試乗 「技術の日産」は健在だ! クルマのキャラが激変する電動4WDの威力をアイスサーキットで実感【日産オーラNISMO tuned e-POWER 4WD】【写真・38枚目】 アイスサーキットでは4台の4WDモデルを乗り比べた。左からフェアレディZ Version ST(MT)、GT-R Premium edition T-spec(2024モデル)、オーラNISMO tuned e-POWER(イーパワー) 4WD、エクストレイルAUTECH e-4ORCE Advanced Package。 試乗の起点となったホテル周辺道路、およびアイスサーキットまでの往復路でも試乗を実施。セレナe-4ORCEハイウェイスターV、アリアNISMO B9 e-4ORCE、エクストレイルX e-4ORCE エクストリーマーX、ノートAUTECH CROSSOVER FOURを乗り比べた。 アリアe-4ORCEをベースに最高出力を290kWから320kWにパワーアップ。さらにアクセルを踏み込んだときのレスポンスを最大化するNSIMOモードの採用、前後サスペンションやスタビライザーの専用チューニングといった変更が加えられている。 オーラNISMOは専用の内外装アイテムによるひと際スポーティな佇まいが特徴。試乗車は、2024年7月にマイナーチェンジを行なった際に初の4WDグレードとしてラインナップに加わった「tuned e-POWER 4WD」。 エクストレイルAUTECH e-4ORCEは、日産のカスタマイズブランドであるオーテックが内外装をドレスアップ。大径の20インチアルミホイールはラインナップで唯一の採用となる。試乗車はナビやヘッドアップディスプレイ、プロパイロットパーキングなどを装備したNissanConnectナビゲーションシステムやヘッドアップディスプレイのほか、プロパイロットパーキングなどを装備したAdvanced Package。 フェアレディZは3.0L V6ツインターボを搭載。405PS&475Nmはリヤの2輪に伝えられるが、グリップの低い雪上ではパワーを持て余してしまい、そのポテンシャルをフルに発揮するのは難しい。 GT-Rの3.8L V6ツインターボは570PS&637Nmを発生。ヨーレートフィードバックE-TSコントロールシステムにより前後トルク配分はきめ細かく制御されるが、雪上を安定してハイペースで走るにはそれなりのスキルが必要だ。 前後輪に個別のモーターを配置し、駆動力配分は100対0から0対100まで自在に制御可能。ブレーキも含めた統合制御を実施することで、機械式4WDでは不可能なレベルのハンドリング性能を実現している。 「NORMAL」モード+VDCオンの組み合わせでは安定志向。VDCをオフにするとリヤを振り出す後輪駆動のような挙動を見せ、操る楽しさが増す。 オーラNISMO tuned e-POWER 4WDは発電専用として1.2L直列3気筒エンジン(82PS&103Nm)を搭載。フロントモーター(136PS&300Nm)とリヤモーター(82PS&150Nm)で前後輪を駆動する。オーラの4WDモデルよりもリヤモーターの出力が14PS&50Nm大きくなっているのが特徴だ。 エクストレイルAUTECH e-4ORCEは発電専用として1.5L直列3気筒ターボエンジン(144PS&250Nm)を搭載。フロントモーター(204PS&330Nm)とリヤモーター(136PS&195Nm)で前後輪を駆動する。 12.3インチの大型液晶メーターが先進感を醸し出すオーラNISMOのコクピット。ドライブモードの切り替えはシフトセレクターの横のスイッチで行なう。 ドライブモードは3種類。「NISMO」モードに切り替えると、アクセルレスポンスが俊敏になり、後輪駆動力も強まる。 「NISMO」モードにすると、クルマの挙動は一変。アクセルを少しラフに踏むと右に左にとクルマが流れ出すが、それを利用してクルマの姿勢を変化させることも可能。それにはドライバー側に相応のテクニックが求められるが...。とにもかくにも、ここまでハンドリングを変化させられるのは電動4WD車ならではだ。 オーラNISMO tuned e-POWER 4WDの開発に携わった成富健一郎さん(日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社)と富樫寛之さん(日産自動車株式会社)。 この画像の記事を読む