名車・スズキGSX1100Sカタナの鉄フレームにGSX-R1000用水冷エンジンを搭載した新旧コラボ仕様

東京モーターサイクルショー2022に出展したバイクチェーンメーカー「RKジャパン」。同社ブースに展示された写真のレース用マシンは、国内外のロードレースで活躍してきた加賀山就臣選手が2021年、筑波サーキットで開催された「TOT(テイスト・オブ・ツクバ」で優勝した車両。GSX1100Sカタナのスチールフレームに水冷のGSX-R1000用エンジンを搭載。吸気系はインジェクションからキャブレターに変更するなど、旧車がメインとなるTOTならではの、新旧機能をコラボさせたユニークなカスタムが施されている。
PHOTO/REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
RKジャパン https://mc.rk-japan.co.jp/

スズキ GSX-1000R KATANA(チームカガヤマ)

2021秋 TOT(テイスト・オブ・ツクバ)ハーキュリーズクラス優勝 加賀山就臣選手 57秒786

吸気系は最新装備フューエルインジェクションから、あえてミクニのレーシングキャブレター・TDMRに変更。
市販のカタナ用カウルに純正スクリーンを組み合わせ。

 ロードレースの最高峰であるMotoGPやWGP500ccクラス(MotoGPの前身)、全日本ロードレース選手権、ブリティッシュスーパーバイク選手権(BSB)、スーパーバイク世界選手権(SBK)、FIM世界耐久選手権(EWC)、鈴鹿8耐など、数々のロードレースに参戦し活躍してきた加賀山就臣選手。

 東京モーターサイクルショー2022のスズキブースでは、加賀山選手が全日本ロードレース選手権から現役引退し、監督業や新たな取り組みに専念することを発表した。

 2018年、当時加賀山選手は全日本ライダーながら、筑波サーキットで開催中のレース「TOT(テイスト・オブ・ツクバ)/春と秋の年2回開催」のハーキュリーズクラス(スチールフレーム車限定。その他の改造は基本的に無制限)に出場して優勝。その後も意欲的にTOTへ参戦し、連戦連勝。草レースであるTOTと、全日本ロードの橋渡し役として、レース業界を大いに盛り上げてきた。

 写真は2021年秋のTOTにおいて、加賀山選手が予選57秒786という、鉄フレーム車ながら驚異的なコースレコードを叩き出して優勝した“3号機”だ。

GSX1100Sカタナの鉄フレームにエンジンマウント部などを加工装着して、水冷のGSX-R1000用エンジンを搭載。
吸気系はインジェクションからミクニのレーシングキャブレター・TDMR(ダウンドラフト型)に変更。

 GSX-1000R KATANAと名付けられたこのマシンは、名車・GSX1100Sカタナのスチールフレームに、水冷のGSX-R1000(海外モデル・2016年型/国内ではGSX-R1000R ABSが発売中)用エンジンを搭載。旧車が集うTOTのスピリッツに基づき、吸気系はGSX-R1000のフューエルインジェクションから、あえてミクニのレーシングキャブレター・TDMRに変更されているのがポイントだ。

 フロントフォークは倒立型のオーリンズ製を選択。なお、2018年に初出場した1号機のリアサスペンション&スイングアームは、ホンダCBR系のプロリンク式を流用。続く2号機は、片持ち式スイングアームのプロアームに進化。しかし写真の3号機は、「旧車」「草レース」というTOTの原点に帰るべく、レースマシンながら他車用アルミスイングアーム+アラゴスタのツインショック式が選択されている。

 なお、2022年5月に開催されたTOTでは、加賀山選手は純正のアルミフレームから、“わざわざ”鉄フレームに変更したスズキGSX1300Rハヤブサ改「鐵隼」でハーキュリーズクラスに出場。決勝ベストタイム58秒539で2位を獲得した。

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