1万780円のSP武川製カムシャフトでホンダハンターカブが激変! 気持ちヨシッ!

快適な走りが自慢のハンターカブだが、慣れてくると欲しくなるのがパワー。チューニング方法はいろいろあるが、今回は見た目ノーマルにこだわる人へのオススメを紹介しよう。

PHOTO:重松浩平 REPORT:川島秀俊 【問】ペシャルパーツ武川 ☎0721-25-1357

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【SP TAKEGAWA】スポーツカムシャフト(N-15)1万780円

ノーマルマフラーならポン付けでオッケー!カムプロフィールを見直すことで、高回転での出力をアップ! 移植作業のないデコンプレス仕様なので、交換は比較的簡単だ。

MACHINE CHECK!!

このハイカムはノーマルマフラーで使用するのが前提。マフラーを交換するとFIコンによる燃調が必要となるのだが、これの発売がもうちょっと先なのだ。フルノーマルなら、ポン付けでさり気なくパワーアップできるぞ。

パワーバンドが拡大し峠の登りもス~イスイ!

ハンターカブのユーザーには、荷物を山ほど積んでツーリングを楽しんでいる人が多い。その場合、車重も相当な重さになり、パワー不足を感じるシーンも増えるだろう。簡単にパワーアップする方法としてはマフラー交換が定番。爽快なパワーフィールとサウンドにより、カスタムテイストも存分に味わえる。

しかし、ユーザーの中には「ノーマルルックを崩したくない」という人がいるのも実情。家庭や住環境から、マフラー交換ができないという場合もある。そこでオススメしたいのが、SP武川からGROM系エンジン用にリリースされているスポーツカムシャフト(Nー15)だ。これはノーマルエンジンの素性を最大限に引き出すべくプロフィールを最適化したもので、特別な加工や別途パーツ不要でポン付けチューンが可能。吸排気系がノーマルならFIのリセッティングも不要で、外観はまったくノーマルのままマフラーを交換したかのようなパワーを手に入れることができるのだ。

【POWER GRAPH】6000rpmからがモリモリ!

注目なのは高回転域のパワー特性! ノーマルは5700rpmで一瞬ピークを迎えて以降、一気に落ちていくが、スポーツカムシャフト仕様は、ノーマル以上のパワーを7500rpmまで維持。パワフルで気持ちよく走れるのだ。

装着方法ざっくり解説 HOW TO WEAR

交換作業はエンジンをバラすことになるため、相応の知識と専用工具が必要。サンデーメカニックを実践したい人は下記の手順を参考に、チャレンジしてみてほしい。

1 ▲アンダーカバーと左サブフレームを外し、エンジン左面をオープンに。8mmボルト計6本を抜き、上下のタペットカバーとカムスプロケットカバーを外す。オイル垂れに注意!
2 ▲2か所のホールキャップを外し、Tマークを見てクランク上死点を合わせる。ユニバーサルホルダーを使いつつ中央の12mmボルトを抜き、カムスプロケットを取り外そう。
3 ▲10mmボルトを抜いてロッカーアームシャフトを留めるプレートを外し、シャフトやロッカーアーム&ニードルベアリングを外す。その後、純正カムシャフトをヘッドから引き抜こう。
4 ▲注油してからスポーツカムシャフトを外した逆の手順でセット。ニードルベアリングを落とさないよう注意しながら、ロッカーアームとロッカーアームシャフトも元に戻す。
5 ▲カムスプロケットを装着する前に、カムチェーンテンショナーの油圧を抜いておこう。エンジン下部の10mmボルト&ワッシャを外すと、少量のエンジンオイルが抜けてくる。
6 ▲取付説明書の指示に沿ってカムの向きや固定位置を合わせつつ、カムスプロケットにカムチェーンをセットしながら固定。中央の12mmボルトは27Nmで締めておく。
7 ▲カムチェーンテンショナーにエンジンオイルを4cc補充し、ボルトを10Nmで固定。専用工具を使い、バルブクリアランス(IN側0.1/EX側0.17/各±0.02mm)を調整する。
8 ▲クランクを2回転させてバルブクリアランスを再測定し、規定値ならOK。下側のタペットカバーを閉じてロッカーアームなどの摺動部に注油し、外したパーツを戻せば完成だ!

さて、気になるのは実際の走行フィールだが、ノーマルよりも高回転までシッカリ使えるので、乗っていて気持ちイイ! ノーマルの場合、エンジンを回してもパワー感を味わえるのは5500rpmぐらいまでだが、スポーツカムシャフトが入っているとグイグイ加速し続け、7500rpmまでパワー感が途切れない。さすがに8000rpmではタレを感じるが、広いパワーバンドで3速の守備範囲が広がり、峠道の登りもスイスイ走れるようになる。この気持ち良さ、病みつきになるぞ!

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