インディアン・チーフテン パワープラス ダークホース……4 ,530 ,000円〜

バガーレース王者譲りの新型エンジンを搭載
空力性能とデザイン性を両立させた流線型のフォルムが特徴で、モダンとクラシックが融合したスタイルが特徴のスポーツバガーである。倒立フォークマウントの巨大なフェアリングや本格的なガンファイターシートなど、走りを予感させる洗練されたディテールが目を惹く。搭載される新型「Powerplus 112」エンジンは水冷V型2気筒OHC4バルブと現代的なレイアウトで、排気量を112キュービックインチ(1834cc)に拡大し最高出力、最大トルクともにアップ。新開発の倒立フォークやFOX製リアショック、軽量アルミフレームによりコーナリング性能やハンドリングの精度も向上している。ちなみに新型「Powerplus112」を搭載したファクトリーマシンが2024年「キング・オブ・ザ・バガーズ」年間タイトルを獲得するなど、その実力を証明している。
また、6軸IMUによるトラコン&コーナリングABS、ドラッグトルクコントロール(電子制御エンジンブレーキ)など最新の安全技術と快適装備でライダーをサポート。7インチのタッチスクリーンで音楽やナビ操作も直感的に行える。さらにロック式の大容量68Lサドルバッグやプッシュボタン式電動ウインドシールド、クルコンなど長距離ツーリングに必須な装備も充実。またリアシリンダー停止機能により、渋滞時など低速走行での燃費と快適性が向上している点も見逃せないところだ。
デカくて重い、でも走ると意外なほどスポーティ

エンジンに火を入れた瞬間、アメリカンVツインらしい深く低い鼓動が全身に響いてくる。でも、その無骨なルックスには反して振動は少なく、排気量の割には軽やかな回転フィールが不思議な感じだ。
跨った瞬間まず感じたのは低く身構えたライポジと、どっしりとした存在感。車重は366kgと超重量級だがシート高は672㎜と低め。両足がしっかり接地するため取り回しにも不安はない。目の前の7インチTFTディスプレイはタッチ式で使いやすくモード機能なども直感的に操作できるのでストレスがない。
走り出せば、その巨体をものともしない加速力に驚く。最高峰モデルのチャレンジャーにも共用される新型エンジンは、スロットル操作に対する応答性がダイレクトで、低回転から沸き上がるフラットトルクを得て見た目によらず機敏なフットワークを見せる。とりわけ2000〜4000rpmの中回転域は塊感のある“使えるパワー”がぎっしり詰まっていて、試乗会が行われた特設コースではスラロームも楽しめてしまうほど。ハンドリングもクセがなく、街中でも変に構えたりせずに普通に乗り回せる感じだ。
コーナリングもスムーズで一瞬その“重さ”を忘れてしまう。強靭かつ軽量なアルミフレームに抱きかかえられた低重心なエンジン、十分なキャパシティを持ったしなやかな前後サスペンションにより、想像以上に深いバンク角でスムーズに曲がっていく。ブレーキングでピッチングを起こして倒し込みのキッカケを作れるなど、走りのフィーリングがスポーツバイク的なのだ。
長距離も快適な「走りのラグジュアリーツアラー」
さらに、6軸IMUによるコーナリングABS&トラコンなどの先進安全装備がさりげなくサポートしてくれるおかげで、路面をあまり気にせずに安心して走れる。疲労低減や集中力キープにつながる部分なので長距離になるほど有難いはずだ。また、ワンプッシュで上下する電動ウインドシールドは秀逸で、上体を起こしていても風圧を巧みにいなしてくれるし、排熱を抑えるリアシリンダー停止機能も夏場の渋滞では必須だろう。大容量サイドバッグに荷物を詰め込んでご機嫌な音楽とともにクルコンで悠々とハイウェイを流す姿を想像し、頭の中では大陸横断の妄想が広がっていく。
Chieftain Powerplus Dark Horseは、ただのスタイル重視のバガーではない。ヴィジュアルの迫力に加えて、先進装備としなやかな乗り味を併せ持つ“走りのラグジュアリーツアラー”の側面も併せ持っている。アメリカンVツインを愛しつつも、妥協なき現代の性能を求めるライダーにとって、これは理想的な一台と言えるだろう。
超重量級ではあるが、一旦走り出せばエンジンはスムーズで、ハンドリングも見た目以上に軽快だ。とはいえ、得意なのはやはりクルージング。持ち前のパワーと快適性を生かした高速ツーリングが気持ちいい。
アメリカン・クルーザーの伝統とモダンが融合した、流れるようなボディワークが目を惹く。一見すると従来型と大きく変わらないようだが、エンジンの大幅なパワーアップに従い、従来のスチールフレームから上位モデルのチャレンジャー同様のアルミ製バックボーンフレームにアップグレード。特徴的な大型フェアリングやサイドバッグ、シートから前後フェンダーに至るまでデザインは見直されている。






ディテール












ライディングポジション(ライダー身長179cm)
ステップ位置は極端に前過ぎず、ハンドルも適度に手前に引かれているため、リラックスした自然な姿勢がフォームで乗れる。672㎜の低シート高のおかげで足着きもかなり良好。
車体を傾けさえしなければ重量によるストレスはあまり感じない。
主要諸元
エンジン
| エンジン型式 | PowerPlus |
|---|---|
| 排気量 | 1834cc |
| ボア X ストローク | 110 mm x 96.5 mm |
| 圧縮比 | 11.4:1 |
| 電子制御燃料噴射システム | クローズドループ燃料噴射/52mmデュアルボア |
パフォーマンス
| 最大トルク発生回転数 | 3800 rpm |
|---|---|
| 最大トルク (995/1/EC NM) | 181.4 Nm |
ドライブトレイン
| プライマリードライブ | ギアドライブ湿式クラッチ |
|---|---|
| ドライブ/ドリブンクラッチ | 湿式多板、アシスト |
ギア比 (全体)
| 変速比(1速) | 10.169:1 |
|---|---|
| 変速比(2速) | 6.933:1 |
| 変速比(3速) | 5.151:1 |
| 変速比(4速) | 4.105:1 |
| 変速比(5速) | 3.508:1 |
| 変速比(6速) | 3.017:1 |
| ファイナルドライブ | 2.379:1 |
サスペンション
| サスペンション: フロント – タイプ/トラベル | 倒立テレスコピックフォーク / 130mm |
|---|---|
| サスペンション: リア – タイプ/トラベル | 油圧式プリロード調整機能付きシングルショック / 114 mm |
シャーシ
| ブレーキ/フロント | Brembo®キャリパー、デュアル・セミフローティングローター:320mm x 5.0mm |
|---|---|
| ブレーキ/リア | シングルフローティングローター:298mm x 7.0mm |
| タイヤ/フロント | Metzeler® Cruisetec® 130/60B19 66H |
| タイヤ/リア | Metzeler® Cruisetec® 180/60R16 80H |
| ホイール | 10スポーク加工鋳造 19″ x 3.5″ – 16″ x 5″ |
| 排気システム | レゾネーター付きスプリットデュアル |
ディメンション
| ホイールベース | 1668 mm |
|---|---|
| シート高 | 672 mm |
| 最低地上高 | 137 mm |
| 全長 | 2503 mm |
| 全幅 | 1066 mm |
| 全高 | 1237 mm |
| リーンアングル | 31° |
| レーク | 25° |
| トレイル | 150 mm |
| 燃料タンク容量 | 22.7 L |
| 定格車両総重量 | 628 kg |
| 車両重量(燃料非搭載時/搭載時) | 366 kg / 382 kg |
FEATURES
| カラー/グラフィックス | Black Smoke, Sunset Red Smoke, Ghost White Metallic Smoke |
|---|---|
| メーカー保証 | 2年間、走行距離無制限 |
スタンダード
| 標準装備 | リモートロック式ハードサドルバッグ、電動調節式ウインドシールド、68L以上の収納スペース、キーレスイグニッション、調節式フェアリングベント、USB充電器 |
|---|---|
| 灯火類 | LEDヘッドランプ/テール/ブレーキ/方向指示器 |
エレクトリカル
| 計器類 | フェアリング搭載の計器クラスター。アナログ式スピードメーター、タコメーター、燃料計、航続可能距離、オドメーター、現在のギア表示。 15個のLEDインジケーター:クルーズコントロール有効、クルーズコントロールセット、ニュートラル、ハイビーム、方向指示器、ABS、エンジンチェック、バッテリー、低燃料、セキュリティシステム、低エンジン油圧、およびMPHまたはKM/H単位の指定。 |
|---|---|
| インフォテイメント | RIDE COMMANDによる7インチディスプレイ、カスタマイズ可能な計器画面、Bluetooth®接続、選択可能なライドモードなど。 |
| AUDIO | 標準装備のフェアリングスピーカー(50W)2個付き(合計100W) |




