MotoGP第11戦ドイツGPが、7月11日から13日にかけてドイツのザクセンリンクで行われ、マルク・マルケス(ドゥカティ)が優勝を飾った。日本人ライダーの小椋藍(アプリリア)は、転倒リタイアだった。

ドイツGPが行われるザクセンリンクは、左回りのサーキットの一つで、現在のチャンピオンシップにおけるランキングトップ、マルク・マルケス(ドゥカティ)が得意とするサーキットでもある。

M.マルケスは土曜日の予選でポールポジションを獲得し、午後に行われたウエットのスプリントレースでも優勝を飾った。

決勝レースはドライコンディション。ポールポジションのM.マルケスとともにフロントロウ(1列目)に並ぶのは、2番手のヨハン・ザルコ(ホンダ)、3番手のマルコ・ベツェッキ(アプリリア)である。スプリントレースを17位で終えた小椋藍(アプリリア)は、17番手からのスタートとなった。

なお、ソムキアット・チャントラ(ホンダ)がトレーニング中の負傷により、エネア・バスティアニーニ(KTM)が虫垂炎により今大会を欠場。マーベリック・ビニャーレス(KTM)が予選の転倒により、フランコ・モルビデリ(ドゥカティ)がスプリントレースの転倒による負傷で欠場している。

ホールショットを奪ったのはM.マルケスで、2番手にベツェッキ、3番手にはファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ドゥカティ)が続く。ランキング2番手のアレックス・マルケス(ドゥカティ)は4番手、ランキング3番手でM.マルケスのチームメイトであるフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)は7番手につける。

M.マルケスはトップを快走し、2番手以下を引き離していった。一方、2番手にはベツェッキをかわしたディ・ジャンアントニオが浮上する。4周目、5番手を走行していたペドロ・アコスタ(KTM)がクラッシュを喫してリタイア。バニャイアが、A.マルケスに次ぐ5番手に浮上した。

レース中盤以降、転倒が続出する。18周目、2番手を走っていたディ・ジャンアントニオが1コーナーで転倒。続いて6番手を走っていたザルコも同じく1コーナーでクラッシュした。21周目には、ディ・ジャンアントニオの転倒により2番手に浮上したベツェッキが1コーナーで転倒を喫している。

さらに、22周目の1コーナーで、スリップダウンした小椋が、その外側にいたジョアン・ミル(ホンダ)を巻き込む形で転倒。続いて、同じコーナーでロレンツォ・サバドーリ(アプリリア)がクラッシュした。相次ぐ転倒に、残り8周の時点で、コース上にとどまっているのは10名のライダーのみ、という状況だった。

こうした展開の中で、M.マルケスはトップを快走した。M.マルケスは2位に6秒以上の差を築き、優勝を飾った。ドイツGPはM.マルケスにとって最高峰クラスにおける200戦目。また、この優勝は最高峰クラス69勝目であり、最高峰クラスにおける優勝数で、ジャコモ・アゴスティーニを抜いてランキング2位となった。ポールポジション、スプリントレースと決勝レース優勝という形で、得意のザルツブルクを制した。

2位を獲得したのは、M.マルケスの弟であるA.マルケス。前戦オランダGP決勝レースの転倒で左手を骨折し、手術を受けたあとのレースだったが、表彰台を獲得してみせた。3位は、上位を走っていたライダーの転倒もあってじりじりとポジションを上げたバニャイアである。

また、スプリントレースで3位を獲得したファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)が4位に入り、日本メーカーとして最上位だった。ドライコンディションだったが、完走したのは10名のライダーのみというサバイバルレースだった。

第12戦チェコGPは連戦で、7月18日から20日にかけて、チェコのアウトモトドローム・ブルノで行われる。2020年以来、5年ぶりの開催である。2025年シーズンはチェコGPをもって前半戦を締めくくり、約ひと月のサマーブレイクに入る。

マルク・マルケス(ドゥカティ)©MotoGP.com