【前編】本土よりも外国に近い沖縄県の離島・石垣島を旅する「基礎知識」/バイクで走りたいツーリングスポット
石垣島は愛車で走行できる、できない?
2008年に客船の航路は廃止。現在、内地や沖縄本島からの上陸は飛行機のみ

かつては沖縄本島から石垣島まで就航のフェリー(客船)が運行。しかし2008年にすべて廃止され、現在、内地や沖縄本島から石垣島へ向かう手段は飛行機のみ(※注1)。石垣島でのツーリングはレンタルバイクを利用するのが定番です。
| ※注1:筆者は1995年、愛車のヤマハSR400と一緒に客船で東京の晴海~沖縄本島~石垣島~与那国島まで行き、各島をツーリングした経験あり。しかし2025年現在、客船としての航路はすべて廃止。 |
ではまずは航空路から説明。2025年現在、「南ぬ島石垣空港(新石垣空港)」にアクセスする国内線は、羽田空港(東京都)、成田空港(千葉県)、中部空港(愛知県)、関西空港(大阪府)、伊丹空港(兵庫県)、福岡空港(福岡県)、那覇空港(沖縄県)、宮古空港(沖縄県宮古島)の8路線。日本航空や全日空、格安のピーチ空港などが乗り入れています。

今回の取材で筆者が利用した格安の「ピーチ航空」は、成田空港より直行便が発着。京成本線で成田空港に約30分でアクセスできる千葉県在住の筆者にとっては、非常に便利でお得な路線となっています(※注2)。 ●すべて2025年5月現在
| ※注2:今回筆者は成田空港発・新石垣空港の往復航空券(ピーチ航空)+ホテル2泊付き(リゾートホテル/朝食付き)の2泊3日格安ツアーを利用して石垣島を訪問。料金は2泊とも豪華なバイキング形式の朝食付きで1人2万800円。筆者の経験上、この価格はオフシーズンならではのバーゲンプライス。このツアーは出発日から約4ヶ月前に発見して予約したもの。常日頃から各旅行会社や格安航空会社のサイトをチェックしていれば、高確率でお得な格安ツアーや格安航空券がゲットできるはず。 |

空港から市街地への移動方法は?

飛行機で「南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港(新石垣空港)」に着いたら、市街地までレンタカー、タクシー、路線バスで移動。筆者は今回、ツーリングをメインとした旅なので、運賃の安い路線バスを利用(片道約30分)。市街地や離島ターミナルまでの運賃は1人540円と非常にお得。
市街地にはレンタルバイク(50ccクラスの原付一種や、2人乗り可能な125ccクラスの原付二種など。ビッグバイク取り扱い店もあり)やレンタサイクル(変速ギアなしのママチャリ、変速ギア付きのスポーツタイプ、電動アシスト自転車)を貸し出すショップが数件あり、手軽に利用可能(石垣島・レンタルバイクのキーワードで要検索)。
レンタルバイクのレンタル料金は
→原付(50cc):1日2,500円~3,500円くらい
→自動二輪:1日4,500円~(排気量により異なる)
ツーリングが主目的の人は、使い慣れた自前のヘルメット、グローブ、ライディングジャケット、レインウエア等の持参をおすすめ。ワンポイントでレンタルバイクを利用したい人は、ヘルメットやグローブのレンタルは可能か事前に問い合わせておきましょう。
●上記の料金等はすべて2025年5月現在
石垣島の道路事情

石垣島の主要道路は基本的に狭めの片側1車線。整備された内地の一般道路と変わりなく、舗装状況も良くて非常に走りやすいです。
市街地以外は交通量も少なく、歩いている人もまばら(時折観光客がウォーキングで観光地を回っているのを見かける程度。ただしシーズン中は増加)。
地元民がガンガン飛ばすという様子もなく、多くは観光でやって来た「わ」ナンバーのレンタカーが、安全運転でスポット巡りをしている雰囲気。交通の流れが決して早くなく、しかも道路は狭めなので、市街地で50ccの原付をレンタルし、のんびりと島内ツーリングを楽しむのもおすすめ。
石垣島は山が多くて高低差があり、主要道路でもやや坂道が多いのが特徴。ただし多くは勾配が緩やかなため、「50ccの4スト原付や、ノンターボの軽自動車はちょっとしんどいな」という程度。
筆者は気力・体力の衰えたオジサンですが、50ccの4スト原付やノンターボの軽自動車を利用した島内巡りに大きなストレスを感じませんでした。体力自慢の中にはレンタサイクル(電動アシスト自転車もあり)、またはウォーキングで移動するツワモノもいます。
石垣島には所々に集落がありますが、エリア内の道路はかなり狭いので注意が必要。ビーチなど各観光スポットにつながる道も全般的に狭めなので、クルマや人の急な飛び出しには十分注意。常に安全運転を心がけましょう。
石垣島は年間を通して本土よりも雨の多い場所。また天気も変わりやすく、突然のゲリラ豪雨も日常茶飯事。従ってツーリングやレジャーでの雨合羽の携帯は必須です。
天気予報は参考程度に留め、ツーリング時はスマホアプリの雨雲情報を活用するなど、リアルタイムで天候の変化を随時チェックしておくのがベターです。
筆者が感じた石垣島ツーリング、9つのポイント!


1:石垣島の島一周の距離は140km前後。島を1周するには時速40km/hで走行した場合、単純計算で3時間~4時間くらい。一般道のみで高速道路なし。
2:「有名な観光スポットは押さえておきたい」という場合は、2泊3日以上の滞在が理想的。日程を上手に使えば、ツーリング、離島めぐり、海や山へのレジャーなどがトータルに楽しめるはず。1泊2日での上記遂行は、かなりきついスケジュールになると予測。
3:主要道路は基本的に片側1車線。きちんと整備された本土の道路と変わりなく、舗装状況も良くて非常に走りやすい。
4:石垣島には所々に集落があり、エリア内の道路はかなり狭い。またビーチなど各観光スポットにつながる道も全般的に狭め。道路標識や停止線はないが、クルマや人の急な飛び出しに注意しつつ、一時停止して安全確認後に進むことが重要(これにより筆者は2度、接触事故を回避)。
5:石垣島は山が多くて高低差があり、主要道路でも坂道が多いのが特徴。ただし多くは勾配が緩やかなため、筆者のような気力・体力の衰えたオジサンでも、50ccの原付での島内巡りに大きなストレスは感じませんでした。
6:ホテルや宿泊所の多い市街地は、買い物できる個所が多い。ただし郊外にコンビニはないので、必要なものはツーリング前に購入しておくべし。
7:ほとんどの観光スポットには無料開放された駐車場あり。バイクやクルマは必ず決められた場所に駐車すること。市街地では宿泊するホテルの駐車場(有料の場合は1日1,000円位が多い)にレンタカーを停め、徒歩で繁華街を観光したり、離島フェリー乗り場に行くが定番。
8:石垣島はツーリングのみ楽しむのはもったいない。季節を問わず、シュノーケリング、スキューバーダイビング、マングローブのカヌー探索など、海や川のアウトドアも堪能できます。スマホで旅行サイト等のツアーに申し込めは、現地での安全指導はもちろん、ウエットスーツなど必要なギアのレンタルもOK。時間や予算に応じ、これらも一緒に楽しんでみては?
9:石垣島及び離島は、クレジットカードや電子マネーが使える店や施設が限られます。必ず現金を持ち歩きましょう。
以上、筆者がリサーチし、経験し、見聞きして感じた石垣島のツーリング事情や島内の魅力をレポートしました。
お天気が変化しやすい島ですから、晴れたらラッキー! 曇りならまずまず。雨なら好天することを祈りつつ、石垣島の旅を思いっきり満喫しましょう♫

石垣島のツーリングにぜひ訪れたい! 主要観光スポット編

①白保(しらほ)海岸

南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港(新石垣空港)の南にある美しいビーチ。白保海岸は北半球最大といわれるアオサンゴが群生。約10kmに渡り、白砂とサンゴ岩が広がります。駐車場は無料ですが収容能力は6台程度。シーズン中は混雑が予想される。
②平久保崎(ひらくぼさき)灯台



石垣島の最北端にある平久保埼は、なだらかな曲線を描く台地を牛の放牧場として利用。晴れた日には多良間島まで一望することができます。駐車場は無料で収容能力は10台程度。
③川平湾(かびらわん)


天気の良い日はエメラルドグリーンの海が堪能できる石垣島の絶景スポット「川平湾(かびらわん)」。天候や時間帯によっては、海の色が七色に変化するのが特長。砂浜から乗船するグラスボート(有料)は、船底のガラス越しにサンゴの群生や色鮮やかな魚、また運が良ければウミガメを見ることができます。広めの無料駐車場あり。
④ユーグレナモール

石垣島の繁華街にあるアーケード型の商店街「ユーグレナモール」。公設市場を中心に、おみやげ店、ファッションショップ、飲食店などが集結。中央通りと銀座通りの二本の通りにつくられた、日本最南端のアーケードモールです。ユーグレナモール周辺には、オリオンビールや泡盛、石垣島ならではのグルメが楽しめる居酒屋が多いのも特徴。
観光ホテルが集まった市街地では、宿泊するホテルの駐車場(有料の場合は1日1,500円位が目安)にレンタカーを停め、徒歩でユーグレナモールなどの繁華街を観光したりお買い物したり、フェリー乗り場に行って離島に出向くのが定番。
⑤石垣市立八重山博物館

市街地にある博物館。八重山の歴史や文化を詳しく紹介。八重山の昔の生活用具・農耕具・漁具など、民族資料や美術工芸品を収蔵・展示。幻の焼物といわれるパナリ焼、八重山上布、古代の丸木舟等など貴重品もあり。
【住所】沖縄県石垣市登野城4-1
【料金】 大人:200円 中~大学生(100円)・小学生以下無料/駐車場なし
石垣島のツーリング時にはぜひ食べたい! グルメ/買い物編
さっぱり味のスープにはほんのり甘みがある「八重山そば」

石垣島に来たら必ず食べたいもののひとつが「八重山そば」。沖縄本島の「ソーキそば」とは明確に異なる八重山そばは、さっぱり味のスープにはほんのり甘みがあり、丸みのあるストレート麺にかまぼこ・肉・ネギというシンプルな具材が特徴。
石垣島ならではの居酒屋メニュー(ミミガー、海ぶどう)

石垣島の市街地(繁華街)にはたくさんの居酒屋があり、夜は非常に賑やかな雰囲気。あちこちの店からは沖縄三味線「さんしん」と島唄の音色が聞こえてくるなど石垣島情緒たっぷり。石垣島でしか味わえないメニューも堪能できます。
石垣島からは離島行きフェリーも多数就航
竹富島、西表島、黒島、小浜島、波照間島
市街地の徒歩10分ほどにある「ユーグレナ石垣港離島ターミナル」からは、竹富島、西表島、黒島、小浜島、波照間島、鳩間島に行く旅客フェリーが就航。石垣島の繁華街・美崎町やユーグレナモール、バスターミナルにも近く、石垣島をハブに八重山の島々をつなぐアクセス拠点として、観光客はもちろん、地元住民の足として常に多くの人が利用しています。





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