【とにかく涼しくバイクに乗りたい!】水浸しベストと保冷剤と氷、腕カバー。4種の冷却アイテムを導入してみた、中級編(STEP:2)

モーターファンBIKESでは毎年恒例となった「蒸し暑い夏にバイク乗車時、少しでも暑さを凌げるアイテムはないか?」を探求する、灼熱時の実験・体感テスト企画。2024年も編集部が「これだ!」と目を付けた選りすぐりのアイテムをご紹介した。ここでは“一瞬でも暑さが凌げること”を目標に、各種アイテムを組み合わせた究極の快適性を追求。「数点を組み合わせる面倒くささ」や「各アイテムの持続性」などの実用性は完全に無視。『刹那(その瞬間)の涼しさと心地よさ』を重視し、初級編、中級編、上級編、最上級編に分けて展開していく。初級編に脇下&背中を冷やすクーリングインナーベストをチョイスした中級編をご覧あれ!
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
TESTER/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)

2024年も編集部が「これだ!」と目を付けた選りすぐりのアイテムをご紹介した。これらを効果的に組み合わせれば、最高の涼しさを体感できるのでは? 熱中症も抑止する中級編の組み合わせをご紹介しよう。

中級編(STEP:2)……合計金額:1万2339円

ミズノ クーリングインナーベスト(保冷剤3個付/メンズ)……メーカー希望小売価格:6930円(税込)/購入価格:6300円(税込)・送料無料

クーリングインナーベストは両脇と背中の中心部に、専用の保冷剤(サイズは100mm×170mm)が収納できるポケットを設置。各部を冷却して熱中症を防止する、画期的な冷却用アイテム。キンキンに冷えた専用の保冷剤が、脇の下と背部を冷却してくれ、酷暑の中でも非常に快適。結露で衣服が濡れることもないので非常に快適。

冷却ベスト(2枚セット)……メーカー希望小売価格:4800円(税込)/購入価格:2280円(税込)/送料無料(東京都)

新素材の「PVA(ポリビニルアルコール)」を採用した画期的なクーリングベスト。バッテリー・保冷剤・薬品・氷などを一切使わず、水だけで冷却効果を発揮するのがポイント。PVA素材とは親水性が高く、しかも透湿性に優れている最新のスポンジ。吸水性が良く、湿気や熱気を放出しやすいのが特徴だ。

超冷却ネックアイスバッグ……購入価格:1280円(税込/送料無料/全国一律)

首回りはもちろん、背中、頭部、脇の下、足等々、様々な個所を冷却できる肩掛け式の「超冷却ネックアイスバッグ」。挿入口からアイス(氷)と水を入れて冷却するタイプ(内部の容量は約1.2L)。“超冷却”という名の通り、本体に氷と水を挿入・注入すれば、瞬時に強烈な冷却効果を発揮してくれる。

ミズノ アイスタッチUVアームカバー(メンズ)……メーカー希望小売価格:2640円(税込)/購入価格:1929円(税込)+送料550円(東京都)

冷んやり&さらっとした接触冷感と、紫外線を阻止するUVカット機能を盛り込んだ「アイスタッチUVアームカバー(左右1セット)」。レジャー、買い物、ガーデニング、ウォーキングの時などに日焼けを防ぐこともできる、日常生活での利便性も極めて高い超お役立ちアイテム。猛暑対策にも超おすすめ。

走行インプレッション!

初級編にミズノ製クーリングインナーベストを導入! 脇下と背中を冷却して熱中症を抑止。冷却効果も良好

両脇と背中に専用の保冷剤(サイズは100mm×170mm)をセットしたミズノ製のクーリングインナーベストを着用。

初級編では両腕を冷やす「ミズノ アイスタッチUVアームカバー(メンズ)」、水だけで冷却効果を発揮する、新素材の「PVA(ポリビニルアルコール)」を採用した画期的なクーリングベスト、挿入口からアイス(氷)と水を入れる(内部の容量は約1.2L)肩掛け式の「超冷却ネックアイスバッグ」の3点をチョイス。3点とも利便性が良く、バイク乗車時も活用できると感じた。

中級編となる今回は、両脇と背中に専用の保冷剤(サイズは100mm×170mm)をセットしたミズノ製のクーリングインナーベストを着用。合計4点を着用して走行テストを敢行した。

テスト日の最高気温(気象庁発表)は36℃の猛暑日。日なたの実測温度42℃超。当日は熱中症警戒アラートが発令されていた。

もしも熱中症になった場合、体表近くを太い静脈が流れている首の両サイド、両脇、両脚の付け根を冷やすのが鉄則(様々な病院のサイトや医療系サイトでも紹介されている)。これらの個所は医療現場において「3大局所冷却」と呼称。皮膚を通して静脈血を冷却すると、大量の冷えた血液が体内に戻り、効果的に体内を冷やすことができるのだ(手のひら、足裏、背中を冷やすのも効果的)。

熱中症にも効果を発揮する脇下や背中を冷却するクーリングインナーベストをチョイスすることで、快適性にも磨きがかかるはず! 果たして初級編+αの相乗効果やいかに?

冷却ベスト(水色)との相乗効果を体感。ただしバイク乗車時の実用性と冷却持続時間はイマイチ……

メッシュ生地のスポーツ用Tシャツを着用。

今回はメッシュ生地のスポーツ用Tシャツを着用。これにアイスタッチUVアームカバー(メンズ)、冷却ベスト(水色)、肩掛け式の超冷却ネックアイスバッグ、脇の下と背中を冷やすクーリングインナーベストをフル装備した。

両腕にアイスタッチUVアームカバー(メンズ)、冷却ベスト(水色)、肩掛け式の超冷却ネックアイスバッグ、脇の下と背中を冷やすクーリングインナーベスト(黒)をフル装備。

うーん、冷却効果はイマイチ……。なおミズノのクーリングインナーベスト(黒)を素肌の上に直接着るのは、メーカー指定によりNG。これは保冷剤による凍傷や低温ヤケドなどを防ぐため。

クーリングインナーベストの下に着用する衣服は、薄地であるほど保冷剤の冷たさが体感しやすい。というわけで、いったん着用しているすべてを脱ぎ……

速乾性の高い薄地の肌着「ユニクロのAIR ism」。

速乾性の高い薄地の肌着であるユニクロのAIR ismを着用。その上に、脇下と背中を冷やすクーリングインナーベスト(黒)。またベスト形状の冷却ベスト(水色)を着用。その上にメッシュ生地のスポーツ用Tシャツ(白)を着用してみた。すると……

白いスポーツ用Tシャツの下に、ミズノ製クーリングインナーベスト(黒)と、ベスト形状の冷却ベスト(水色)を着用。

メッシュ生地のスポーツ用Tシャツ(白)の下には、脇下と背中を冷やすクーリングインナーベスト(黒)とベスト形状のクーリングベスト(水色)を着ているが、着ぶくれ感や走行のしにくさや窮屈感はない。

ここで変化あり! 速乾性の高い薄地の肌着「ユニクロのAIR ism」の上に着用したミズノのクーリングインナーベスト(黒)は、走行時も停止時も心地よく脇下と背中を冷却し、ライディングも快適。

また、速乾性の高い薄地の肌着「ユニクロのAIR ism」の上に着用した冷却ベスト(水)も快適性アップ! メッシュから吸入された走行風が、水を含んだ冷却ベストを経由。その冷たい風が身体を抜けてゆき、メッシュや冷却ベストから身体の湿気や熱気が放出されるイメージ。

速乾性の高い薄地の肌着「ユニクロのAIR ism」を駆使したこの組み合わせは、初級編+αの冷感フィールを感じることができる。「クーリングインナーベストはないよりも、あったほうが絶対にいい」という感覚だ。

ただしクーリングインナーベスト(黒)の保冷剤が効果を発揮するのは、わずか30分ほど(テスト日は36℃の猛暑日。日なたの実測温度は42℃超)。

Tシャツを脱いでクーリングインナーベストを外す→凍らせた保冷剤に入れ替える→ただし入れ替えるには、凍らせた保冷剤を保冷バッグ等に保存して持ち歩く必要がる等々、実際にバイク乗車時に使用するのは、結構ハードルが高いと思う。

とはいえ、初級編で組み合わせたアイスタッチUVアームカバー(メンズ)、水色のクーリングベスト、肩掛け式の超冷却ネックアイスバッグの実用性や利便性は、極めて良好。

クーリングインナーベスト(黒)はメーカーの開発コンセプト通り、ゴルフなどのスポーツやウォーキングに加え、散歩、短時間の屋外作業などで活躍してくれるアイテムだと感じた。

※注:上記はあくまでも筆者の感想です。個人の感覚・体質・健康状態、また気象状況等により感じ方は異なります。

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