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バイクの運転免許の種類
バイクの運転免許は1から7までの7種類。1(原付)とAT(オートマチック)限定のない2・4・6は、手動式クラッチ付ミッション車及びスクーターともに運転できるが、AT限定の3・5・7はスクーターなどのクラッチなし車両のみ運転可能。
小型限定普通二輪免許 難易度★★☆ 取得可能な年齢:16歳
「排気量125cc以下」のバイクに乗車可能
『AT限定』と『限定なし』の2種類あり
「小型限定普通二輪免許」は、排気量125cc以下のバイクに乗車できる運転免許。125ccは原付とは異なり、時速30km/h制限がなく、アンダーパスの走行もOK。2段階右折義務もなく、タンデムシートやタンデムステップ等を備えた車両であれば、2人乗りも可能(免許取得後1年未満の初心者は不可)。ただし高速道路の走行は不可なのが特徴。
燃費が良く、パワーもあり(50ccとは違い、一般的に幹線道路なども交通の流れに乗って走行可能)、50cc並に維持費も安い125ccクラスは、長距離の通勤や通学にも大人気。
特に50cc並の軽量コンパクトな車体&ハイパワーエンジン搭載のスクーターは、その俊敏さから“通勤快速”と呼ばれ、渋滞した朝夕の都市部でも大活躍中だ。
「小型限定普通二輪免許」には、スクーターやスーパーカブ110/C125など、左手によるクラッチ操作なし車両のみ運転可能な『AT限定』と、手動式クラッチ付きミッション車及びスクーターともに運転できる『限定なし』の2種類あり。
運転免許の取得方法は、
1:指定自動車教習所に通う
2:運転免許試験場で直接試験を受ける(一発試験とも呼ばれる)
の2通り。
「小型限定普通二輪免許」取得までの流れ
1:指定自動車教習所を利用する
“普通自動車免許を所有していれば”、1日4時間の実技教習×2日=計8時間で免許の取得が可能
小型限定普通二輪、普通二輪、大型二輪など、バイクの免許を取得する人の多くは、指定自動車教習所に通学するのが定番。最大の理由は、指定自動車教習所の卒業者は、試験場での厳しい実技試験が免除されるため。
また、指定自動車教習所は夜間教習もあるが、運転免許試験場での一発試験(下記参照)は夜間の試験がなく、昼間の仕事を持っている人には受験しづらい。この点も、自動車教習所が選ばれる理由の1つ。
一発試験に比べ、確かにお金と時間はかかる。しかし時間の融通が利き、確実に免許が取れる。ココが指定自動車教習所の最大のポイントだ。
個人の技量によっても異なるが、「AT小型限定普通二輪免許」の場合、“普通自動車免許を所有していれば”、1日4時間の実技教習×2日=計8時間で免許の取得が可能。普通自動車免許を持っていない人は、教習所卒業後、試験場で筆記試験に挑戦。これに合格すれば、免許証が交付される。
「とにかく早く免許が欲しい!」という人は、集中して教習が受けられる合宿免許もオススメ。「昼間は仕事があるから通えない」という人は、夜間教習を実施している教習所を探してみよう。
●指定自動車教習所の基本的な入校資格
・年齢:満16歳以上(16歳の誕生日1ヶ月前から入校可能)
・視力:両眼で0.7以上(メガネ・コンタクト使用可能)
・色別:赤、青、黄色の識別ができること
・聴力:補聴器使用可能
・運動能力:自動車等の運転に支障のないこと
注:各教習所により異なる場合あり
とっても取得しやすくなった「AT小型限定普通二輪免許」
2018年5月31日に道交法規則が見直され、「AT小型限定普通二輪免許」の取得期間が、最短3日から2日に短縮された。具体的には、1日に受けられる技能講習が3時間までだったのが、4時間までに変更されたことで、計8時間必要な技能講習が2日で修了できることになった(普通自動車免許保持者の場合)。
これは「125cc(原付2種)をスタンダードにしよう!」という目論見の一つ。道交法改正後、「AT限定」の免許を取る人は増え続け、「小型限定普通二輪免許免許」では、現況、半数以上の人がAT限定を取得している(参考資料:平成29年運転免許統計 ※編集部調べ)
教習所での教習時間
視力・聴力・運動能力などの適性検査で問題がなければ、学科教習と技能教習へ。卒業検定(指定自動車教習所での実技試験)で70点以上とれれば、晴れて教習所は卒業。
卒業後、運転免許試験場で適正検査と学科試験を受け(学科試験は普通自動車免許があれば免除)、合格すれば(詳細は下記参照)、指定自動車教習所の卒業者は「技能教習」と「応急救護講習」が免除されるため、免許が交付される。
指定自動車教習所で「小型限定普通二輪免許」を取得する場合の費用
【教習費用】
★免許なし / 原付免許所有の場合
限定なし:14万円前後~
AT限定:13万円前後~
★普通自動車免許所有の場合
限定なし:8万円前後~
AT限定:7万円前後~
★AT小型限定普通二輪免許の場合
限定なし:5万円前後~
注:上記料金はあくまでも目安です。各教習所、地域、個人の技量差による延長料金発生等により異なります。
【運転免許試験場(運転免許センター)での費用】
受験料:1,750円
交付手数料:2,050円
◎合計 3,800円
注:上記費用は法令で定める標準額。地域により異なる場合があります。
2:試験場で直接受験する
通称「一発試験」は、“実力次第”で教習所よりも短期&格安で取得可能
小型限定普通二輪、普通二輪、大型二輪など、バイクの免許を取得するには、指定自動車教習所には通わず、運転免許試験場で直接技能試験を受ける、通称「―発試験」もある。
「飛び込み試験」とも呼ばれる一発試験は、
・独学等により、豊富な交通ルールの知識を獲得済み
・十分な運転テクニックを獲得したバイク経験者
・免許の取り消しや失効により再取得する経験者
という、“ごく一部”の人が多いのが特徴。指定自動車教習所に通うよりも短期間で、しかも安く免許が取得できる可能性があるのがポイントだ。
ただし、試験場での技能試験はそれなりの難関。走行コースは、試験直前に告知される場合がほとんど(昨今では動画サイトで公開されたノウハウを研究し、受験するのが定番)。ワンミスが合否に直結するので、バイク経験者でも1回で合格する人は稀で、数回のチャレンジでようやく合格となる場合が多い。
一発試験を受ける人(特にバイクビギナー)は、指定自動車教習所以外の教習所で練習後、数回挑戦し、晴れて合格というパターンが多いのも特徴。
なお、一発試験は平日の午前中や午後の早い時間に実施されており、夜間は行われていない。そのため、試験場での一発試験は、時間に余裕のある学生や、平日の昼間に仕事の休みが取りやすい人がチャレンジする傾向にある。
試験場で直接受験する場合の費用
【合格前(1回分の費用)】
受験料:2,600円
試験車使用料:1,450円
◎合計:4,050円
【合格後】
交付手数料:2,050円
取得時講習料:12,000円
応急救護講習料:4,200円
◎合計 18,250円
問題の難易度に地域差あり!? 運転免許試験場での「学科試験」のポイント
「小型限定普通二輪免許」を取得する場合、普通自動車免許を持っていれば、運転免許試験場での「学科試験」は免除される。
「運転免許は何も持っていない」「原付免許しか持っていない」という人は、指定自動車教習所卒業者&試験場で直接受験する人ともに、学科試験を受ける必要がある。
運転免許試験場での学科試験は、正しい交通ルールやマナーについての試験。
【運転免許試験場での学科試験】
・文章問題:90問→交通ルールを中心とした問題
・イラスト問題:5問→イラストをみて答える危険予知の問題
試験時間は30分。95問中、90%以上の正解で合格となる。
学科試験は、各都道府県によって難易度が異なると言われる。地域によっては、引っ掛け問題(言い回しを変えて、わざと間違いやすくする等)を多用することも。
勉強方法としては、運転免許試験場で売っている問題集をフル活用してみるのがおすすめ(地域により販売なしの場合もあり)。
「小型限定普通二輪免許」運転免許試験場での申請手続きに必要なもの
一発試験に挑む時はもちろん、指定自動車教習所を卒業後も、運転免許証の取得には、必ず住民票のある各都道府県の「運転免許試験場(運転免許センター)」に行く必要がある。
運転免許証取得の申請に必要なものは、
・本籍地が記載された住民票(発行後6ヶ月以内。コピー不可)
・顔写真(6ヶ月以内に撮影されたもの。サイズは縦30mm×横24mm)
・筆記用具(HB以上の鉛筆、消しゴム)
・認印
・メガネやコンタクトレンズ(視力が弱い場合)
注:試験場で直接受験するは、事前に住民票のある「運転免許試験場(運転免許センター)」に問い合わせておくこと。『運転免許試験場』『運転免許センター』『東京/大阪/愛知(管轄の都道府県)』等のワードで検索。
「運転免許試験場」の適性試験とは?
一発試験に挑む時はもちろん、指定自動車教習所を卒業後も、「運転免許試験場」で行われる適性試験。実施するのは、下記の簡単な身体検査。公道を走行するために必要な事項を検査するもので、もしもこの検査で「不適性」とみなされた場合、免許交付は不可。
・視力検査において、両目で0.5以上あること(メガネやコンタクトレンズ使用可能)
・聴力検査(補聴器使用可能)
・色彩識別検査(信号の青、赤、黄など)
・運動能力検査