブルーコアエンジンを搭載するが、スペックは多少違いがあるかもしれない。

東京で見る価値がある一台

このエアロックス155は、写真だけではなかなか伝わりきらない。

実車は想像以上にサイズ感があり、リア周りの迫力もかなりのもの。シート下の使い勝手や、跨ったときの自然なポジションも含めて、実際に触れてこそ魅力が見えてくるタイプのバイクだ。

東京モーターサイクルショーに足を運ぶなら、ぜひ現地でチェックしてほしい一台である。

詳細チェック!

サイドビューからも分かるマッシブな車格。前後のバランスがよく、走りの安定感を予感させるスタイリングに仕上がっている。
鋭く切れ上がるカウル形状と張り出したリア周りが印象的。スポーツ性を強く意識したデザインが際立つ一台だ。
デュアルアイ風のフロントフェイスは迫力十分。シャープなLED構成で、見る者に強いインパクトを与える顔つきだ。
段付き形状のシートはスポーティさと実用性を両立。タンデムにももちろん対応しているが、スポーツに振り切っているので、快適ではないだろう。
リアまわりは引き締まったデザイン。コンパクトなテールランプとウインカー配置が軽快な印象を強めている。
リザーバータンク付きのリヤショックがスポーティさを強調。NMAX155とも差別化されている。
左ハンドルにはYECVT操作系を集約。シフトダウンボタンなどが配置され、操作性にも配慮された設計だ。
視認性に優れるデジタルメーター。Yコネクトによりスマホ連携が可能だ。
シート下スペースは狭いかと思ったら…思ったよりも容量あり。フルフェイスがギリギリ入るかな……。
140幅のワイドなリアタイヤが生み出す迫力ある後ろ姿。路面をしっかり捉える安定感とスポーツ性を強く感じさせる。

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