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RAYS x VOLK RACING G025GC
ディフェンダーを狙い撃ちした22インチホイール
ボルクレーシングはレイズの大黒柱にして、その柱の表情は実に多種多様となった。軽量ホイールの第一人者としてスポーツホイール界を駆け抜けたTE37勢を軸に据えながらにして、あらゆるアプローチでスポーツホイールの理想像を訴えている。ひとつがGシリーズと括られる一連の製品群だ。TE37を中心としたボルクレーシングで走り回ったクルマ好きがやがて大人になったときに、スマートに履きこなせるスポーツホイールを、という提案である。
狙いは徐々に浸透したようだ。この10年を俯瞰すると、Gシリーズは特に輸入車シーンで数多く見受けられるようになった。その核を担うG025に、このたび新たな仕様が登場した。それがG025GCである。コアなスポーツモデルで鍛えた設計手法や金型鍛造1ピースホイールの生産技術を活かしながら、今度はプレミアムSUVやラージミニバンなど、巷にある最重量級モデルの足もとを支えるために生まれた意欲作である。
そこにはディフェンダーを狙い撃ちした22インチサイズがある。当然ながら既存のG025を安直に流用してマッチングさせたわけではない。ディフェンダーに見合う耐荷重性能を持たせつつ、スタイル的にもタフツールっぽさを出す。そのため徹底的に強度解析やテストをした結果として、デザイン変更が随所において実施された。既存モデルと同じくスポーク天面は極限までシャープに取っているが、しかし断面に厚みを持たせることで強度と剛性を確保する。このスポークサイドは軽くエグリを入れることで軽量化を促進し、さらに最新の構造解析技術が導き出した軽量化として、ベースのG025よりも大きなウエイトレスホールが設けられている。これだけ攻めたデザインを22インチという大口径で採用しながらも、JWL基準よりもはるかに厳しく設定されるレイズの独自基準「JWL+R」の鍛造基準「スペック2」をあたりまえのようにクリアする。
追い求めたのは“強い”ホイール
常にレースシーンで己を鍛えてきたレイズが、3t近いクルマが当たりまえにストリートを闊歩する時代を支え始めている。レイズがここ10年近く“剛性”に着目した結果である。タイヤの性能を100%活かし切るために、軽いばかりではなく“強い”ホイールを追い求めたのだ。そのための技術的ノウハウは数多く存在する。もともと比強度に優れたデザイン金型鍛造製法を使うがゆえ、それを“軽さ”にも“剛性”に振れる広さを持つのがボルクレーシングの強みだ。
剛性追求のメリットはほかにもある。静粛性や乗り心地の向上といった、快適性の面にも効いてくることを捉えた。タイヤが100%の能力を発揮し、またタイヤからの音や振動をホイール側で適切にいなすことができれば、結果として快適な乗り味となる。それにはリムを筆頭に強靭な構造が必要で、剛性確保の考え方と方向性が一致する。そのような技術がテンコ盛りだというG025GCをみると、改めて「スポーツホイールの新境地」を感じずにはいられない。
REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)
PHOTO/RAYS、山本佳吾(Keigo YAMAMOTO)
MAGAZINE/GENROQ 2024年 5月号
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