人気連載「今買うなら、ひょっとしてコレちゃう?」の上期3傑をご紹介

今こそ、ちょっと憧れだったあの車を(中古で)吟味するチャンスかも?「アウディR8」「フェラーリ456」「ポルシェ911ターボ」を再考

実用的で高性能。フェラーリやランボのように妙なぎらつきもない。ホンダNSXがまともに進化を続けていたらこんなクルマになっていたかもしれない……。
実用的で高性能。フェラーリやランボのように妙なぎらつきもない。ホンダNSXがまともに進化を続けていたらこんなクルマになっていたかもしれない……。
エンスージアスト向け中古車選びの羅針盤として、人気の連載が「今買うなら、ひょっとしてコレちゃう?」だ。屈指のスーパーカー評論家でありながら、30年で50台の中古車ライフを満喫してきた西川淳が「今」買うべき1台を解説する、一部の方には超お役立ち情報満載記事である。今回は、その珠玉の記事を人気順3位まで紹介する。

第1位 毎日乗れるスーパーカー「アウディR8」初代モデルがお得すぎる

アウディR8は実用性を担保するためロングホイールベース化されている。サイドブレードはそれを目立たなくさせるアクセントだ。
アウディR8は実用性を担保するためロングホイールベース化されている。サイドブレードはそれを目立たなくさせるアクセントだ。

ミドシップスーパーカーというとハードルの高い、日常とは対極に位置するクルマの代表格だ。しかしアウディR8は、真逆の使い方ができる稀有なクルマである。この記事で紹介するのはその記念すべき初代モデルだ。

姉妹車となるランボルギーニ ガヤルドのホイールベースを延長しただけあって乗り心地に優れている。もちろん取り回しも、そしてここ一発のパフォーマンスも全てが高いレベルで、峠やサーキットでもなかなかのものである。

初代モデルなら、なんと600万円台から見つけられるが、最も注目したいのは今でも語り草となることもある初代R8のMTモデル。クルマ好きの好むシフトフィールの垂涎の一台は、少し割高でもぜひ一度手に入れて堪能したいものだ。

第2位 MTのV12フェラーリが今なら破格値

モンテゼーモロ政権の第一弾として1992年デビュー。優美なスタイリングをもつFR12気筒フェラーリへの原点回帰であった。
モンテゼーモロ政権の第一弾として1992年デビュー。優美なスタイリングをもつFR12気筒フェラーリへの原点回帰であった。

人気記事第2位は日本では不人気の2+2フェラーリ。もちろん海外でも2シーターに比べて安いが、日本ほど極端ではない。2+2モデルの需要がしっかりとあって底堅い。海外のサーキットイベントなどでは2+2モデルで駆けつけるオーナーも多い。

ところが中古車情報を検索してみれば、昔ほどタマ数はないのだ。ひょっとすると異常に安かった時代にかなりの数が日本から海外へ流れたかもしれない。少なくなれば値段も上がる。一時期の倍程度の相場感だろうか。それでも前後期とも600万〜900万円だが。

2シーターモデルの異常な値上がりに釣られて、古いモデルから順に2+2も値を上げてきた。365とか412だって今や結構な相場(1000万円〜)なのだ。そのうち456だって……。今こそ日本で2+2フェラーリ(しかもV12)を存分に堪能するべきなのだ。

第3位 ポルシェ911ターボ(996型)が買いだ!

「出会い頭の直感で買ったクルマの方が成功した確率は高い」というのが教訓である。
「出会い頭の直感で買ったクルマの方が成功した確率は高い」というのが教訓である。

第3位は記念すべき第一回。それがポルシェ996ターボだ。ここ何年かずっと996GT3の相場をチェックしてきたのだが、良い個体に巡り合わないうちにさっさと高くなってしまった。そこで同じ年代の役物でまだしも安めの996ターボに注目したのだ。

車体価格の安い順に911をソートするとまず出てくるのは996型だ。世界的に人気の歴代911の中でもダントツの不人気、だから驚くほど安い。直前までの993とは雲泥の差になってしまった。空冷人気とデザインへの不満がその差の大きな要因で、特にボクスター顔への抵抗感が大きいのだろう。

996は初代水冷だ。そしてボディ幅も狭い。そういったこともマイナスかもしれないが、セケンのネガこそマニアのポジ。逆張りこそ勝利への近道(何に勝つ?)、ポルシェ911史において歴史的転換点となったモデルへの敬意を表して筆者は996を「水冷ナロー」だと常々言っている。

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著者プロフィール

ゲンロクWeb編集部 近影

ゲンロクWeb編集部

スーパーカー&ラグジュアリーマガジン『GENROQ』のウェブ版ということで、本誌の流れを汲みつつも、若干…