過去の名車の魂を受け継ぐデザインと最新技術の融合

スズキは7月4日、ネオレトロコンセプトを掲げた新型ストリートバイク「GSX-8T」と「GSX-8TT」を世界初公開した。欧州や北米を中心に、2025年夏から順次発売を予定しており、スズキが誇る過去の名車のエッセンスを現代的に再構築したデザインと、最新テクノロジーを惜しみなく投入したモデルとして注目を集める。

個性を際立たせるクラシカルかつモダンなスタイル

「GSX-8T」は1960年代に高性能ネイキッドバイクとして人気を博した「T500(Titan)」を想起させる意匠を採用。マットブラックのリアセクションがタンクを引き立て、シュラウドにはビリヤードのエイトボールをモチーフにした立体エンブレムをあしらい、レトロとモダンが調和するスタイルに仕上がっている。対して「GSX-8TT」は1970年代のロードレーサーを思わせるヘッドライトカウルやアンダーカウルを装備し、ブラックのフロントフォークやシュラウド、グレーのシートレールなど上質で落ち着いた配色により、ホイールやデカールのスポーティな彩りを際立たせている。車名の「TT」は「Timeless」を意味し、クラシックな世界観を現代に甦らせるという想いを込めて命名された。

軽快な車体と先進技術でライダーをサポート

両モデルには、GSX-8S/Rでも高評価を得ている776cm³の水冷4サイクル直列2気筒DOHCエンジンを搭載。高剛性のスチールフレームと軽量アルミスイングアームを組み合わせ、機敏性や快適性を追求している。また、スズキドライブモードセレクター(SDMS)や電子制御スロットル、双方向クイックシフターなど、ライダーを支える電子制御システム「S.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)」を搭載。さらにELIIY Power製のリチウムイオンバッテリーを採用し、軽量・コンパクトで低温時にも高い始動性を確保するなど、安心してスポーツライディングを楽しめる仕様となっている。

使い勝手に優れた車体サイズと仕様

新型GSX-8Tのシート高は815mm、装備重量は201kg、GSX-8TTはそれぞれ810mm、203kgと扱いやすい数値に収められている。ホイールはキャストホイールを採用し、タイヤサイズはフロント120/70ZR17、リヤ180/55ZR17のチューブレスタイヤ。燃料タンクは16.5Lを確保し、WMTCモードでの燃費は23.8km/L、CO2排出量は99g/kmとなっている。ライディングの楽しさだけでなく環境性能にも配慮した設計で、日常からツーリングまで幅広いシーンでの活躍が期待できる。

スズキが築いてきた名車の伝統を、最新の技術と共に未来へとつなぐ新型GSX-8T、GSX-8TT。クラシックファンから最新装備を求めるライダーまで、多くの二輪ファンを魅了する一台となるだろう。