カワサキがアドベンチャーバイクを準備中? 2気筒エンジンのKLEか?【EICMA2024】

2024年11月5日(火)〜10日(金)まで、イタリア・ミラノで開催されたEICMA(エイクマ)/ミラノ国際モーターサイクルショー。カワサキのブースには、オフロード系フロント周りが突き出た謎のBOXが展示されていた。
PHOTO/REPORT●河野正士 (TADASHI KONO)

毎年盛大にプレスカンファレンスを行い、多くの報道陣を集めるカワサキ。しかし今年は背中合わせにブースを構えた、いまやカワサキ傘下となったビモータは2台の新型車をプレスカンファレンスで発表したが、カワサキ自身はプレスカンファレンスを行わなかった。

そのカワサキブースの片隅にひっそりと置かれていたのが、このボックスだ。箱の上からはオフロードヘルメットにゴーグルを付けたマネキンが見え、その前方にはアドベンチャーバイクらしきフロントフォーク&ホイールが見える。そして側壁には街中と郊外の写真がデザインされ、その中央に「Life’s a Rally. Ride it KLE EST.1991」の文字が書かれていた。

1991年といえば、「GPZ500(日本ではGPZ400s)」系の並列2気筒エンジンを搭載したアドベンチャーモデル「カワサキKLE500」が発売された年だ。日本では「KLE400」として販売され、さらに排気量が小さな「KLE250」もラインナップされていた。KLEは、フロント21インチ/リア17インチというオフロード寄りの足周りを持ちながら、フレームマウントのフロントカウルを持つなど、いまで言うところのアドベンチャーバイクにカテゴリーされるモデルだ。カワサキは、そのモデルの復活を示唆している、と想像できる。

かつてカワサキは、デュアルパーパスと呼ばれていたアドベンチャーモデル市場が拡大していったとき、オンロードツーリングに焦点を絞ったツーリングモデル「ヴェルシス650」を発表。このヴェルシスの初期のコードネームがKLEであり、欧州のサイトで検索を掛けると「KLE650 Versys」でヒットする。その後ヴェルシスは、KLEのコードネームが消え、オフロードの匂いを消したオンロードツーリングモデル“ヴェルシス”として、ファミリーを充実させていく。

しかしEICMA2024のカワサキブースに展示されていた箱からは、21インチホイールに未舗装路でのグリップが良さそうなタイヤという、土埃が似合うフロント周りが顔を出していた。

またその奥に見えたエンジンは水冷の並列2気筒だった。シリンダー形状や、現在のカワサキのラインナップから想像するに、それは新型「エリミネーター500(日本ではエリミネーター400)」系の2気筒エンジンとみた。

カワサキからは何も発表されていないのだが…続報を待ちたい。

↑21インチスポークホイール(チューブレスではない)に、エッジの効いたブロックが特徴のアドベンチャータイヤ、倒立式フロントフォークを採用。奥に見えるカウルは高く反り立ち、防風性とスタンディングでの操作性にも優れているように見える
↑フロント側から覗いて見えたエンジン。新型エリミネーター系の並列2気筒エンジンのようにみえる。
↑「Life’s a Rally. Ride it KLE EST.1991」のコピー。黒の地板に黒の文字。箱から突き出る車体のディテールも最小限で、できるだけひっそりと佇ませたいというカワサキの強い意志を感じる

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著者プロフィール

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河野 正士

河野 正士/コウノ タダシ
二輪専門誌の編集スタッフとして従事した後フリーランスに。その後は様々な二…