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PORSCHE 911
ボディシルエットを維持しながら細部を変更
次期型の「ポルシェ911」は、ボディにほとんど変更は加えられていないが、バンパー、ホイール、ライト、ミラー、エアロパーツなどが新しくなるだろう。新設計となるフロント下部のエアインテークには、調整可能な垂直ルーバーが5本設けられており、必要に応じてラジエターとブレーキにより多くの冷却風を送ることができる。また一部のバージョンでは、高速走行時のダウンフォースを増やすためにリップスポイラーが装着される。
フロントおよびリヤバンパーには、グレードごとにさまざまなバリエーションが用意されているようだ。ターボとターボSには、スタイルの異なる2対のテールパイプが装備される。それ以下のグレードでは、センターまたはサイドマウントのシングルまたはデュアルエキゾーストとなる。
リヤのエアロパーツも小型の電動ディフレクターからRSに装備される大型ウイングまで、さまざまなタイプが用意される。また、スプリット式リヤエアインテークのデザイン変更も予想される。そのほか、5ドットヘッドライトとテールライト、インジケーターも新しいデザインが採用されるだろう。
2系統から構成されるマイルドハイブリッド
ターボ付きマイルドハイブリッドユニット(T-HEV)のバッテリーは、エンジンとブレーキ回生によって充電される。2kWhのキャパを持つ高性能のバルタ(VARTA)製バッテリーが、約60kWを越えるパワーを発揮するモーターに電気を供給する。
T-HEVは、2つの電動エレメントを融合したシステムと言われている。ISG(インテグレーテッド スターター ジェネレーター)は、オンデマンドで瞬時にブースト効果を生み出すとともに補機類を駆動する。一方、燃料タンクの下に配置されたモーターが前輪を駆動し、重量配分を改善するという。なお、T-HEVモジュールは、重量を25kg以下に抑えられているという。
GT3も将来的にはハイブリッド化
ベースエンジンとなる改良型3.0リッター6気筒ツインターボは、最高出力291kW(395PS)、最大トルク470Nmを発生する。モーターが63kW(115PS)、176Nmと仮定すると、合計出力は354kW(480PS)、646Nmに達する。911 T-HEVはGTSとターボの間に位置するグレードになりそうだ。
GT3とGT3ツーリングは4.0リッターフラット6エンジンを搭載するが、出力は現在の375kW(510PS)から389kW(529PS)程度まで引き上げられると予想する。2025年モデルは、最大1500台の生産が計画されているという。
なお2026年モデルでは同じ出力を保ちながら、高効率なマイルドハイブリッドシステムを搭載した、自然吸気3.6リッターエンジンに切り替えられる見通しも伝えられる。
その他の仕様も軒並みパワーアップ
カレラSは最高出力331kW(450PS)から339kW(460PS)、最大トルク530Nmから551Nmに進化して登場すると見られている。GTSは3.0リッターから3.6リッターに排気量が増えることで7.5kW(10PS)出力を上げて最高出力が360kW(489PS)に達すると予想されている。この3.6リッターエンジンは、現在3.8リッターエンジンを搭載しているターボとターボSにも採用される可能性がある。