Mansour Ojjeh’s collection
マクラーレンの成功に大きく貢献

今回、トム・ハートリーJr.は、マンスール・オジェが所有していた20台のマクラーレン製ロードカーのコレクション売却に関して、オジェ家から正式に選任されたことを発表した。同社は今年初め、バーニー・エクレストンが所有していた69台のF1マシンコレクション売却を成功させたばかり。今回、バーニーに続き、F1界の伝説的人物によって収集されたユニークなコレクションの売却を任されれたかたちだ。
2021年に亡くなるまで、マンスール・オジェは、マクラーレンの共同オーナーとしてF1界に君臨。この間、マクラーレンは7回のコンストラクターズ選手権、10回のドライバーズ選手権を獲得しただけでなく、モータースポーツを飛び越え、ロードカービジネスでも大成功を収めることになった。彼はマクラーレン・オートモーティブとマクラーレン・アプライド・テクノロジーズ部門の設立に大きく貢献している。
マクラーレン・オートモーティブがスーパースポーツの生産を本格化したことを受けて、マンスール・オジェは自身のマクラーレン・ロードカー・コレクションを充実化させることになった。その頂点に君臨するのが、「マクラーレン F1」であり、この個体は専用の「Yquem」というエクステリアカラーにペイントされている。
この車両の希少性を反映し、マクラーレンはその後、このカラーを「マンスール・オレンジ(Mansour Orange)」と改名。彼の車両にのみ使用されるカスタムカラーに定めている。
ほぼ未使用に保たれたコレクション

マンスール・オジェは、各モデルごとに最終シャシーナンバーを要求。生産サイクルにおいて実施されたすべての技術的変更が、車両に反映されることを求めてきた。マクラーレン F1(走行距離わずか1810km)と「P1 GTR」(マクラーレンのトラックデイでのみ使用)を除き、すべての車は未使用のまま、つまりファクトリー出荷時の状態が保たれており、マクラーレン・オートモーティブによる直接の指示のもとメンテナンスが徹底されている。
コレクションには、生産台数が限られていた「スピードテール」「P1」「セナ」「エルバ」「セイバー」を含む、多くのアイコニックなマクラーレン製モデルを網羅。マンスール・オジェの妻、キャシー・オジェは、今回のコレクション売却について、次のようにコメントした。
「マクラーレンはマンスールにとって、本当に特別な存在でした。単なるビジネスを超えた、純粋な情熱の結晶であり、その情熱から生まれたのが、このユニークなマクラーレン製ロードカーコレクションです。このコレクションは、私たち家族にとっての宝物なのです。彼自身が仕様を決めてきた姿を見ていますし、その時間の証しとも言えるでしょう」
「この非常に個人的なコレクションを手放すことは簡単ではありません。今こそ真にその価値を理解し、マンスールがそうしていたように所有し、車両を大切にケアする新たな所有者へと引き継ぐ時が来たと考えています。そして、トム・ハートリーJr.が、このコレクションを販売するための高度な枠組みを提供してくれたことに、私たちは深く感謝しています」
「マンスール・オジェ・コレクション」を動画でチェック!
