毎年盛大にプレスカンファレンスを行い、多くの報道陣を集めるカワサキ。しかし今年は背中合わせにブースを構えた、いまやカワサキ傘下となったビモータは2台の新型車をプレスカンファレンスで発表したが、カワサキ自身はプレスカンファレンスを行わなかった。
そのカワサキブースの片隅にひっそりと置かれていたのが、このボックスだ。箱の上からはオフロードヘルメットにゴーグルを付けたマネキンが見え、その前方にはアドベンチャーバイクらしきフロントフォーク&ホイールが見える。そして側壁には街中と郊外の写真がデザインされ、その中央に「Life’s a Rally. Ride it KLE EST.1991」の文字が書かれていた。
1991年といえば、「GPZ500(日本ではGPZ400s)」系の並列2気筒エンジンを搭載したアドベンチャーモデル「カワサキKLE500」が発売された年だ。日本では「KLE400」として販売され、さらに排気量が小さな「KLE250」もラインナップされていた。KLEは、フロント21インチ/リア17インチというオフロード寄りの足周りを持ちながら、フレームマウントのフロントカウルを持つなど、いまで言うところのアドベンチャーバイクにカテゴリーされるモデルだ。カワサキは、そのモデルの復活を示唆している、と想像できる。
かつてカワサキは、デュアルパーパスと呼ばれていたアドベンチャーモデル市場が拡大していったとき、オンロードツーリングに焦点を絞ったツーリングモデル「ヴェルシス650」を発表。このヴェルシスの初期のコードネームがKLEであり、欧州のサイトで検索を掛けると「KLE650 Versys」でヒットする。その後ヴェルシスは、KLEのコードネームが消え、オフロードの匂いを消したオンロードツーリングモデル“ヴェルシス”として、ファミリーを充実させていく。
しかしEICMA2024のカワサキブースに展示されていた箱からは、21インチホイールに未舗装路でのグリップが良さそうなタイヤという、土埃が似合うフロント周りが顔を出していた。
またその奥に見えたエンジンは水冷の並列2気筒だった。シリンダー形状や、現在のカワサキのラインナップから想像するに、それは新型「エリミネーター500(日本ではエリミネーター400)」系の2気筒エンジンとみた。
カワサキからは何も発表されていないのだが…続報を待ちたい。


