軽さは正義! 利便性でも王者PCXに肉薄

PCXよりも36kg軽い! だからお手軽、使いやすい! ホンダDio110はコミューター界の隠れた名車である。

ホンダ・Dio110……242,000円〜
ディオという原付スクーターが誕生したのは1988年のこと。その伝統の名称を受け継ぎ、全く新しいモデルとして2011年に発売されたのが原付二種のディオ110だ。2015年のモデルチェンジを経て、2021年にはフレーム、エンジンとも刷新するなど大幅に手が加えられた。PCXという絶対的王者との立ち位置の違いを探ってみる。

REPORT●大屋雄一(OYA Yuichi)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
取材協力●ホンダモーターサイクルジャパン

ライディングポジション&足着き性(175cm/64kg)

28.0cmのブーツだとフロアボードがやや狭く感じる。足を前方に伸ばせるPCXとは対照的で、積極的な操縦がしやすいライディングポジションだ。

シート高は760mmで、PCXの764mmよりも低い。足着き性の良さに加え、ステップスルーデザインによる乗り降りのしやすさはPCXにはない美点だ。

ディテール解説

アンダーボーンフレームは従来の鋼管を使ったものから、高張力鋼板をプレス成型してレーザーで溶接した新タイプに。このeSAFフレームは高剛性と軽量化を高次元で両立する。

ボア×ストロークを50.0×55.1mmから47.0×53.1mmと、よりロングストローク化した新型eSPエンジン。最高出力は9.0psから8.7psに微減。アイドルストップを引き続き採用する。

ホイールは前後とも14インチ。ブレーキはフロントがシングルディスク、リヤがドラムで、左レバーを握ると前後に制動力が配分されるコンビブレーキを採用する。
リヤサスはスクーターでは一般的なユニットスイング式で、ショックユニットは左側1本のみ。なお、駆動系には伝達効率に優れるダブルコグベルトを採用する。
シート下の収納スペースの容量は18ℓで、フルフェイスも収納可。その後方に給油口あり。
500mlのペットボトルが入るインナーボックスやコンビニフックなど、利便性に優れる。
液晶ディスプレイ付きのメーター。低燃費走行をサポートするECOインジケーターを新設。
スマートキーシステムを新採用。アンサーバック機能やイモビライザー機能も搭載する。

ディオ110 主要諸元

車名・型式 ホンダ・2BJ-JK03
全長(mm) 1,870
全幅(mm) 685
全高(mm) 1,100
軸距(mm) 1,255
最低地上高(mm) 150
シート高(mm) 760
車両重量(kg) 96
乗車定員(人) 2
燃料消費率(km/L)
 国土交通省届出値:定地燃費値(km/h) 59.4(60)〈2名乗車時〉
 WMTCモード値(クラス)54.9(クラス 1)〈1名乗車時〉
最小回転半径(m) 1.8
エンジン型式 JK03E
エンジン種類 空冷4ストロークOHC単気筒
総排気量(cm3) 109
内径×行程(mm) 47.0×63.1
圧縮比 10.0
最高出力(kW[PS]/rpm) 6.4[8.7]/7,500
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 9.0[0.92]/5,750
始動方式 セルフ式
燃料供給装置形式 電子式〈電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)〉
点火装置形式 フルトランジスタ式バッテリー点火
燃料タンク容量(L) 4.9
変速機形式 無段変速式(Vマチック)
タイヤ
 前 80/90-14M/C 40P
 後 90/90-14M/C 46P
ブレーキ形式
 前 油圧式ディスク
 後 機械式リーディング・トレーリング
懸架方式
 前 テレスコピック式
 後 ユニットスイング式
フレーム形式 アンダーボーン

製造国 ベトナム

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