新エアボックス&サイレンサーで研ぎ澄まされたパワー特性

トライアンフモーターサイクルズが発表した2026年型「新型TF 250-X」は、モトクロスの競技現場で勝つために開発された最先端マシンだ。今回のアップデートでは、吸排気効率を徹底的に追求した新設計のエアボックスとサイレンサーを搭載。これによりFIMやAMAの厳格な排気音量規制をクリアしながら、吸気効率とレスポンスを向上させ、ライバルを置き去りにするシャープな加速を可能にしている。
ECUマッピングも一新し、全域でのパワーデリバリーがよりダイレクトに。スタート時の瞬発力や中速域からの立ち上がりは、まさにレース仕様そのものだ。さらにトルク容量を大幅に増強した新型Exedy製クラッチを装備し、クラッチミートの正確性と耐久性を引き上げている。過酷なモトクロスの連続ヒートでも、タフなパフォーマンスを維持できる。
シャシーとサスペンションを徹底チューニング 切れ味鋭い旋回性能

シャシーは軽量アルミスパインフレームを基軸に、ハイドロフォーミングのスイングアームを組み合わせて最適なフレックスを確保。コーナリングでの安定性やトラクション性能が一段と高まっている。KYB製の48mm AOSコイルフォークや3ウェイ調整式ピギーバックショックは、リンク機構を含め専用に再セッティングされ、中間域のストロークコントロールとシャシーバランスがさらに向上。これにより高いペースでバンクしてもライダーの意図通りにマシンが動き、前後荷重を積極的に操れる。
さらにオイルレベル窓のデザインを見直し、整備性も強化。リアのバッテリートレイ配置も変更され、レース現場でのクイックメンテナンスを支援する。まさに実戦からフィードバックを反映した改良だ。
最先端の電子制御と装備 ファクトリースペックを市販車で実現
電子制御面も進化が著しい。Athena製ECUがトラクションコントロールとローンチコントロールを緻密に管理し、回転数に応じて理想的な駆動力を後輪へ伝達。クイックシフターは2速から5速までクラッチレスでの加速を可能とし、瞬時にシフトアップしてもパワーを落とさない。
さらにオプションのMX Tune Pro Wi-Fiモジュールを利用すれば、スマートフォンから燃調マッピング変更やリアルタイムデータロギング、診断まで行える。モトクロスファクトリーさながらの電子チューニング環境を自分の手にできるのはトライアンフだけと言っていい。
足元にはGalfer製ウェーブディスクとBrembo製フローティングキャリパーを組み合わせ、DirtStarリムにピレリMX32を履く。ハンドルはProTaperのカーボンコア仕様、グリップはODI製ロックオンと、隅々までレーサー品質だ。
専用のディーラーネットワークと販売店情報
この新型TF 250-Xは、日本国内では2025年7月から順次発売予定となっており、販売は全国の正規販売店の中でもモトクロスディーラーに限定される。具体的には「トライアンフ東京ベイ」「トライアンフ浜松」「トライアンフ福岡」「トライアンフ鹿児島」の4店で取り扱う。
これらの店舗では、TF 250-Xを知り尽くした専門スタッフが常駐し、購入からメンテナンス、レース参戦へのアドバイスまでフルサポートを提供。またトライアンフは全世界280以上のMXセンターを展開しており、24時間365日稼働するパーツ供給システムにより、モバイルからいつでもパーツの検索や在庫確認、即時オーダーが可能だ。
ヨーロッパやアメリカをはじめ、世界中でこのシステムが稼働しており、日本でも今後拡大が期待されている。現地で必要なパーツを即座に取り寄せることで、レース活動のロスを最小化できるのは心強い。
モトクロス界の新基準を示す一台
トライアンフTF 250-Xは、デビューからわずかでAMAスーパークロスやMX2世界選手権で表彰台を獲得し、その性能を証明してきた。今回の新型ではエンジン、シャシー、電子制御のすべてがアップデートされ、ライダーにより大きな武器を提供する。
13,500rpmで48PSを叩き出す高回転ユニット、磨き抜かれたシャシーバランス、そしてアプリと連携する最先端電子制御は、このクラスを完全に再定義するものだ。2026シーズン、世界中のサーキットでTF 250-Xが何度もチェッカーフラッグをくぐる光景が目に浮かぶ。次の勝利を手にしたいライダーにとって、間違いなく最も頼れるパートナーとなる一台だ。
画像ギャラリー




