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JATS x DELTA FORCE
唯一無二のディフェンダー
タスマンブルーに彩られたディフェンダーが、容赦なく吹きつける海風や、足場の悪い岩場混じりの砂地をものともせず、いかにも瑞々しく海辺に立っている。現行型ディフェンダー(L663型)のチーフデザインオフィサーを務めたジェリー・マクガバン氏は「これまでの歴史をリスペクトしながらも過去にとらわれない」デザインだと括った。それは功を奏したようで、旧来のファンだけでなく、新たなユーザー層を獲得したようだ。新しい感性を持った着こなし、乗りこなしかたが見受けられるようになった。
それを象徴するような1台である。オーナー氏はもともとタンドラでキャンプを楽しんでいた。しかし、アメリカンピックアップ好きから英国伝統のクロスカントリーへと180度方向転換させてしまうほどの魅力が、ディフェンダーには宿っていたのだろう。彼を徹底的にサポートするカスタムショップ「JATS」の協力が相まって、こうして唯一無二のディフェンダーとなった。
唯一無二といっても、必要以上にゴテゴテと盛り付けない。手数は必要最低限である。タスマンブルーのほかはすべてブラックで統一したボディコーディネートのうえに、チョコンと乗るライノラックのパイオニアプラットフォームと、飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けるデルタフォース・オーバルホイール。それを支えるのはモンスタタイヤ・マッドウォーリアーだ。これだけでぐっと精悍さを増すのだから、ディフェンダーって不思議な存在である。「過去にとらわれない」というコンセプトは、こうしたモノ選びにだって通じる。ライノラックやモンスタタイヤは、ともにオーストラリアに芽生えた気鋭のブランドで、ディフェンダーとは大陸こそ違えども、過酷な環境下で生まれ育ち、立派にその実力が認められてきた。過去にとらわれずともモノ選びに妥協はない。
世界観を一変させるホイール
そんな新旧が混在するタフギアの世界観を支える決め手となるのがデルタフォース・オーバルだろう。世界中のタフギア、そのどの個性をそっと引き立てつつも、世界観を一変させると評判のホイールだ。車種ごとに寸法を吟味したやわらかいコンケーブフェイスに、温もりを感じさせるホールデザイン、そしてビードロック風のリムが、優しく、強くその足もとを支えてくれる。サテンブラックという色味もまた奥ゆかしくていい。ランドローバー純正のセンターキャップを当てはめれば、まるで純正オプションホイールのようにボディに調和しつつ、角度や光の当たり加減によって、そこはかとない色気を醸し出す。
優しく強いのはデザイン性だけではない。車種別専用設計はもちろん、ディフェンダー用として設定される9.0J×20インチはフローフォーミングを採用する。その巨体を受け止めるにあたって十分な強度や剛性が宿り、衝撃をしなやかに受け止めていなす。わずか13.7kgという計量性能も見逃せない。オーナーの趣味嗜好やライフスタイルに寄り添う優しさを秘めながら、実性能の意味でもトコトン強い、麗しのプロスペックである。
REPORT/中三川大地(Daichi NAKAMIGAWA)
PHOTO/中島仁菜(Nina NAKAJIMA)
MAGAZINE/GENROQ 2024年 5月号
PARTS LIST
Wheel:DELTA FORCE Oval(20×9.0J)
Tire:MONSTA TYRES Mud Warrior M/T(LT265/50R20)
Accessory:RHINO-RACK Pioneer Platform
【問い合わせ】
JATS
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https://jats.co.jp
【取材協力】
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