“立ち乗り”から“座り乗り”へ 安心・便利性を追求

Acalieが展開する日本発の電動モビリティブランド「EVEREST XING」は6月23日、特定原付電動キックボードEX15シリーズ専用のカゴ付きサドルオプションを発売した。
これまでは立ち乗りスタイルのキックボードが主流だったが、高齢者や買い物需要、走行の安定性を求めるユーザー層が存在する現実に応えた形での導入となる。600Wモーター搭載の高出力EX15/EX15 Proに装着することで、都市部や過疎地の「ちょい乗り」をより安心・快適にする狙いが明確に打ち出されている。
クッション&カゴで日常使いが変わる

オプションのカゴ付きサドルは高密度スポンジを採用し、クッション性と快適性を兼ね備えた座り心地を実現。さらにカゴが一体化された構造により、買い物や通院など日常使いの荷物もそのまま運べる仕様だ。これにより高齢者や女性などへのアプローチが可能となり、若者への訴求が中心だった電動キックボード市場に“座って乗れる”“荷物が載せられる”という実用価値を加えた。
プラットフォームとしてのEX15、仕様と意義

EX15 Pro/EX15は共に特定原付に分類される高スペック電動キックボード。600Wの定格モーター(最大出力は900~1,000W)に48V/15Ah(Pro)または37V/10.2Ahのバッテリーを搭載し、登坂能力27%以上、航続距離30~50kmを実現。10インチまたは8.5インチのノーパンクタイヤに前後サスペンション、LED灯火類、IPX5防水構造、ディスク+ドラムブレーキなど、出力性能・快適性・安全装備が高水準に保たれている 。
同モデルは現在22万円前後の価格帯で、今後は法整備や販売チャネル拡大といった課題も存在するが、高出力とモビリティとしての基盤が確立されたことで、サドル装着の着座仕様が新たな可能性を開く。
担当者が語る“モビリティの民主化”

開発を担当したAcalie・神田一平セールスマネージャーは、600Wモーター採用の高性能モデルでありながら、「立ち乗りでは限られていたユーザー層に向け、座って乗れる仕様にアップデートすることで社会課題を解決したい」とコメント。EX15のポテンシャルを最大限活かし、誰でも気軽・安全に乗れるEVモビリティへの進化を提案している。
地方や高齢者の暮らしに変化を起こす

このカゴ付きサドル専用オプションは、全国展開中のEVERST XING正規販売店にて注文できる。将来的にはバッテリー交換式モデルや地方向けサービス、法制度改正への対応も視野に入るという。高齢化や買い物難民、地域の移動制約といった社会課題に対し、既存モビリティの枠組みを超えた提案として注目される試みだ。
EX15シリーズの可変性が見せる未来は、“電動バイクへと進化するキックボード”という側面のみならず、“誰もが乗れるEV”という普及モデルの可能性を示唆する。今後の展開から目が離せない。
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