試乗 マツダCX-60は生まれ変わったのか? 初の大幅改良、一体どこを変えたのか?【写真・26枚目】 2022年9月から日本での販売が開始されたマツダCX-60。24年12月に大幅な商品改良が行なわれた。 今回の商品改良に伴い、写真の新グレード「XD SP」が設定されたのもトピック。その代わりに、「XD」「XD Sパッケージ」グレードは廃止された。 今回のCX-60の商品改良は足周りがメイン、「ハンドリングの良さを維持しながら、より幅広いシーンで快適に移動を楽しんでいただけるように乗り心地を向上」させるのが狙いだ。 CX-60のエンジンラインナップは多彩。「XD SP」が搭載する3.3L直6ディーゼルターボ(写真)のほか、3.3L直6ディーゼルターボ+マイルドハイブリッド、2.5L直4ガソリン、2.5L直4ガソリン+プラグインハイブリッドが揃う。 エンジンカバーを取り外すとご覧のとおり。 最適なドライビングポジションが取りやすいのもCX-60の美点。パワートレインは縦置きレイアウトだが、トランスミッションの張り出しで左足のスペースが侵食されることがなく、ステアリングホイールにきちんと正対して座れるのがうれしい。 CX-60で新開発されたシート。運転操作をするドライバーの身体の動きの支点となる箇所を支え、さらに前後左右のGに対してドライバーが無意識にバランスを取る動きを支える構造となっている。 足周りの改良の効果が一番わかりやすいのは後席に座ったときかもしれない。あたりがマイルドになり、乗り心地が改善されたことが体感できた。 電動パワステの制御、前後ダンパー減衰力、ナックル締結ポイント、リヤサスのスプリング定数/バンプストパー/クロスメンバーブッシュなど、多くの箇所に変更が加えられたほか、リヤスタビライザーも全グレードで廃止。それらの大掛かりの処置の成果は、走りにもしっかりと表れていた。 アルミホイール XD SP専用 20インチホイール(ブラックメタリック塗装) 「XD SP」の装備:フロントグリル ハニカムタイプ(ピアノブラック) 「XD SP」の装備:シグネチャーウイング ブラッククローム 「XD SP」の装備:サイドシグネチャーガーニッシュ ブラッククローム テクノロジーバッジ付(INLINE6) 「XD SP」の装備:ドアミラー グロスブラック CX-60の持ち味である走りの快活さはそのまま、尖った要素の角を取ることで、洗練さが増した印象だ。 CX-60の開発メンバーが書いてくれたグラフ。変速時のG(加速度/縦軸)と変速時間(横軸)の関係を表している。改良前(実線)の場合、変速時間は短いものの、Gの変化が大きかった。改良後(破線)では、Gの変化と変速時間とのバランスの見直しが行なわれた。 写真は「XD Lパッケージ(2WD)」。価格は427万7900円。ボディカラーは、CX-60で初採用されたロジウムホワイトプレミアムメタリック。パールではなくメタリックでホワイトの輝きを表現したのが特徴で、金属のような強い輝度感を実現しつつ、ボディの陰影も綺麗に際立たせている。 特別仕様車「XD-HYBRID Trekker」も新登場。アクティブな装いの「ジルコンサンドメタリック」カラーが設定されたほか、パノラマサンルーフの標準化、荷室の荷物の侵入を防止するパーティションネットの設定が実施されている。 CX60のボディサイズは全長×全幅×全高:4740mm×1890mm×1685mm、ホイールベース:2870mm。 ボディカラーはソウルレッドクリスタルメタリック。 「XD-HYBRIDプレミアムモダン」は、3.3L直6ディーゼルターボに小さなモーターを加えたマイルドハイブリッドモデル。発進時や低速域での加速時を中心にモーターがアシストしてくれるため、走りのスムースさは素のディーゼルよりもこちらが一枚上手な印象だった。 ボディカラーはマシーングレープレミアムメタリック。光の当たり方でボディの陰影がひと際強調される。 掛け値なしにいいなぁ、と思わせてくれるCX-60のインテリア。プレミアムモダンはトリムに天然木素材をあしらうなど、所有欲をくすぐられる上質さが感じられる。 この画像の記事を読む