BMW M2
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Alpine A110 S
コンパクトでライトウエイトな「A110 S」




「BMW 2シリーズ」をベースに、強力な3.0リッター直列6気筒ツインターボを搭載する「M2」。2024年秋に内外装の大規模なアップデートを含むフェイスリフトを実施し、日本への導入も開始された。今回、そのライバルとして比較するのは、2017年に40年ぶりのアルピーヌ製スポーツカーとして復活を果たした「A110」。2019年にラインナップに追加された軽量・高性能仕様「A110 S」を取り上げる。
M2はフロントエンジン&リヤドライブというコンベンショナルな駆動形式を採るが、A110 Sは1.8リッター直列4気筒ガソリンターボをリヤミッドに搭載。M2はBMWのラインナップにおいて最小サイズの2ドアクーペだが、A110 SはM2よりもさらに全長が375mm、全幅が85mm、全高が160mmもコンパクトなサイズとなっている。
BMW M2
ボディサイズ=全長4580mm×全幅1885mm×全高1410mm
ホイールベース=2745mm
車両重量=1730kg(AT)
タイヤサイズ=275/35R19(前)、285/30R20(後)
アルピーヌ A110 S
ボディサイズ=全長4205mm×全幅1800mm×全高1250mm
ホイールベース=2420mm
車両重量=1110kg
タイヤサイズ=215/40R18(前)、245/40R18(後)
重くハイパワーなM2、軽量化を極めたA110 S




M2に搭載されるのは、M3やM4に匹敵する最高出力480PS、最大トルク600Nmを発揮する3.0リッター直列6気筒ガソリンターボ。A110 Sには、最高出力が252PSから300PSへと引き上げられた1.8リッター直列4気筒ターボエンジンが奢られる。最高出力はM2が180PSも凌駕するが、A110 Sの0-100km/h加速は遜色ないタイムとなっている。これは現代のスポーツカーとしては群を抜いて車両重量が軽いA110 S(1110kg)が、その特徴を活かしたと言えるだろう。
BMW M2
エンジン形式=直列6気筒ガソリンツインターボ
排気量=2992cc
最高出力=480PS/6250rpm
最大トルク=600Nm/2700〜5620rpm
トランスミッション=8速Mステップトロニック(AT)
駆動方式=RWD
最高速度=250km/h(リミッター)
0-100km/h加速=4.0秒
アルピーヌ A110 S
エンジン形式=直列4気筒ターボ
排気量=1798cc
最高出力=300PS/6300rpm
最大トルク=340Nm/2400rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=MR
最高速度=260km/h
0-100km/h加速=4.2秒
十分な実用性か唯一無二の存在感か


M2は2024年に導入された改良新型から、コクピットがBMWの最新世代へとアップデート。12.3インチメーターパネルと、14.9インチインフォテインメントパネルが並列された「BMWカーブドディスプレイ」を搭載する。対するA110 Sは、独立したメーターナセルを備え、インストゥルメントパネルには小ぶりな7インチマルチファンクションタッチスクリーンがレイアウトされる。Android AutoとApple CarPlayに対応するものの、M2よりも1世代前のコクピット環境となる。
BMWらしい質実剛健なハンドリング、パワフルな直6エンジン、クラスを超えた質感など、スポーツクーペの王道たる魅力を備えるM2。対するA110 Sは、1970年代にラリーで活躍した初代を現代の技術で甦らせ、アルミモノコックシャシーによる軽快感を備えたパフォーマンスを誇る。
M2の方が192万円安い。価格面でのアドバンテージに加えて、狭いながらもリヤシートと独立したトランクスペースを確保している。一方のA110はデビューから8年を経た今でも、フランス製ミドシップスポーツという唯一無二の魅力を放っている。あまりに対照的なコンセプトを持っているからこそ、お互いの美点が際立つ2台だと言えそうだ。
車両本体価格
BMW M2 1018万円
アルピーヌ A110 S 1210万円

